WRITTEN BY
島田 龍太THE AGENT編集長 / 株式会社Sync Ascent 代表取締役
商社を経て、創業期の株式会社アサイン…でマーケティング部門の立ち上げと、創業者直下でのエージェント業務を経験。続く人材紹介会社ではコンサル支援事業部の立ち上げを担い、事業部統括及び両面型エージェントとして年間売上No.1・年間1億円以上を達成。大手スカウト媒体で最高位のSランク認定。累計で数千名のキャリア支援に携わる。
この記事は、エージェントとして成果を出し、事業部を立ち上げて人を育ててきた現場の経験をもとに書いています。プロフィールと編集方針
プレイヤーとして結果を出したエージェントがマネージャーになり、チームが伸びない:人材紹介の現場で最も頻繁に起きる悲劇です。原因ははっきりしています。エージェントのマネジメントを「KPI管理」だと思っているから。この仕事は、成果が水物で、感情が資本で、スタイルが人それぞれの、極めて特殊な職業です。トップセールスの成功体験をコピーさせるマネジメントは、この仕事ではそもそもうまくいきません。
転職エージェントのマネジメントは、本当に難しい。私自身、事業部を統括する立場で多くのメンバーを見てきましたが、そのことを日々痛感していました。数字を追えば人が疲れ、寄り添えば数字が遠のく。同じやり方が、ある人には効き、別の人には逆効果になる。その繰り返しの中で見えてきた答えを、この記事にまとめました。
この記事は、転職エージェントのマネジメント論です。世の中のマネジメント論(KPI重視派、モチベーション管理不要派、ピープルマネジメント派)を整理したうえで、「エージェントのマネジメントは、ピープルマネジメントを軸に、すべての要素を重ねることで成り立つ」という結論に至る理由を、現場ですぐ使えるやり方とあわせて説明します。
Summary
- 人材紹介は成果を上げるまでの変数が多く、感情労働で、成功スタイルが人により全く違う職業。だからKPIの詰めだけでは人が壊れ、チームが伸びない。
- KPIを捨てるのではない。KPIは「詰めるための指標」から「診断するための指標」へ用途を変える。数字で見るのは、どこでつまずいているか。解決方法は一人ひとり違う。
- エージェントのマネジメントの中心はピープルマネジメント個の強みの発見、モチベーションの構造理解、キャリアの伴走。マネージャーとは「エージェントのエージェント」である。
- 生存者バイアスを避ける。人によってスタイルは違い、扱う求人も市場も変わるので、マネージャーの勝ち方が今の正解とは限らない。
- 支援の型は、2〜3名の候補者を初回面談から承諾まで全部なぞることで生まれる。全員を浅く見る表面的なフィードバックでは、根本は変わらない。
Chapter 1なぜエージェントのマネジメントは特別に難しいのか
他の営業組織のマネジメント論が、人材紹介ではそのまま使えない理由が3つあります。
① 成果を上げるまでの変数が多い
成約は候補者の意思決定・企業の選考・カウンターオファーなどコントロール外の変数に大きく左右される。正しい行動をしてもゼロの月があり、雑でも決まる月がある。単月の数字で人を評価すると、正しい努力を罰することになる
② 感情労働である
候補者の不安に伴走し、辞退に落胆し、お祝いの連絡に喜ぶ気持ちの浮き沈みそのものが仕事の一部。疲弊は数字より先に「面談の質」に現れるが、SFAには写らない
③ 成功スタイルが人それぞれ
圧倒的な行動量で決める人、少数の候補者と深い信頼を築く人、業界知識の深さで選ばれる人、共感力で本音を引き出す人トップの型が一つではない。マネージャー自身の成功体験は、たった1人の例にすぎない
もちろん、単月の成果を追うこと自体は正しいことです。継続して安定した数字を残せるエージェントは、間違いなく優れています。
一方で、エージェントにはコントロールしきれない変数も存在します。候補者の体調不良やプライベートの事情で、転職の時期がずれる。企業側の採用状況や面接枠の都合で、選考の時期がずれる。こうしたずれは、本人の努力だけでは防ぎきれません。
