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Founding Story

コーン・フェリーの創業ストーリー人を探す仕事が、経営の助言になるまで

創業ストーリー 2026.09.20
この記事の要点
  • コーン・フェリーは1969年11月、ロサンゼルスでレスター・コーンとリチャード・フェリーが創業した。
  • 2人は大手会計事務所ピート・マーウィック(現KPMG)で経営幹部の探索を担っていたが、大組織の制約に不満を持って独立した。
  • 1973年には東京に日本法人を設立。1970年代前半に一度上場して非公開に戻り、1999年にニューヨーク証券取引所に再上場した。
  • 2015年に人事コンサルのヘイグループを買収し、幹部の採用から報酬・評価・リーダー育成まで扱う会社になった。

コーン・フェリーは、エグゼクティブサーチ(経営幹部の探索)で世界最大級の会社です。現在は幹部の採用だけでなく、組織設計、報酬制度、リーダー育成といった人事コンサルティングまで手がけています。

人を探す仕事は、なぜ組織を設計する仕事にまで広がったのか。会計事務所の一部門から始まった来歴を追うと、人材紹介という仕事の「その先」が見えてきます。

Chapter 01|前史会計事務所の中の、​サーチ部門

レスター・コーンはUCLAでMBAを取得し、ハーバード・ビジネス・スクールで博士課程に進んだのち、大手会計事務所ピート・マーウィック・ミッチェル(現KPMG)に経営コンサルタントとして入りました。1963年には西海岸のエグゼクティブサーチ部門を任され、のちにパートナーになっています。

リチャード・フェリーはオハイオ出身で、ケント州立大学で会計を学び、自ら共同創業したものを含む複数の会計事務所を経て、1965年にピート・マーウィックに入りました。やがてサーチの仕事に移り、コーンの後任として西海岸のサーチ部門を率い、1969年にパートナーになります。

当時、経営幹部の探索は、会計事務所やコンサル会社の付随サービスとして行われることが多い仕事でした。

創業
1969年11月、ロサンゼルス
創業者
レスター・コーン、リチャード・フェリー
出身
会計事務所ピート・マーウィック・ミッチェル(現KPMG)
当初の社名
Korn/Ferry Enterprises

Chapter 02|創業大組織の制約から、​独立する

2人とも社内で成功していましたが、大きな組織で働くことの制約に不満を募らせていました。会計事務所の中では、サーチはあくまで本業の周辺にある仕事です。独立性や、利益相反の問題も抱えやすい立場でした。

1969年11月、2人は独立して自分たちの会社を作ります。それがKorn/Ferryの始まりです。探す対象を経営幹部に絞り、サーチを専門の仕事として確立することをめざしました。

付随サービスだった仕事を、専門の職業として独立させる。
コーン・フェリーの出発点は、それ自体が一つの判断だった。

翌1970年には、不動産業界に特化した最初の専門部門を作っています。業界ごとに専門のチームを置く形は、今のサーチファームの基本になっています。

Chapter 03|仕組みエグゼクティブサーチとは​何か

多くの人材紹介は、登録した求職者の中から候補を探す仕事です。エグゼクティブサーチは違います。今の会社で活躍している人を、こちらから探しに行く仕事です。

一般的な人材紹介(成功報酬型)エグゼクティブサーチ(リテイナー型)
対象登録している求職者が中心転職を考えていない現職の幹部も
報酬採用が決まったときに支払う依頼時から段階的に支払う
報酬の目安年収の3割前後が多い初年度報酬の3割程度とされる
依頼主との関係求人票をもとに動く経営課題から「誰を探すか」を定義する

対象は限られ、報酬も高い。その分、依頼主の経営課題を理解していなければ、誰を探すべきかを定義できません。ここから、採用の相談が経営の相談へと広がっていく道が開けます。

Chapter 04|年表コーン・フェリーの​歩み

1969.11ロサンゼルスで創業ピート・マーウィックのサーチ部門を率いた2人が独立
1970最初の業界特化部門を設置不動産業界向け
1970年代前半一度上場し、1974年に非公開に戻る
1972英国のサーチ会社と合併し欧州へ
1973東京に日本法人を設立アジアでも早い時期の進出
1991共同創業者のコーンが会長を退任フェリーが会長を兼ねる
1998ウォール・ストリート・ジャーナルと「Futurestep」を開始ミドル層向けのネット採用
1999ニューヨーク証券取引所に再上場上場後、買収を重ねる
2015人事コンサルのヘイグループを買収報酬・評価・組織設計の領域へ
2018〜ブランドを「Korn Ferry」に統一サーチとコンサルを一つの名前に

Chapter 05|拡張採用の相談が、​組織の相談になる

1990年代後半、同社はサーチの外側に事業を広げ始めます。1998年には、ウォール・ストリート・ジャーナルと組んで、ミドル層向けのネット採用サービスFuturestepを始めました。のちに、企業の採用業務を丸ごと請け負うRPO(採用代行)の事業に育っています。

