読者別経営者向けマネージャー向けプレイヤー向け保存した記事
Company File

第一三共の​転職​・​中途採用エンハーツで​世界を​取った製薬会社|​ADC​への​「一点集中」​が​生んだ成長と​年収​【2026​年版】​

2026.09.10 更新|THE AGENT編集部

第一三共は、2005年に三共と第一製薬が経営統合して誕生した製薬会社です。2010年代までは国内中堅の位置づけでしたが、抗がん剤「エンハーツ」(ADC:抗体薬物複合体)のグローバルでの成功により、売上1.8兆円規模へ急成長。時価総額では一時、武田を上回る水準に達しました。

特徴はR&D費の売上比率23.1%。武田・アステラス・中外を上回る国内製薬最高水準です。ADC技術プラットフォームへの一点集中という戦略が、この投資を支えています。有価証券報告書ベースの平均年収は1,100万円台(目安)。

この記事では、エンハーツがもたらした変化、ADC集中戦略とアストラゼネカ・メルクとの提携、年収、オンコロジー領域での中途採用と選考をエージェント視点で整理します。

Summary
  • エンハーツ(ADC)がグローバルで成功し、売上1.8兆円規模へ。国内中堅から世界のオンコロジー企業に。
  • R&D費の売上比率23.1%は国内製薬最高。ADC技術に一点集中し、次のADC製品を複数開発中。
  • 平均年収1,100万円台(目安)。オンコロジー領域の開発・メディカル・MRの需要が高い。
約1.8兆円
売上収益(概算)
23.1%
R&D費/売上比率
(国内製薬最高)
1,100万円台
平均年収(目安)
2005年
三共と第一製薬が統合

Chapter 130秒でわかる第一三共|エンハーツが変えた会社

第一三共の歴史は、三共(1899年創業)と第一製薬(1915年創業)という二つの老舗の統合(2005年)から始まります。統合後しばらくは、高血圧治療薬オルメテックなど国内主体の中堅製薬でした。

転機は2019年のエンハーツ承認です。ADC(抗体薬物複合体)。抗体でがん細胞を狙い撃ちし、そこに結合した薬物で攻撃する技術。を使った乳がん治療薬で、アストラゼネカとの共同開発・販売提携によりグローバルで急拡大。適応拡大が進み、年間売上は数千億円規模に達しています。

この成功により、第一三共は「国内の中堅製薬」から「世界のオンコロジー企業」に変わりました。R&D費の売上比率23.1%という積極投資は、エンハーツに続くADC製品(ダトロウェイなど)を生み出すための賭けです。

年出来事
1899年三共の前身が創業
1915年第一製薬の前身が創業
2005年三共と第一製薬が経営統合し、第一三共が誕生
2019年エンハーツ承認。アストラゼネカと提携
2023年メルクとADC3製品で提携(最大220億ドル規模)
2025年3月期売上1.8兆円規模。R&D比率23.1%で国内最高

Chapter 2年収分析|1,100万円台と、成長企業の報酬

有報ベースの平均年収は1,100万円台(目安)で、武田と並ぶ国内製薬上位圏。中外(1,200万円超)にはやや及びませんが、エンハーツの成功による業績拡大で、処遇は上昇傾向にあります。

報酬体系は役割等級制で、業績連動の賞与があります。近年は好業績が続き、賞与水準は高めに推移しています。

オンコロジー領域のMRは800〜1,200万円と製薬業界でも高い水準。エンハーツを扱うオンコロジーMRは、専門性の高さから他社からの転職者も多い領域です。

階層年収レンジ(目安)備考
若手(20代)550〜800万円MR・開発・研究の入口
中堅(30代)850〜1,200万円平均年収に到達する層
オンコロジーMR・MSL800〜1,300万円専門領域の高単価
マネージャー以上1,300〜1,800万円組織責任者

Chapter 3事業と未来|ADCの「次」を作れるか

Business Model収益構造を一枚で

売上収益

約1.8兆円

エンハーツで急成長

R&D比率

23.1%

国内製薬最高

提携

AZ・メルク

ADCで最大220億ドル

ビジネスモデル|ADCを、提携でグローバルにお金モノ・サービス人・情報

第一三共

ADC技術プラットフォーム

ADC製品を共同開発・供給
契約一時金・マイルストーン・ロイヤリティ

アストラゼネカ・メルク

共同開発・グローバル販売

エンハーツ・ダトロウェイを供給
オンコロジーMR/MSLが情報提供
薬価・販売収益

医療機関(世界)

がん治療

収益構成(概算)
55%
30%
15%
オンコロジー(エンハーツ等) 55%スペシャルティ・ジェネリック 30%その他 15%

※数値は有価証券報告書・決算資料・採用ページなどの公表値と、転職エージェント各社の調査に基づく概算です。非上場企業の年収は公開情報・口コミをもとにした目安です(2026年9月時点)。