VOLATILITY
目の前の数字だけで詰めてはいけない
数字はイメージ。同じ人の1年を見ると、単月では「0件の月」が3回あるが、3か月平均では成果は2件前後で安定している。目の前の月の数字だけを見て詰めると、原因に届かない表面的なフィードバックになりやすい。
この3つが重なる仕事のマネジメントは、工場の管理とも、ほかの営業チームの管理とも違います。それなのに、多くの会社は「全員に同じ行動量の目標を課す」やり方をとっています。うまくいかないのは、マネージャーの人柄のせいではありません。やり方が、この仕事に合っていないのです。
Chapter 2世のマネジメント論の3つの流派|何が正しいのか
マネジメントの考え方は、大きく3つの流派に分かれます。どれにも正しい部分があり、どれにも人材紹介には当てはまらない部分があります。
主張曖昧な指示や精神論ではなくKPIに基づいて語れば、部下は納得して自発的に動く。プロセスを数値で分解し、事実で対話する
人材紹介で使えるところ・使えないところ「気合で頑張れ」をなくす考え方は正しい。ただし前提にはプロセスと成果の相関が安定した事業構造がある。成果を上げるまでの変数が多い人材紹介では、KPIは「答え」ではなく、どこでつまずいているかを探すために使う
モチベーション管理不要派
(識学など)
主張モチベーションを上げるのは会社の仕事ではない。それをマネジメントの仕事にすると、部下は不調を上司のせいにできてしまう
人材紹介で使えるところ・使えないところ「機嫌取りのマネジメント」への注意としては正しい。ただし感情労働の現場で感情を無視する設計は、疲れに気づくのが遅れ、辞めると言われて初めて分かる。感情は「上げる」ものではなく「よく見ておく」もの、と考えるのが現場での答え
ピープルマネジメント派
(一人ひとりを見て、育てる)
主張マネージャーの役割は部下理解・目標設定支援・リフレクション支援・キャリア開発支援・チームパフォーマンス最大化。個を理解し individually に支援する
人材紹介で使えるところ・使えないところ人材紹介に最も適合する。ただし「寄り添い」に流れると、感情ケアばかりで成果の話ができないマネージャーを量産する。成果への要求とセットで初めて機能する
結論3流派は矛盾しません。土台にKPI(事実をもとに話す)、その上に一人ひとりへのピープルマネジメント(人を見て解く)、感情は管理するものではなく、よく見ておくもの。この三層で組むのが、人材紹介のマネジメントの解です。以降、各層を実務に落とします。
THREE LAYERS
3つの流派は、役割が違う。どれかを選ぶのではなく、重ねて使う
見守り③ 気持ちの変化に気づく疲れや不調のサインを、早めに見つけるモチベーション管理不要派
中心② 一人ひとりを見て、解決する強みとつまずきに合わせて、解決方法を決めるピープルマネジメント派
土台① 数字で、事実を話す感覚や気合ではなく、同じ数字を見て話し合うKPI重視派
どれか1つでも抜けると
① 数字で、事実を話すが抜けると寄り添うだけになり、成果の話ができない
② 一人ひとりを見て、解決するが抜けると数字で詰めるだけになり、人が壊れる
③ 気持ちの変化に気づくが抜けると気づいたときには、辞めると言われている
3つがそろうと数字で状態をつかみ、一人ひとりに合った解決方法を出し、不調には早めに気づける。
Chapter 3KPI管理の限界|数字は結果であって原因ではない
SAME KPI, OPPOSITE USE
同じKPIでも、使い方で意味が真逆になる
× 詰めるための指標
「面談数が足りない。来週から2倍にして」
- 量を強制する
- 1件あたりの準備が半分になる
- 面談の質が落ち、決定率が下がる
- さらに詰める
- 疲弊・離職
○ 診断するための指標
「面談から推薦に進む割合だけが低い。面談で何が起きてる? 同席していい?」
- つまずいている段階を見つける
- 量の問題か、質の問題かを分ける
