この章のゴール
先人が落ちた穴を先に知る。各事例の教訓がどの原則に対応するかを理解し、同じ穴に落ちない状態を作る。
- ここに載っているのは、この業界で実際に繰り返されてきた典型的な失敗。能力不足ではなく、原則を飛ばしたときに起きる事故ばかり。
- うまくいかない案件があったら、9ケースに照らして「どの原則を飛ばしたか」を振り返る。
- 自分の失敗もこのページに追加していく。失敗の共有こそ、チームの最速の学習。
面談・提案フェーズの失敗
| ケース | 何が起きたか | 教訓 → 対応する原則 |
| 01 初回面談で求人を大量送付 | 面談直後に良かれと思って15件送付。返信が来なくなり、他社経由で転職していたことが後日判明 | 初回面談は求人紹介の場ではない。信頼と次回の握りの前の大量送付は「理解する気がない」というメッセージになる → 初回面談: 面談の目的 |
| 02 タテマエの転職理由のまま提案 | 「成長したい」を額面通りに受け取り提案し続けたが応募ゼロ。本音は「評価への不満」だった | 最初に語られる転職理由は建前が多い。本音の軸に到達する前の提案はすべて的外れになる → 初回面談: 本音の引き出し |
| 03 全持ちを確認せず | 順調に選考が進んでいたが、候補者は他社経由でも並行応募。先に他社経由の内定が出てそのまま承諾された | 活動状況(応募企業・経路・他社エージェント)は初回で正確に把握し、経路の一本化を握る。知らない並行戦は始まる前に負けている → 初回面談: 活動状況ヒアリング |
| 04 「人柄が良いから大丈夫」と無対策 | コミュ力の高い候補者を対策不要と判断して送り出し、一次で見送り。「話は上手いが実績の再現性が見えない」 | 人柄と選考突破力は別物。再現性(定数と変数)の言語化はどんな候補者にも必須 → 選考対策: 成果の再現性 |
選考・スケジュールの失敗
| ケース | 何が起きたか | 教訓 → 対応する原則 |
| 05 意向確認を怠り最終ドタキャン | 選考がスムーズだったため面接後の電話を省略。最終面接当日に「やはり現職に残ります」と辞退連絡 | 転職の熱は放っておけば冷める。返信の遅れ・準備量の低下というサインは出ていたはず。各面接後の電話は検知の生命線 → 選考対策: 対策と意向上げはセット |
| 06 内定が1社だけ先行 | 応募タイミングを調整せず、本命でない1社だけ内定が先行。期限内に他社の結果が出ず「比較できないので」と辞退 | 内定は同時期に揃える。応募の瞬間から各社の最終面接と内定時期を逆算して設計する → 応募合意: スケジュール設計 |
| 07 年収期待値を握らず破談 | 年収の話を後回しにした結果、オファー額が想定を大きく下回り、感情的なもつれから破談に | 年収の防衛ライン(4段階)は応募〜最終面接の間に握り、企業と事前調整しておく → クロージング: 年収期待値の4段階調整 |
クロージングの失敗
| ケース | 何が起きたか | 教訓 → 対応する原則 |
| 08 承諾後に放置 | 承諾が出たので案件完了と判断し連絡を絶った。強い引き止めに遭った候補者は相談相手がいないまま残留を決断。入社2週間前の辞退に | 承諾はゴールではない。カウンターの事前ワクチンと、承諾後1〜2週間おきの接触が入社日までの生命線 → クロージング: 退職交渉・内定ブルー |
| 09 軸なきクロージングで押し込み | 月末の数字のために迷っている候補者を押し切って承諾させた。入社3ヶ月で退職、返金が発生。企業からの信頼と紹介経路を失った | 押してよいのは「軸で答えが出ていて、変化への恐れだけが残っている」場合のみ。軸なき押し込みは短期の売上と引き換えにすべてを失う → クロージング: 軸への照合 |
📌 この章の使い方
失敗のパターンは、ほぼすべて「原則を飛ばした」ことによる事故です。うまくいかない案件があったら、この9ケースに照らして「どの原則を飛ばしたか」を振り返ってください。そして自分の失敗も、このページに追加していきましょう。失敗の共有こそ、チームの最速の学習です。
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