1999年にニューヨーク証券取引所に再上場すると、世界各地のサーチ会社を買収して拠点を広げました。2000年代には、リーダーシップ開発の知見を持つ会社も取り込んでいます。

大きな転機が、2015年のヘイグループの買収です。ヘイグループは、職務評価や報酬制度の設計で知られる人事コンサルティング会社でした。これによりコーン・フェリーは、誰を採るかだけでなく、どう評価し、どう報い、どう育てるかまで扱う会社になりました。

「誰を採るか」は、「どんな組織にするか」と切り離せない。サーチが人事コンサルに広がる理由がここにある。業界の構造

Chapter 06|日本1973年からの​日本での位置づけ

コーン・フェリーは1973年、東京に日本法人を設立しました。日本でも、経営幹部やスペシャリストの採用支援と、人事制度・リーダー育成のコンサルティングを行っています。

日本の転職市場では、ヘッドハンターとして働くキャリアの代表的な選択肢の一つです。人材紹介会社で経験を積んだエージェントが、より上位の層を扱うサーチファームへ移る道は、キャリアの一つの到達点として語られることがあります。

同じ「人を紹介する仕事」でも、外資系の紹介会社であるマイケル・ペイジやロバート・ウォルターズ、日系のJACリクルートメントとは、扱う層も報酬の形も違います。比べて読むと、サーチと紹介の違いが整理できます。

Chapter 07|実務エージェント自身の​キャリアとして

コーン・フェリーの来歴は、候補者に説明する材料であると同時に、エージェント自身のキャリアを考える材料にもなります。

紹介の先にある課題まで踏み込めるか

成功報酬型の紹介は、採用が決まれば仕事が終わります。しかし依頼主の本当の課題は、採った人が活躍できる組織になっているかにあることが少なくありません。評価制度、報酬、育成。紹介の先にある課題まで話ができるかどうかが、単価と関係の深さを決めます。

FOR AGENTS

「このポジションの人が1年後に活躍しているために、評価や報酬、受け入れ体制で何が必要ですか」と依頼主に聞けるか。サーチが組織の相談に広がった理由は、この一言に集約されます。

サーチファームへの転身を考える人に

  • 扱う層:経営幹部・役員クラスが中心。候補者との関係づくりに長い時間をかける。
  • 報酬の形:リテイナー型が多く、案件の進め方も成功報酬型とは違う。
  • 求められる力:業界と経営への理解、依頼主と対等に議論できる力。
KEY POINTS
この記事のポイント
1創業付随サービスを専門職に会計事務所でサーチを率いた2人が1969年に独立し、経営幹部の探索を専門の仕事として確立した。
2仕組み探しに行くサーチ登録者から選ぶ紹介と違い、現職の幹部を探しに行く。経営課題を理解しないと「誰を探すか」を定義できない。
3拡張人を探す会社から、組織を設計する会社へ1999年の再上場後に買収を重ね、2015年のヘイグループ買収で報酬・評価・育成まで扱うようになった。

よくある質問

Q
コーン・フェリーはどんな会社ですか?
A
1969年に米ロサンゼルスで創業した、エグゼクティブサーチ(経営幹部の探索)の世界大手です。現在は採用代行や、組織・報酬・リーダー育成のコンサルティングも手がけています。
Q
創業者はどんな人ですか?
A
レスター・コーンとリチャード・フェリーです。2人とも大手会計事務所ピート・マーウィック・ミッチェル(現KPMG)で経営幹部の探索部門を率いており、1969年に独立しました。
Q
エグゼクティブサーチと人材紹介の違いは?
A
人材紹介は登録した求職者から候補を探すことが多いのに対し、エグゼクティブサーチは現職で活躍している幹部をこちらから探しに行きます。報酬は依頼時から支払うリテイナー型が多いとされます。
Q
日本にはいつ進出しましたか?
A
1973年に東京に日本法人を設立しました。
Q
なぜ人事コンサルまで手がけるのですか?
A
誰を採るかは、どんな組織にするかと切り離せないためです。2015年に人事コンサルティングのヘイグループを買収し、報酬・評価・組織設計の領域に広げました。
まとめ

コーン・フェリーは1969年、会計事務所でエグゼクティブサーチを率いていた2人が独立し、経営幹部の探索を専門の仕事として確立した会社である。1973年に日本へ進出し、1999年にニューヨーク証券取引所に再上場したのち買収を重ね、2015年のヘイグループ買収で報酬・評価・育成まで扱う会社になった。人を探す仕事が組織の設計まで広がる道筋を示している。

この記事の情報源

  • Korn Ferryの年次報告書(Form 10-K)・公開資料
  • 同社の沿革をまとめた企業史の資料(Encyclopedia of Company Histories ほか)
  • エグゼクティブサーチ業界に関する公開資料
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.25
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