- スキルか、状態(感情・体調)かを分ける
- その人に合う解決方法を示す
- 決定率が戻る
数字で見るのは、どこでつまずいているか。
全員に同じ行動量を強いるのが危ないのは、この仕事の質が「1件の面談の深さ」に宿るからです。面談数を2倍にすれば、1件あたりの準備時間は半分になる。トップエージェントの面談術が示す通り、面談の質は事前準備で8割決まります。つまり量の強制は、成果の元を自分で削ってしまうことになりかねない。マネージャーの仕事は数字を読み上げることではなく、候補者が次の段階に進む流れ(ファネル)のうち、どこでつまずいているかを見つけ、その人に合った解決方法を示すこと。これはスカウトの改善とまったく同じ考え方です。
DIAGNOSIS
どの段階でつまずいているか。次へ進む割合で診断する
面談 → 推薦ここでつまずいている
本人 35%
チーム平均 55%
書類通過 → 面接通過
本人 40%
チーム平均 38%
数字はイメージ。この例では、面談の数ではなく「面談から推薦へ進める力」だけが落ちている。解決方法は面談を増やすことではなく、面談への同席と、推薦の判断の振り返り。
Chapter 4モチベーションの構造|「ぶれやすさ」を設計で受け止める
エージェントのモチベーションがぶれやすいのは、本人の弱さではなく職業の構造です。①成約サイクルが長く達成感を得るまでに時間がかかる、②辞退・お見送りというコントロール外の失望が定期的に来る、③候補者の人生を預かる感情負荷が蓄積する。この仕組みを理解したうえで、マネージャーができることは3つです。
① プロセスの評価
成果は運に左右されるが、正しい行動は運に左右されない。「今週の面談の◯◯の切り返しは良かった」と、成約以外の評価ポイントを意図的に作る。結果しか褒めない組織は、結果が出ない期間に人が折れる
② 小さな勝ちの設計
成約という大きな山の間に、応募の合意・面接通過・良い面談といった中間の勝ちを刻む。ゴールが遠いほど、中間指標が心の燃料になる
③ 意味への接続
数字が苦しい時期こそ、「なぜこの仕事か」に立ち返らせる。候補者からの感謝、決定者のその後
この仕事の意味を思い出せる材料を、チームの習慣(週1回の共有会など)として仕組みにする。
価値あるエージェントの7条件はそのための共通言語になる
SMALL WINS
大きな山の間に、小さな勝ちを刻む
成約だけを勝ちにすると、辞退や保留が続く期間に人が折れる。途中の一つひとつを勝ちとして承認することが、心の燃料になる。
ただし、マネージャーが気持ちを「上げてあげる」ことに頼ってはいけません。励ましや声かけで上がった気持ちは、その場かぎりで終わってしまいます。
この仕事は、数字を追う成果の仕事です。本人のモチベーションが本当に上がるのは、「自分は前に進んでいる」「成長している」と、数字で確かめられたときです。
だから、マネージャーの仕事の根本は、機嫌を取ることではありません。本人が成長を数字で実感できる仕組みをつくり、そのためのアドバイスをすることです。上の3つ(プロセスの評価、小さな勝ちの設計、意味への接続)も、そのための仕組みです。
そして、よく見ておくことを怠らないこと。疲れのサインは数字より先に、面談の声のトーンと候補者への返信の速さに出ます。
Chapter 5スタイルの多様性|型にはめた瞬間、人は縮む
FOUR STYLES
エージェントのスタイル4象限。どの象限にもトップはいる
まれに、4つ全てを兼ね備えた「教祖型」がいる(中央)。マネージャー自身の象限を全員に強制せず、その人が勝つ象限を過去の成約から見つけ、KPIと目標をその象限に合わせる。
まれにいる「教祖型」に注意
4つのスタイル全てを兼ね備えた人が、まれにいます。候補者ごとに、自分のスタイルを細かく使い分けられる人です。トッププレイヤーに多いタイプです。
ただ、この支援はほかの人には真似できません。持って生まれた素養によるところが大きいからです。
