平均年収ランキング2026で11位(1,793万円・平均41.6歳)。証券業界から唯一TOP20に入ったのが大和証券グループ本社です。ただしこの社名には「グループ本社」と付いています——つまり持株会社の数字です。
現場の営業員が働く事業会社・大和証券の水準とはどう違うのか。持株の数字の読み方から、野村に次ぐ2位グループの戦略、証券キャリアの提案ポイントまで整理します。
出典: 同社有価証券報告書(2026年9月時点の最新期)ほか公開情報。順位は平均年収ランキング2026参照
この1,793万円は「グループ本社」というグループ戦略・管理を担う持株会社の数字。証券営業の現場を含む事業会社の平均とは別物です。ただし持株にはグループの中枢人材が集まるため、光通信型の「見せかけ」ではなく「上澄み」の数字と読むのが正確です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社 | 株式会社大和証券グループ本社(証券コード8601・東証プライム)。傘下に大和証券、大和アセットマネジメント等 |
| 事業 | リテール(全国の対面営業網+ダイワのオンライン)、ホールセール(引受・M&A等の投資銀行業務)、アセットマネジメント、不動産アセットマネジメント等の周辺事業 |
| 戦略 | 相場に左右されるフロー収益(売買手数料)から、預り資産・運用残高に連動するストック収益への転換を推進 |
| 野村との違い | 規模では野村が上だが、大和は不動産AMなど証券外の安定収益源を早くから育てたハイブリッド型 |
| 持株の注意 | 有報の平均年収は持株(本社機能)の数字。営業現場を含む事業会社の平均年収はこれより低い水準になる |
証券会社の報酬は「ベース+業績連動賞与」で、相場環境に連動して振れるのが基本構造です。現場(事業会社)の水準感は、リテール営業で20代後半600〜900万円、支店の中堅〜課長級で1,000万円台、ホールセール(投資銀行部門)はそれより高いレンジ——というのが業界の一般的な相場観です。持株の1,793万円をそのまま「大和証券の平均」として語ると期待値がずれるので、「どの法人・どの部門か」で水準が変わることを必ず添えてください。
証券業界は「相場が良ければ儲かる」ビジネスから脱却できるかが問われて久しく、大和はその転換の先頭グループにいます。柱は3つ。①リテールを売買仲介から資産管理型(預り資産連動フィー)へ、②アセットマネジメントの運用残高拡大、③不動産AMなど証券外の安定収益の育成。市況ブームの瞬間風速では野村や外資に譲っても、収益の質の安定化では評価が高い——決算を読むときは、フロー(手数料)とストック(残高フィー)の比率に注目すると成長ストーリーが見えます。
エージェント実務では、大和は「入る先」としてだけでなく「出身者を扱う」場面が多い会社です。証券リテールで鍛えられた新規開拓力・富裕層対応・金融知識は、IFA・保険・不動産・M&A仲介・SaaS営業まで通用する汎用スキルで、転職市場での再現性の説明(定数と変数フレーム)がしやすい典型例。入る側の提案では、①ストック化戦略に共感できるか、②リテールかホールセールか本社機能か——部門で仕事も報酬もまるで違うことを最初に整理してあげてください。