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Founding Story

第一三共の​創業​ストーリー買収の​失敗を​経て、​抗体薬物複合体で​世界に​出る

創業ストーリー 2026.09.21
この記事の要点
  • 第一三共は2005年の統合後、インド企業の買収で巨額の損失を経験した。資源を新薬の研究開発に集中し、抗体薬物複合体という届け方の技術で反転した。
  • なぜ、買収は失敗したのか
  • 失敗の後に、何をしたか
  • 届け方を、変える
  • 成功にも、時限がある
  • 入社後に分かることを、減らす

第一三共は、2005年に第一製薬と三共が統合して生まれました。

2008年にインドの後発薬メーカーを買収しましたが、品質問題により巨額の損失を計上します。その後、独自技術の抗体薬物複合体(ADC)で世界的な評価を得ました。

2005統合第一製薬+三共
2008買収の失敗巨額の損失
NowADC独自技術で反転
AT A GLANCE
ひと目でわかる
FOUNDED
1899
三共商店が創業
TURNING POINT
2008
ランバクシーを買収
TODAY
2010年代〜
ADCで成果
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。

Chapter 01年表第一三共の歩み

1899三共商店が創業高峰譲吉のタカジアスターゼを販売
1915第一製薬の前身が設立国産医薬品の製造
2005第一三共として統合研究開発の集約
2008ランバクシーを買収インドの後発薬大手
2014ランバクシーを売却品質問題により巨額損失
2010年代〜ADCで成果がん治療薬が世界で評価

Chapter 02失敗なぜ、買収は​失敗したのか

2008年、第一三共はインドの後発薬メーカー、ランバクシーを買収しました。新薬と後発薬の両輪という構想です。

しかし買収後、同社の製造施設で品質管理の重大な問題が発覚します。米国当局から輸入禁止の措置を受け、事業価値が大きく毀損しました。

買収前の調査では、書類に表れない実態までは見えないことがある。とくに品質と文化は、外からは測りにくい。M&Aの難しさ
段階見えるもの見えにくいもの
買収前の調査財務・契約・訴訟現場の実態・文化
買収後—統合してから表に出る

候補者の採用にも同じ構造があります。書類と面接で見えるものと、入社後に分かることには差がある。

Chapter 03転換失敗の後に、​何をしたか

第一三共はランバクシーを売却し、新薬の研究開発に集中しました。手を広げるのをやめ、自社の技術に賭けた。

その結果生まれたのが、抗体薬物複合体(ADC)という技術です。がん細胞に結びつく抗体に、薬剤を結合させて届ける。

この技術による治療薬は世界で高く評価され、同社の業績を大きく押し上げました。

失敗の後にどこへ集中するかが、その後を決める。分散した資源を一点に戻したことが転機になりました。

Chapter 04技術届け方を、変える

抗がん剤の難しさは、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまうことです。これが副作用の原因になります。

ADCは、がん細胞を見つける抗体に、薬剤を運ばせる仕組みです。狙った場所にだけ届ける。

薬そのものを変えるのではなく、届け方を変えるという発想です。技術革新の形は一つではないことを示しています。

Chapter 05現在地成功にも、​時限がある

ADCによる成功も、いずれ特許の期限を迎えます。次の柱を作り続けなければならないという構造は変わりません。

製薬の経営は、常に10年先の準備をしていると言えます。今の業績は10年前の判断の結果であり、今の判断は10年後に表れます。

候補者に研究開発の職種を勧めるとき、この時間軸の長さは伝えるべき前提です。

Chapter 06実務入社後に​分かることを、減らす

買収における見極めと、採用における見極めは同じ構造です。書類で見えるものと、中に入って分かることには差があります。

見えにくいこと確認の工夫
上司との相性面接に直属の上司を出してもらう
実際の労働時間その部署の平均を数字で聞く
チームの雰囲気現場の社員と話す機会を作る
任される範囲入社後3か月の具体的な業務を聞く
評価のされ方前年に昇進した人の事例を聞く

これらは候補者からは聞きにくいことです。だからエージェントが代わりに聞く。

すべてを事前に把握することはできません。しかし確認を1つ増やすごとに、入社後の齟齬は減ります。

入社後に分かることをゼロにはできない。減らすことはできる。その差が、紹介の質である。見極めの精度
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
採用の見極めを考えるとき

書類と面接で見えるものと入社後に分かることには差があります。M&Aと同じ構造です。

失敗からの立て直しを見るとき

失敗の後にどこへ集中するかが、その後を決めます。

研究開発職を勧めるとき

今の判断が10年後に表れるという時間軸を伝えてください。

Q
入社後の齟齬を減らすには何を確認すべきですか?
A
上司との相性、実際の労働時間、チームの雰囲気、任される範囲、評価のされ方です。候補者から聞きにくいことをエージェントが代わりに確認してください。
KEY POINTS
この記事のポイント
1失敗なぜ、買収は失敗したのか2008年、第一三共はインドの後発薬メーカー、ランバクシーを買収しました。新薬と後発薬の両輪 という構想です。
2転換失敗の後に、何をしたか第一三共はランバクシーを売却し、 新薬の研究開発に集中 しました。手を広げるのをやめ、自社の技術に賭けた。
3技術届け方を、変える抗がん剤の難しさは、 がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまう ことです。これが副作用の原因になります。

この記事の情報源

  • 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
  • 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
  • 新聞・経済メディアの報道
  • 官公庁の統計・白書および調査機関の公表資料
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。

よくある質問

Q
第一三共はどのように生まれましたか?
A
2005年、第一製薬と三共が統合して誕生しました。
Q
ランバクシーの買収はなぜ失敗したのですか?
A
買収後に製造施設の品質管理に重大な問題が発覚し、米国当局の措置により事業価値が大きく毀損したためです。
Q
ADCとは何ですか?
A
抗体薬物複合体です。がん細胞に結びつく抗体に薬剤を結合させ、狙った場所にだけ届ける技術です。
Q
成功は続きますか?
A
ADCによる成功もいずれ特許の期限を迎えます。常に次の柱を作り続ける必要があります。
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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.21
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