メンバーとしての教祖型は、自走して勝手に伸びていく人が多いタイプです。だからこそマネージャーに求められるのは、モチベーションを高く保ち続けるマネジメントです。大きな裁量を任せ、挑戦の機会を渡し、成果をきちんと認める。反対に、数字で細かく管理するマネジメントは合いません。行動量や途中の数字を細かく指示すると、この人の強みである、候補者ごとの自由な使い分けを縛ってしまいます。
このタイプがマネージャーになったときは注意が必要です。自分のやり方を教えても、メンバーは同じようにはできず、再現性が出にくい。本人にとって当たり前のことほど、言葉にして型に分けて伝える必要があります。
マネジメントの失敗で最も多いのは、マネージャー自身の象限を全員に強制することです。セールスマン型の上司が伴走型の部下に行動量を課せば、その人の武器(深さ)ごと折れます。強みベースのマネジメントの実務は3手順。①メンバーがどの象限で勝つ人かを、過去の成約の共通項から特定する。②その象限に合ったKPIと目標にする(全員に同じ行動量の目標を課すのをやめる)。③弱みは無理に直さず、チームで補い合う(エージェントは個人商店ではないの思想)。スタイルの尊重は放任ではありません。「あなたはこの型で勝つ人だ」と言語化して伝えること自体が、最強の承認でありマネジメントです。
生存者バイアスを避ける|マネージャーの勝ち方は、今の正解とは限らない
なぜ、マネージャーは自分のやり方を押しつけてしまうのか。原因は「生存者バイアス」です。
生存者バイアスとは、成功した人だけを見て「これが正解だ」と思い込むことです。同じやり方で失敗した人もいるのに、その人たちは目に入りません。
SURVIVORSHIP BIAS
同じやり方を試した10人。目に入るのは、うまくいった1人だけ
うまくいった人(目に入る)うまくいかなかった人(目に入らない)
人数はイメージ。成功した1人の話は聞こえてくるが、失敗した9人の話は聞こえてこない。
マネージャー自身も、この図の「赤い1人」です。自分に合ったやり方で、うまくいった。でも、そのやり方がメンバーにもそのまま通じるとは限りません。理由は3つあります。
WHY IT MAY NOT WORK NOW
マネージャーの勝ち方が、今の正解とは限らない3つの理由
1
人によって、スタイルが違う行動量で勝つ人もいれば、深い信頼で勝つ人もいる。マネージャーの勝ち方は、その人に合っていたやり方にすぎない。
2
扱う求人と、支援する相手が違うハイクラスか若手か、コンサルか事業会社か。求人と候補者が変われば、面談の進め方も、提案のしかたも変わる。
3
市場は、日々変わっている求人の数、企業が求める人、候補者の動き方は毎日変わる。マネージャーが活躍した頃の成功法が、今は通じなくなっている可能性がある。
マネージャーが活躍した頃その人・その求人・その市場で勝てたやり方
≠
今のメンバー違う人・違う求人・違う市場で勝つやり方
だから、「自分はこうやって勝った」をそのまま教えるのはやめましょう。見るべきなのは、目の前のメンバーが、今の求人と今の市場の中で、どうすれば勝てるかです。自分の成功体験は「答え」ではなく、たくさんある例のうちの一つとして話すくらいがちょうどいいのです。
Chapter 6ピープルマネジメントの実務|1on1・同席・キャリア面談
1ON1
数字は会議で、1on1は人の話
定例会議数字・進み具合・つまずきの確認
1on1強み・状態・キャリア・次はどうしたいか
1on1が数字の詰めの場になると、部下は本音を話さなくなる。場を分けることが、両方を機能させる。
1on1(週次〜隔週)
数字の話は会議で、1on1は人の話。この分離が鉄則。数字の詰め場になった1on1は、部下の目が死ぬだけの時間になる。過去の追及ではなく「次はどうしたい?」の未来フォーカスで、話す割合は部下7:上司3。部下理解・目標設定支援・リフレクション・キャリア開発の場として設計する
同席とフィードバック
数字に表れない「面談の質」は、同席か録音でしか分からない。FBは良かった点を具体で先に、改善は1回1テーマ。全部指摘するコーチは選手を壊す
