THE AGENTコラムマーケティング職種図鑑
Career Column

マーケティング職種図鑑
仕事・年収・未経験からの入りやすさを9職種で全解説【2026年版】

2026.09.02 更新|THE AGENT編集部

「マーケティングをやりたい」——面談でこう聞いたとき、プロのエージェントは必ず問い返します。「マーケの、どの仕事ですか?」。ブランドを作る人、広告を運用する人、記事で検索流入を作る人、BtoBのリードを商談に変える人、既存顧客のLTVを伸ばす人——全部「マーケター」ですが、仕事も、求められるスキルも、年収も、入りやすさも全く別物です。

この記事は、その解像度を一気に引き上げる「職種図鑑」です。主要9職種の仕事内容・KPI・年収・未経験からの入りやすさを1枚の地図と一覧表に整理しました。営業からの転身戦略と併せて、狙いを定める道具として使ってください。

Summary
  • マーケ職はファネル(認知→検討→購入→継続)のどこを担当するかで9職種に分かれる。「マーケ志望」ではなく「このマス志望」と言える解像度が選考を分ける。
  • 未経験の入口として現実的なのはBtoBデマンドジェン・SEOコンテンツ・広告運用・CRM。ブランドとPRは経験者市場で、入口には不向き。
  • 年収は職種差よりレイヤー差(メンバー→マネージャー→CMO)が支配的。専門を1つ持ってから統合へ広げるのが王道キャリア。
9職種
主要マーケポジション
(ファネル×横断で整理)
約500万円
マーケ職の平均年収
(大手調査ベース)
1,000万+
CMO・マーケ責任者
クラスの水準
BtoB
求人が最も伸びている領域
(内製化の進展)

出典: 各種職種別年収調査・求人動向を基に編集部整理

Chapter 1まず全体地図 — マーケは9つのマスでできている

一言で

マーケの仕事は「顧客の旅のどの区間を担当するか」で決まります。地図を頭に入れれば、求人票の解像度が一変します。

図は横にスクロールできます
顧客の旅(ファネル)と、それを担当する職種 認知・興味 比較・検討 購入・商談化 継続・ファン化 ブランド / SNS世界観と想起をつくる 広告運用認知と獲得を金で買い最適化 SEO・コンテンツ検索意図に答え信頼を積む デマンドジェネレーションBtoBリード獲得〜育成 ★営業の本丸 ABM / フィールド狙った企業を面で攻める PMM(プロダクトマーケ)売れる理由を設計し営業を武装 CRM / リテンション既存顧客のLTVを最大化 PR・広報メディアと信頼の資産形成 全体を横断で支える職種 マーケティングオペレーション(MOps)MA・CRM・データ基盤の設計運用 ★SFA経験が直結 マーケティングリサーチ / データ分析調査・分析で全職種の意思決定を支える ※編集部作成。赤枠は営業出身者と特に親和性の高い職種。会社規模が小さいほど1人が複数領域を兼務する 「マーケ志望」ではなく「このマスを担当したい」と言える解像度が、選考でも入社後でも効く
図1: マーケティング職種の全体地図(編集部作成)

ポイントは2つ。第一に、会社の規模で「マスの兼務度」が変わること。スタートアップでは1人が3〜4マスを兼務し、大企業では1マスをチームで分担します。幅広く経験したいなら小さめの組織、専門を深めたいなら大きめの組織が向きます。第二に、BtoBかBtoCかで主戦場が違うこと。BtoBはデマンドジェン・ABM・PMMが中心、BtoCは広告・SNS・CRMの比重が高くなります。

Chapter 2職種図鑑 — 仕事・KPI・年収・入りやすさ一覧

一言で

求人票を読むときは「KPIに何が書いてあるか」を見てください。KPIこそ、その職種の正体です。

職種仕事とKPI年収目安親和性の高い前職
BtoBデマンドジェネレーションリード獲得〜育成〜商談化。KPI: MQL数・商談化率・CPA450〜800万法人営業・インサイドセールス
SEO・コンテンツマーケ検索流入と信頼の獲得。KPI: 流入数・CV数・検索順位400〜750万編集・ライター・営業(顧客理解)
広告運用(パフォーマンス)運用型広告の獲得最適化。KPI: CPA・ROAS400〜800万代理店運用・数字に強い若手全般
SNSマーケティングアカウント運用・UGC創出。KPI: フォロワー・エンゲージ・指名検索400〜700万個人発信の実績者・PR・販売職
CRM・リテンション既存顧客のLTV最大化。KPI: 継続率・LTV・アップセル率450〜800万CS・販売・データ分析
ABM・フィールドマーケターゲット企業攻略・イベント。KPI: ターゲット社数の商談化500〜850万エンタープライズ営業
PMM(プロダクトマーケ)訴求設計・価格・営業支援。KPI: 勝率・立ち上がり速度600〜1,000万営業企画・コンサル・PdM
MOps(マーケオペレーション)MA/CRM基盤の設計運用。KPI: データ整備率・リード処理SLA500〜900万SFA経験者・情シス・営業企画
ブランド / PR・広報ブランド戦略・メディア関係。KPI: 想起率・露出・指名検索500〜900万代理店・メディア・広報(経験者市場)

