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インテグラルの転職・中途採用
平均年収2,136万円 — 上場した日本特化型PEファンドの実像と選考

2026.09.03 公開|THE AGENT編集部

最新の平均年収ランキングで4位(2,136万円)に入ったインテグラルは、多くの候補者にとって「名前は聞いたことがあるが実像を知らない」会社の代表格です。正体は、スカイマーク再生で知られる日本特化型のPE(プライベート・エクイティ)ファンド運営会社。2023年に東証グロースへ上場した、国内では異例の「上場PEファンド」です。

ハイクラス転職の最高峰の一つでありながら、採用は少数厳選。この記事では、ビジネスモデル・報酬構造・求められる経歴・選考の考え方を、エージェントが候補者に語れる解像度で整理します。

Summary
  • 2007年に佐山展生氏・山本礼二郎氏らが創業した日本特化型の独立系PEファンド。「ハートのある投資」を掲げ、投資先へ社員が常駐して経営支援する伴走型が特徴。スカイマーク、QBハウス、ヨウジヤマモト等の投資実績で知られる。
  • 平均年収2,136万円(39.5歳)は従業員100人規模の少数精鋭の数字。報酬はベース+賞与に加え、ファンドの成功報酬を分配するキャリーが上乗せされる構造で、上振れ余地が大きい。
  • 中途採用の門は極めて狭く、投資銀行・戦略コンサル・商社・会計士/弁護士などプロフェッショナル出身者が中心。一般のエージェントが決めきるのは難しい領域だが、候補者のキャリア設計の「北極星」として理解しておく価値が高い。
2,136万円
平均年収(有報)
平均39.5歳
約100人
従業員規模
少数精鋭
2023年
東証グロース上場
国内では異例の上場PE
55%
収益に占める
管理報酬の比率(25/12期)

出典: 同社有価証券報告書・決算公表資料(EDINET)、Yahoo!ファイナンス企業情報、各種公開インタビュー

Chapter 130秒でわかる結論 — 「Trusted Investor」を掲げる少数精鋭集団

一言で

ファンドの資金と自己資金を併せて日本企業に投資し、社員が投資先に常駐して企業価値を上げ、売却益と報酬で稼ぐ会社。ハゲタカ型ではなく長期伴走型を明確に打ち出しているのが最大の個性です。

項目内容
会社インテグラル株式会社(証券コード5842・東証グロース)。2007年9月設立、2023年9月上場
創業者佐山展生氏(三井銀行→ユニゾン・キャピタル共同設立→GCA共同創業。一橋大学院教授も務めたM&A界の重鎮)、山本礼二郎氏、辺見芳弘氏(東ハト再生)
投資スタイル日本特化。ファンド資金と自己資金(プリンシパル投資)を併用し、投資先に社員が常駐して経営支援(i-Engine)。経営理念は「Trusted Investor=信頼できる資本家」
代表的な投資実績スカイマーク(経営破綻からの再生・再上場)、QBハウス、ヨウジヤマモト、アデランス、豆蔵ほか
規模従業員約100人。2025年12月期収益136億円・純利益61億円

Chapter 2ビジネスモデル — PEファンドはどう稼ぐか

収益は3階建てです。①機関投資家等から預かるファンドの管理報酬(残高に応じて安定的に入る。25/12期は収益の55%)、②投資先を売却した際の投資収益(同32%)、③ファンドの利益が一定基準を超えたときの成功報酬キャリードインタレスト(同10%)。管理報酬がベースを支え、exitの成否で②③が大きく振れる——この構造を理解すると、決算も報酬も読めるようになります。

Chapter 3年収2,136万円の解剖 — ベース・賞与・キャリー

有報の平均年収2,136万円(平均39.5歳)は、投資プロフェッショナルと管理部門を含む全社平均です。業界の一般的な構造として、報酬はベース+業績連動賞与+キャリー(投資成果の分配)の3層で、公開求人ではベース1,200万円程度+賞与という水準例も見られます。キャリーが分配されるフェーズでは平均を大きく超える年収が実現する一方、exitが少ない年は伸びが鈍る——「平均」の周りの分散が極めて大きいのがPEファンドの報酬です。

候補者への説明の注意

従業員約100人の平均値は、数人の高報酬者で大きく動きます。またキャリーの設計(どの職位から付与されるか、分配タイミング)はファンドごとに異なり、外からは見えません。「平均2,136万円だから入ればそれくらい」という期待値設定は禁物。オファー時はベース・賞与・キャリーの3点を分解して確認させてください。

Chapter 4決算の読み方 — 利益が半減しても慌てない

2025年12月期は収益136.5億円(前期比▲56%)・純利益60.7億円(▲66%)と、数字だけ見れば急減益です。しかしChapter 2の構造を思い出してください。PEの投資収益はexitのタイミングに完全に依存するため、大型売却があった年と無い年で利益は数倍単位で振れます。管理報酬という安定収益の積み上がり(ファンド残高の成長)こそが中長期の実力線であり、単年の増減益で「業績悪化」と判断するのは早計です。この読み方は決算分析シリーズで扱う人材会社の見方とも通じます。

Conclusion採用・選考 — 誰が入れるのか、エージェントに何ができるか

採用は少数厳選で、中心となるのは投資銀行(M&A・カバレッジ)、戦略コンサル、総合商社の投資部門、会計士・弁護士などのプロフェッショナル出身者です。投資先常駐という働き方ゆえ、モデリング・DDの技術に加えて現場の経営者と信頼関係を作れる人間力が重視されるのが同社らしさ。エージェントの実務としては、①今すぐ決める案件ではなく2〜3年がかりのキャリア設計の目的地として扱う、②手前のステップ(IBD・コンサル・事業投資)への転職支援で伴走する、③ケース面接や財務モデリングの準備を促す、が現実的な貢献です。M&A業界の隣接キャリアとしてはM&Aキャピタルパートナーズ(仲介)との違い——仲介は成約手数料型、PEは投資型——を説明できると、候補者の解像度が一気に上がります。

出典・注記
  • 平均年収・従業員数は同社有価証券報告書(EDINET収載・最新期)に基づく。収益構成比は2025年12月期の公表値
  • 創業経緯・投資実績は同社公表資料および役員経歴の公開情報に基づく
  • 報酬構造(ベース・賞与・キャリー)は業界一般の公開情報に基づく説明であり、同社の個別の制度を保証するものではありません。ロゴ・社名は同社の商標であり、本記事は同社と提携関係にありません