収益の中核はエンハーツです。乳がんから胃がん、肺がんへと適応が広がり、グローバルでアストラゼネカと共同販売。第一三共はロイヤリティと共同販売収益を得ています。

戦略はADC技術プラットフォームへの一点集中。エンハーツに続き、ダトロウェイ(肺がん・乳がん)、さらに複数のADC候補を開発中。2023年にはメルクとADC3製品で最大220億ドル規模の提携を結び、グローバル展開の体制を厚くしました。

課題はエンハーツ依存です。売上の相当部分を1製品に依存する構造であり、後続ADC製品の成功が今後10年を決めます。R&D比率23.1%という投資は、この課題への回答です。

Chapter 4採用・選考|オンコロジー人材の需要

中途採用はオンコロジー領域の臨床開発・メディカル(MSL)・MR、研究(ADC・抗体)、薬事・PV、データサイエンス、製造(ADCの製造は高度)が中心です。エンハーツの適応拡大と後続製品の開発で、オンコロジー経験者の需要が高い状態が続いています。

選考は書類 → 面接2〜3回で、専門領域の実務が深く問われます。グローバル開発のポジションでは英語力も確認されますが、武田ほど全面的な英語環境ではありません。

エージェントとして伝えるべきは、「エンハーツの会社」から「ADCの次を作る会社」への局面にあることです。成功した製品の適応拡大を担うのか、後続製品の開発を担うのか。どちらを志向するかで、応募すべきポジションが変わります。

面接の定番質問

「オンコロジー領域での経験と実績」「ADC技術への理解」「グローバル開発・提携先との協働経験」。開発職は治験の実務、MRは疾患領域の専門性が問われます。

Chapter 5転職エージェント視点のおすすめポイント

推薦しやすいのは、①オンコロジー領域の開発・MSL・MR経験者 ②抗体・ADCの研究者 ③バイオ医薬品の製造・品質経験者 ④グローバル製薬でのアライアンス・提携経験者。

候補者に伝えるべきは、1製品の成功で急成長した会社であり、次の製品を作る局面にあるという両面です。成長の勢いと、エンハーツ依存というリスク。この構造を理解した候補者は、面接での言葉が変わります。

製薬他社の武田薬品・中外製薬、業界の職種の全体像は医療・製薬の職種の全体像もあわせてご覧ください。

Conclusionまとめ|ADCへの一点集中が生んだ成長

  • エンハーツ(ADC)のグローバルでの成功で売上1.8兆円規模へ。国内中堅から世界のオンコロジー企業に
  • R&D費の売上比率23.1%は国内製薬最高。ADC技術に集中し、アストラゼネカ・メルクと提携
  • 平均年収1,100万円台(目安)。オンコロジー領域の開発・MSL・MRの需要が高い

「エンハーツの適応拡大」か「次のADC開発」か、どちらを担いたいかを整理した候補者を送り出してください。

よくある質問​(FAQ)

Q
第一三共の年収はどれくらいですか?
A
有報ベースで平均1,100万円台が目安で、武田と並ぶ国内製薬上位圏です。オンコロジー領域のMR・MSLは800〜1,300万円と高く、エンハーツの成功で処遇は上昇傾向にあります。
Q
エンハーツとは何ですか?
A
ADC(抗体薬物複合体)技術を使った抗がん剤です。抗体でがん細胞を狙い撃ちし、結合した薬物で攻撃します。2019年に承認され、アストラゼネカとの提携でグローバルに急拡大し、乳がん・胃がん・肺がんへ適応が広がっています。
Q
中途採用で狙える職種は?
A
オンコロジー領域の臨床開発・MSL・MR、抗体・ADCの研究、薬事・PV、データサイエンス、バイオ医薬品の製造が中心です。オンコロジー経験者の需要が特に高い状態です。
Q
リスクはありますか?
A
売上の相当部分をエンハーツ1製品に依存する構造です。後続のADC製品(ダトロウェイなど)の成功が今後10年を決めるため、R&D費の売上比率23.1%という積極投資を続けています。
Ask AIこの記事をもとにAIに相談する

記事の内容を前提にして、あなたの状況に合わせた答えをAIに出させます。質問を入れて「ChatGPTで相談」または「Claudeで相談」を押すと、記事の要点と質問がセットになった状態で開きます。

ChatGPTで相談 →Claudeで相談 →Geminiで相談 →
記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
本記事について公開情報(有価証券報告書・IR資料・公式サイト・書籍・報道など)をもとに編集部が整理したもので、当該企業の公式見解ではありません。数値は各時点の公表値です。投資の推奨を目的とするものではありません。詳しくは免責事項およびポリシーをご覧ください。
本記事は公開情報(決算資料・有価証券報告書・公式サイト等)および編集部の取材・支援経験に基づき作成しています。年収・制度は個人の経験や時期により異なります。最新情報は必ず一次情報をご確認ください。
資料請求立ち上げ・マネジメント・面談の4マニュアル相談はこちら事業立ち上げ・育成・採用の相談(初回無料)
無料相談資料請求