THE AGENTコラムフェルミ推定 例題30選
Practice Drills

フェルミ推定 例題30選
解法5ステップ・頻出の型・完全解説つき【コンサル面接対策】

2026.09.02 更新|THE AGENT編集部

「日本に電柱は何本ある?」——初見なら誰でも面食らうこの問いが、コンサル・外資・総合商社の選考で出続けるのには理由があります。フェルミ推定は「未知の問題を、構造化して、限られた情報で、それらしい答えまで運ぶ力」を10分で測れる、最も効率的なテストだからです。

この記事では、解法の5ステップと頻出の「型」を先に固め、そのうえで例題30問を難易度・カテゴリ別に収録しました。3問は思考プロセスを完全再現しています。ブックマークして、1日3問ずつ潰してください。

Summary
  • 評価されるのは答えの精度ではなくプロセスの透明性——前提を宣言し、式に分解し、検証まで声に出せるか。
  • 頻出は「個数系」「市場規模系」「その場観察系」の3カテゴリ。それぞれ定番の分解の型があり、型を覚えれば初見でも崩れない。
  • 練習は1問10分×声に出して30問。基礎数値(人口1.2億・世帯5,000万など)を暗記すれば速度が倍になる。

Chapter 1フェルミ推定とは — 面接官が見ている3つの力

一言で

見られているのは①構造化(分解の筋の良さ)②数字感覚(桁を外さない)③コミュニケーション(思考の実況中継)の3つ。暗記した答えは一発でバレます。

フェルミ推定は物理学者エンリコ・フェルミに由来する概算技法で、ケース面接の前半パート(市場規模算出)としても頻出します。ケース面接全体の対策はケース面接 対策ガイドを、選考全体の流れはコンサル転職 完全ガイドを参照してください。

Chapter 2解法の5ステップと「型」の一覧

図は横にスクロールできます
1前提を置く対象・範囲・単位を自分で定義して宣言 2式に分解する需要=人数×頻度×単価など掛け算の骨格を作る 3数を置く人口1.2億・世帯5,000万など基礎数値から埋める 4計算する概算で速く。桁を間違えないことを最優先 5検証する結果の妥当性を別角度から確認し誤差に言及 ※面接で評価されるのは答えの精度ではなく、①前提宣言→②分解→⑤検証まで声に出して進める「プロセスの透明性」
図1: フェルミ推定の解法5ステップ(編集部作成)
分解の骨格使う場面
需要積み上げ型人口 × 利用率 × 頻度 × 単価/個数消費財・サービスの個数/市場規模
供給割り戻し型店舗・設備数 × 処理能力 × 稼働率店舗系・インフラ系(タクシー・ラーメン店)
面積密度型面積 × 単位面積あたり密度(区分別)電柱・自販機・コンビニなど設置物
ストック÷寿命型保有総数 ÷ 買い替えサイクル耐久財の年間販売数(車・家電・傘)

あわせて基礎数値の暗記が速度を決めます——日本の人口約1.2億人(生産年齢約7,400万)、世帯数約5,000万(単身4割)、企業数約360万社、小学生の1学年約100万人、国土約38万km²。この10個で30問の大半が解けます。

Chapter 3完全解説3問 — 思考プロセスを再現

Q. 日本にある電柱の本数は?(面積密度型)

前提: 電力・通信柱を合わせた「街で見る柱」とする。分解: 国土38万km²を市街地(約10%)・郊外(20%)・山間その他(70%)に分け、密度を置く。市街地は50m四方に1本→400本/km²、郊外は100本/km²、山間は10本/km²。計算: 3.8万×400+7.6万×100+26.6万×10 ≒ 1,520+760+266万 ≒ 約2,500万本検証: 実際の公表値は約3,600万本。桁は合致、市街地密度をやや保守的に置いたと総括——ここまで言えれば合格です。

Q. 国内のコーヒー市場規模は?(需要積み上げ型)

前提: 家庭内・カフェ・缶/ペットの3チャネル。飲用人口は成人の7割≒7,000万人。分解と計算: 家庭内=7,000万×0.7杯/日×20円×365≒3,600億。カフェ=7,000万×週0.5回×450円×52≒8,200億。缶/ペット=7,000万×週1.5本×140円×52≒7,600億。合計約2兆円検証: 業界推計(約3兆円)と同桁。単価と頻度の置きを申告して締めます。