キャリア面談(四半期)
エージェント自身のWill・Can・Mustを聞く。
エージェントのネクストキャリアが示す通り、この職業の経験は事業会社TA・HRBPなど市場価値の高い出口を持つ。
出口の話から逃げないマネージャーほど、人が残る。キャリアに誠実な上司の下でこそ、人は今の仕事に全力を出せる
ノウハウの共有
一人ひとりのうまくいったやり方を、チームの型にする仕組み(共有会・テンプレート・
AI活用)。一人に頼りきりの状態をなくすことは、エースの負担軽減と若手の立ち上がり短縮を同時に叶える
Chapter 7支援の型をつくる|2〜3名を、最初から最後までなぞる
エージェントは、1か月に新しく20名ほどの候補者を担当することがあります。担当が多い会社や組織では、30名、40名を超えることも珍しくありません。
TOO MANY TO SEE
担当は増える。全員を深く見ることはできない
人数は筆者の経験にもとづく目安。担当が多いほど、全員を少しずつ見るやり方では手が回らない。
その全員を、マネージャーが見ることはできません。しかも1人の候補者を支援する流れには、うまくいくかどうかを左右するものがとても多くあります。候補者の事情、求人との相性、面談の進め方、企業の選考。どこか1か所だけを切り取って見ても、本当の原因は分かりません。
だから、全員を少しずつ見て表面的なフィードバックをしても、根本的な解決にはなりません。受け取る側も「ずれたことを言われている」と感じやすくなります。
SHALLOW OR DEEP
全員を少しずつ見るか、2〜3名を最後までなぞるか
× 全員を少しずつ見る
- 見るのは、数字と一部の場面だけ
- 候補者ごとの事情が分からない
- フィードバックが表面的になる
- 受け手は「ずれたことを言われている」と感じる
- 何も残らない
○ 2〜3名を最後までなぞる
- 初回面談から承諾まで、メールや電話も含めて流れを全部見る
- 候補者ごとの事情と背景が分かる
- つまずきの本当の原因に届く
- 受け手が納得して、次から変えられる
- 支援の型が残る
本当に支援の型をつくるなら、見る人数を2〜3名に絞ります。その候補者の初回面談から、応募の合意、選考対策、面接の振り返り、内定・承諾まで、上から下まで全部なぞってフィードバックし、アドバイスします。面談だけでなく、メールやLINE、電話といった見えにくいやり取りも含めて見ます。
面談以外の、見えにくい行動まで見る
エージェントの仕事は、面談だけではありません。候補者とのメールやLINEのやり取り、応募(エントリー)の手続き、選考中のこまめな電話、不安や迷いへのフォロー。マネージャーから見えにくいところで、たくさんの行動をしています。
WHAT MANAGERS CAN'T SEE
マネージャーに見えているのは、面談だけ
面談は、支援全体のほんの一部。候補者とのこまめなやり取りは、マネージャーからは見えにくい。
そして、成果を出す人と出せない人の差は、この見えにくい行動でつくことが多いのです。返信の速さ、連絡の一言、選考の合間の声かけ。面談だけを見ていても、この差には気づけません。
だから、月に2〜3名と決めた候補者については、ここまで見届けます。面談の中身だけでなく、メールやLINE、電話、フォローまで含めて一緒に振り返る。そうすることで、初めて本当の原因に届くフィードバックができます。
TRACE THE WHOLE FLOW
なぞる流れと、残していく「正しいアドバイス」
1
初回面談確認すること:転職の理由と本音まで聞けているか型になるもの:聞くべき質問のリスト
2
求人の提案確認すること:候補者の軸に合った求人を選べているか型になるもの:提案の理由の伝え方
3
応募の合意確認すること:納得して応募しているか。押していないか。応募の手続きまで丁寧か型になるもの:合意の取り方
4
書類の作成確認すること:強みが伝わる書き方になっているか型になるもの:職務経歴書の直し方
5