Chapter 3未経験からの「入りやすさ」ランキング

一言で

入りやすさ=求人の多さ×前職スキルの流用度。憧れ(ブランド)から入ると詰まり、実利(BtoB・運用系)から入ると開けます。

順位職種入りやすい理由
1位BtoBデマンドジェネレーション内製化で求人が急増中。営業・IS出身の「顧客理解」が最大の武器になり、ポテンシャル枠も多い
2位広告運用代理店側の求人が多く、若手なら未経験可も豊富。事業会社へは代理店経由の2段構えが定石
3位SEO・コンテンツ実績(自分のブログ・note)を独力で作って持ち込める、数少ない職種
4位CRM / MOpsSFA・CS経験があれば話が早い。地味だが市場価値は高騰中
5位以下PMM・ABM → ブランド・PRPMMは営業企画等を挟むと届く。ブランド・PRは経験者採用が基本で、入口としては最難
POINT

王道の戦略は「入りやすいマスから入り、隣のマスへ広げる」。デマンドジェンで入ってコンテンツとMOpsを覚えれば、3年でBtoBマーケの中核人材です。

Chapter 4年収レンジ — 職種よりレイヤーで決まる

一言で

職種間の差は±100万程度。本当の差はレイヤー(役割の大きさ)で生まれます。狙うべきは高年収「職種」ではなく高レイヤー「への道」です。

図は横にスクロールできます
0400万800万1,200万1,600万メンバー(実務担当)400〜600リーダー・専門職550〜800マネージャー700〜1,000部長〜CMO候補1,000〜1,500※各種調査・求人票ベースの推計(万円)。外資・大手ITはこのレンジを上回る場合も多い
図2: 役職別 年収レンジのイメージ(THE AGENT編集部作成・推計値)

付け加えるなら、同じレイヤーでも「数字への近さ」で市場価値が変わります。売上・商談・LTVに直結するKPIを持つ職種(デマンドジェン・CRM・PMM)は、成果を数字で証明しやすく、転職市場でも強い。逆に成果測定が難しい職種は、実績の言語化に工夫が要ります。

Chapter 5マーケターのキャリアパス — 専門か、統合か

一言で

王道は「T字型」——1つの専門で突き抜けてから、隣接領域へ広げてマネジメントに向かう道です。

マーケターのキャリアは大きく3方向に分かれます。①スペシャリスト——広告・SEO・CRMなどの専門を極め、フリーランス・コンサルにも展開できる道。②ゼネラリスト→マーケマネージャー→CMO——複数マスを束ね、事業の売上に責任を持つ道。年収の天井が最も高い。③越境——PMM経由でPdM・事業開発へ、あるいはマーケ経験を持つ営業責任者(CRO型)へ。デジタルとデータの素養があるマーケターは、事業サイドのどこへでも越境できます。

いずれの道でも、最初の3年で「これは私の専門です」と言える1マスを作ることが出発点。専門なきゼネラリストは、市場で最も評価されにくい存在です。

Conclusionまとめ — 「どのマスか」を言える人から受かる

  • マーケは9つのマスの集合体。志望は「マーケ」ではなく「マス」で語る
  • 入口は実利で選ぶ。BtoBデマンドジェン・広告運用・SEOコンテンツが未経験の現実解
  • 年収はレイヤーと数字への近さ。売上に近いKPIを持つマスで専門を作り、T字に広げる

営業職からこの地図のどこへ、どうやって入るか——具体的な戦略は営業からマーケターへの転職 完全戦略で解説しています。セットでどうぞ。

出典・注記
  • 年収レンジは大手転職サービスの職種別調査・公開求人票を基にした編集部推計であり、企業規模・地域・個人の経験により大きく変動します
  • 職種区分は一般的な整理であり、企業によって名称・管掌範囲は異なります