Q. スターバックス1店舗の1日売上は?(供給割り戻し型)

前提: 都心の標準店。分解: 座席50×回転(ピーク3回転×4h+アイドル1回転×8h=20回転…と置かず)→時間帯別に、ピーク4時間は毎時60人、通常8時間は毎時25人→440人。テイクアウト3割増→約570人。客単価550円。計算: 570×550≒約31万円/日(年商1.1億)。検証: 飲食の坪月商水準から見て妥当圏内、と別角度で締める。

Chapter 4例題30選(個数・市場規模・その場系)

一言で

各問に「最初の一手(分解の起点)」だけ添えました。答えを見る前に、必ず自分で式を立ててから読んでください。

個数・数量系(10問)

#お題最初の一手
1日本にある電柱の本数は?国土面積を市街地/郊外/山間に分け、面積あたり密度で積む
2日本の年間ペットボトル消費本数は?人口×1人1日あたり本数×365。年代で頻度を分ける
3東京都内の美容室の数は?需要側: 人口×利用頻度÷1店舗の処理能力で割り戻す
4日本にいる猫の飼育頭数は?世帯数×飼育率×平均頭数。単身/ファミリーで分ける
5全国のコンビニの1日の総来店客数は?店舗数(約5.5万)×1店舗の1日客数
6日本で1年間に消費される卵の個数は?人口×1人1日消費個数×365
7新幹線の1日の利用者数は?主要路線×本数×座席数×乗車率で供給側から
8日本の小学校の数は?児童数(人口×6学年分)÷1校あたり児童数
9国内の自動販売機の台数は?設置場所タイプ別(駅・オフィス・路上)に密度で積む
10日本の年間の傘の販売本数は?買い替え+紛失補充。人口×年間購入本数

市場規模系(10問)

#お題最初の一手
11国内のコーヒー市場規模は?家庭内/カフェ/缶・ペットに分けて単価×頻度×人口
12日本のフィットネスジム市場規模は?会員数(人口×加入率)×月会費×12か月
13国内の腕時計市場規模は?購入人数×平均単価。高級/普及帯で分ける
14東京のタクシー市場規模は?台数×稼働率×1日売上×365で供給側から
15国内のオンライン英会話市場規模は?学習人口×オンライン化率×月額×12
16日本の花市場(切り花)の規模は?イベント需要+日常需要に分解
17国内の宅配便の年間取扱個数は?世帯数×月あたり受取個数×12+EC法人分
18日本のラーメン市場規模は?店舗数×1店舗あたり年商で供給側から
19国内の学習塾市場規模は?学齢人口×通塾率×年間単価を学齢別に
20ドラッグストアの化粧品市場規模は?利用人口×年間購入額×チャネルシェア

その場観察・変化球系(10問)

#お題最初の一手
21渋谷スクランブル交差点を1日に渡る人数は?1回の青信号の横断者数×回数×時間帯係数
22山手線の1編成に今乗っている人数は?車両数×定員×時間帯別乗車率
23日本で今日開かれる会議の総数は?就業者数×会議参加率×1人あたり件数÷平均参加人数
24国内で1日に飲まれるビールの量は?飲用人口×頻度×1回あたり量
25東京ドームの年間来場者数は?野球+コンサート+イベントの稼働日×平均動員
26日本の年間の年賀状発行枚数は?世帯・法人別の出状率×平均枚数(減少トレンドに言及)
27スターバックス1店舗の1日売上は?席数×回転数×客単価+テイクアウト比率
28日本で1年間に行われる結婚式の件数は?婚姻数(約50万組)×挙式実施率
29国内の月間の美容院のシャンプー消費量は?施術数×1回使用量から積む
30富士山の年間登山者数は?開山期間×1日あたり登山者(平日/週末で分ける)

Conclusion練習方法 — 30問を「使い切る」手順

  • 1周目: 1問10分・紙に書いて解く。ヒントの型に当てはめる練習(1日3問×10日)
  • 2周目: 声に出して5分で。スマホで録音し、「前提宣言→分解→検証」が入っているか自己採点
  • 3周目: 誰かに面接官役を頼み、途中で前提を崩してもらう。内定者の体験談にあるとおり、この「崩され対応」が本番の分かれ目

フェルミ推定はケース面接の入口にすぎません。後半の打ち手立案まで含めた全体対策はケース面接 対策ガイド【保存版】へ進んでください。

出典・注記
  • 基礎数値は総務省統計等の公表値を基にした概数、解説中の「実際の値」は公表・業界推計の概数です。面接での評価観点は編集部・エージェント知見に基づきます