選考対策確認すること:企業ごとの準備ができているか。選考中の電話やフォローができているか型になるもの:企業別の対策メモ
6
面接後・内定確認すること:振り返りと、決めるまでの支えができているか型になるもの:承諾までの伴走の仕方
各段階で「この候補者には、このアドバイスが正しかった」を項目として残す。それが集まると、チームの支援の型になる。
こうして「この候補者には、このアドバイスが正しかった」という項目が一つずつたまっていきます。それが、チームの支援の型になります。全員を浅く見るより、少数を深く見るほうが、結果としてチーム全員の支援の質が上がるのです。
Chapter 8プレイングマネージャー問題
人材紹介のマネージャーの多くは、自身も数字を持つプレイングマネージャーです。ここに典型的な悪循環があります。部下に任せきれず案件を引き取る→自分のプレイング領域が膨らむ→マネジメントの時間が消える→部下が育たない→さらに引き取る。この循環を断つ原則は2つ。①「自分でやった方が早い」は、今期の数字と引き換えに来期のチームを売る行為だと自覚すること。②引き取る代わりに同席する。やって見せるのは1回、あとは横に座る。マネージャーの成果は自分の成約数ではなく、チームの成約数から自分の成約数を引いた残りで測るべきです。
VICIOUS CYCLE
プレイングマネージャーの悪循環と、断ち切る2つの原則
RULE 1
「自分でやった方が早い」は、来期のチームを売る行為
今期の数字と引き換えに、部下の成長の機会を手放している。
RULE 2
引き取る代わりに、横に座る
やって見せるのは1回まで。あとは同席して、本人にやらせる。
マネージャーの成果は、自分の成約数ではなく「チームの成約数から自分の成約数を引いた残り」で測る。
Conclusion結論|マネージャーは「エージェントのエージェント」
候補者に対して私たちがやっていること。強みの言語化、キャリアの軸の合意、意思決定の伴走、ぶれたときに立ち返る場所になること。それをメンバーに対してやるのが、エージェントのマネジメントです。KPIでつまずきを見つけ、その人のスタイルに合った解決方法を選び、キャリアという長い目線で伴走する。つまりマネージャーとは「エージェントのエージェント」であり、この仕事が上手い人は、必ず面談も上手い。マネジメントに悩んだら、自分が最高の面談でやっていることを、そのままチームに向ければいい。それがこの記事の結論です。姿勢の土台は価値あるエージェントの7条件・いつでも冷静沈着であれ、組織の思想はエージェントは個人商店ではないへ。
AGENT OF AGENTS
候補者にしていることを、メンバーにする
候補者に対してメンバーに対して
強みを言語化する
→その人が勝つスタイルを言葉にして伝える
キャリアの軸を合意する
→四半期ごとに、Will・Can・Mustを聞く
意思決定に伴走する
→数字でつまずきを見つけ、解決方法を一緒に決める
ぶれたときに、立ち返る場所になる
→仕事の意味を思い出せる場を仕組みにする
マネジメントに悩んだら、自分が最高の面談でやっていることを、そのままチームに向ければいい。
Ask AIこの記事をもとにAIに相談する
記事の内容を前提にして、あなたの状況に合わせた答えをAIに出させます。質問を入れて「ChatGPTで相談」または「Claudeで相談」を押すと、記事の要点と質問がセットになった状態で開きます。
記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
- マネジメント論の整理は、KPIマネジメント論(『ひたすらKPI』等のキーエンス系メソッド)、識学のマネジメント理論、ピープルマネジメント・1on1に関する公開知見(パーソル総合研究所、1on1総研、『1on1マネジメント』ほか)を基に、人材紹介業の特性に合わせて編集部が再構成したものです
- スタイル4象限・診断の型は編集部のフレームワークであり、個別の組織への適用は各社の事業構造に合わせた調整を前提とします