この記事の要点
- 経営共創基盤は2007年、産業再生機構の実務経験者が「助言では会社は変わらない」という結論から設立した。助言・投資・経営の三つの立場を組み合わせ、地方のバス会社を実際に経営するところまで踏み込んでいる。
- 数十社を再生して、分かったこと
- 助言・投資・経営を、同じ会社で持つ
- バス会社を経営するということ
- GとLの二つの経済
- コンサル出身者の、次の選択肢
経営共創基盤(IGPI)は、助言では会社は変わらないという結論から生まれた会社です。2007年、産業再生機構でCOOを務めた冨山和彦らが設立しました。
産業再生機構は、不良債権処理のために国が作った組織です。数十社の再生に関わった経験から、外から言うだけでは足りないという認識が残りました。IGPIは資本を入れ、人を送り、経営そのものを担います。
Origin産業再生機構国の再生機関での実務経験
Modelハンズオン資本を入れ、人を送る
Field地方交通バス会社を実際に経営
AT A GLANCE
ひと目でわかる
TURNING POINT
2010年代
ハンズオン型の支援を拡大
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。
Chapter 01年表経営共創基盤(IGPI)の歩み
2003産業再生機構が発足冨山和彦がCOOに。カネボウ、ダイエーなどの再生に関与
2007産業再生機構の解散を経てIGPIを設立再生の実務経験者が中心
2009みちのりホールディングスを設立地方のバス会社を実際に経営する持株会社
2010年代ハンズオン型の支援を拡大助言・投資・経営を組み合わせる
2010年代後半「ローカル経済圏」の議論GとLの二つの経済という整理を提示
現在コンサル・投資・経営の融合地方交通、製造業、DXなど
Chapter 02背景数十社を再生して、分かったこと
産業再生機構は2003年から2007年まで活動し、経営の悪化した企業を支援しました。負債を整理し、事業を再構築し、新しい経営者を入れる。教科書通りの再生の手順を実行した組織です。
そこで見えたのは、計画を作ることと、実際に会社が変わることの間にある距離でした。現場の人が動かなければ何も変わらず、動かすにはその場にいて、責任を持つ立場が必要になります。
Chapter 03設計助言・投資・経営を、同じ会社で持つ
IGPIの特徴は、三つの立場を同時に取ることです。
どれか一つでは届かない部分を、組み合わせで埋める設計です。みちのりホールディングスで地方のバス会社を実際に経営しているのは、この思想の最も分かりやすい形です。
Chapter 04現場バス会社を経営するということ
コンサルタントが地方のバス会社を経営する。これは異例です。運転手の採用、ダイヤの設計、車両の更新、自治体との協議。戦略の言葉が通じない現場の仕事です。
机上の戦略と現場の運営の距離を、自分で埋めにいく。その距離を知らずに助言することの危うさを、この会社は行動で示している。IGPIの事業設計
人材紹介にも同じ問いがあります。候補者に「この会社が良い」と勧める立場は、その会社で実際に働いたことがない立場でもある。知らないことを、どこまで前提にして語るかという問題です。
Chapter 05視点GとLの二つの経済
冨山和彦が提示した整理に、グローバル経済圏(G)とローカル経済圏(L)があります。Gは世界で競争する製造業やIT、Lは地域で完結するサービス業や交通。
両者は求められる能力も、生産性の上げ方も違います。Gの論理をLに持ち込んでも機能しない。転職市場でも同じで、大企業の手法を中小企業に持ち込んで失敗する例は多くあります。
Chapter 06現在地コンサル出身者の、次の選択肢
IGPIが示しているのは、コンサル出身者のキャリアの幅です。事業会社へ転じる、PEへ行く、起業する。その中間に、投資と経営を同時に担うという道があります。
報酬の形も変わります。フィーではなく、事業価値の向上が自分の利益になる。責任の重さと引き換えに、成果が直接返ってくる構造です。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
コンサル出身者のキャリアを一緒に考えるとき事業会社・PE・起業の他に、投資と経営を同時に担う道があります。報酬がフィーから事業価値へ変わる構造の違いを説明できます。
大企業出身者を中小企業に紹介するときGとLでは求められる能力が違います。大企業の手法がそのまま通用しない現場であることを、事前に伝えてください。
自分が知らない会社を勧めるとき働いたことのない会社を勧める立場であることを自覚し、何を根拠に語っているかを明確にしてください。知らないことを認めるほうが信頼されます。
KEY POINTS
この記事のポイント
1背景数十社を再生して、分かったこと産業再生機構は2003年から2007年まで活動し、経営の悪化した企業を支援しました。負債を整理し、事業を再構築し、新しい経営者を入れる。
2設計助言・投資・経営を、同じ会社で持つIGPIの特徴は、三つの立場を同時に取ることです。立場 できること 限界 助言(コンサル) 分析と計画。
3現場バス会社を経営するということコンサルタントが地方のバス会社を経営する。運転手の採用、ダイヤの設計、車両の更新、自治体との協議。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
Q経営共創基盤(IGPI)はどのような会社ですか?
A2007年に産業再生機構でCOOを務めた冨山和彦らが設立した、コンサルティング・投資・経営を融合した会社です。地方のバス会社を実際に経営してもいます。
A外から助言するだけでなく、自ら資本を入れて人を送り、経営そのものを担う支援の形です。実行されなければ会社は変わらないという認識に基づいています。
Aグローバル経済圏(製造業やIT)とローカル経済圏(地域のサービス業や交通)という整理です。求められる能力も生産性の上げ方も異なります。
Qコンサル出身者のキャリアにはどんな選択肢がありますか?
A事業会社、PEファンド、起業のほか、IGPIのように投資と経営を同時に担う道があります。報酬がフィーから事業価値へ変わる点が大きな違いです。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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