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アクセンチュアの​レイオフ​(1,300​億円規模の​事業最適化)​を​読む成長企業がなぜ人を​減らすのか、​日本の​転職者への​影響

企業研究 2026.09.07
この記事の要点

アクセンチュアのロゴ2025年9月25日、アクセンチュアは約8億6,500万ドル(約1,300億円)規模の「事業最適化プログラム」を発表しました。異例なのは、売上が前年同期比+7%と成長する中で人を減らしたこと。業績悪化のコストカットではなく、AI時代に向けたスキル構成の入れ替えという、コンサル業界の構造変化を象徴する出来事です。

※年収レンジは転職エージェント各社の調査・口コミに基づく推計、業績・人員・制度は公式開示および報道(日本経済新聞・日経クロステック等)に基づきます(2026年9月時点)。

  • 規模は8億6,500万ドル(約1,300億円)。2025年6〜8月期に6億1,500万ドル、9〜11月期に2億5,000万ドルを退職金等の費用として計上。従業員は約79.1万人→約77.9万人(2025年8月末)へ1万人以上減少。
  • 判断基準はCEOの言葉で「必要なスキルの再教育が現実的ではないと判断される人員の退職」。同時にAI・データ専門家は2023年度比でほぼ倍増の7.7万人、55万人以上に生成AI研修。削減と採用が同時進行。
  • 日本法人は「日本では引き続き好調で、影響は極めて限定的」とコメント(日経クロステック)。中途採用は継続しているが、求められるスキルの軸は明確に変わった。

何が発表されたのか|数字で​押さえる

2025年9月25日(米国時間)、アクセンチュアは2025年6〜8月期決算とあわせて、約6ヶ月間の「事業最適化プログラム」の実施を公表しました。費用は退職金を含め総額8億6,500万ドル(約1,300億円)で、6〜8月期に6億1,500万ドル、続く9〜11月期に2億5,000万ドルを計上。並行して2件の買収事業の売却も予定されました。

従業員数は、前四半期に公表した約79万1,000人から2025年8月末時点で約77万9,000人へと、すでに1万人以上減少しています。一方で同四半期の売上高は前年同期比+7%と成長を維持。「業績が悪いから減らす」という従来型のリストラとは、構図が根本的に異なります。会社の全体像は企業ページをご参照ください。

なぜ成長企業が人を​減らすのか|​スキルの​入れ替え

ジュリー・スウィートCEOは決算会見で、「必要なスキルの再教育が現実的ではないと判断される人員の退職を短期間で進めている。投資余力を生み出すため、AIなどを活用して業務を効率化できる分野を見極める」と述べました。削減の基準は業績や年次ではなく、AI時代に必要なスキルへの転換可能性です。

同時に進んでいるのが採用と育成への投資です。AIとデータの専門家は2023年度以降ほぼ倍増して7万7,000人、生成AIの基礎研修は55万人以上の従業員が受講。FY2025通期の生成AI新規受注は59億ドルに達しています。つまりこれは人員削減ではなく人員の入れ替え。コンサルの原価が人件費である以上、売り物(スキル)が変われば人の構成も変わる、という論理です。

← 図は横にスクロールできます →
売上+7%で成長 業績は良い STEP 1 AIで業務の一部を効率化 投資余力を作る STEP 2 再教育が現実的でない人員の退職 1万人超減 STEP 3 AI・データ人材へ再投資 7.7万人へ倍増 STEP 4
削減ではなく入れ替え:コンサルの原価は人件費である

業界全体の潮流|マッキンゼーも、AIが3割代替

この動きはアクセンチュア一社にとどまりません。2025年12月にはマッキンゼーが全体の約10%の人員削減方針を報じられ、日本経済新聞は「AIの進化で基礎的な調査などコンサルが担う業務の約3割は代替できる」との指摘を伝えています。間接部門や、リサーチ・資料作成といった基礎業務が主な対象です。

コンサル業界は長く「採用して育て、稼働させる」モデルで拡大してきました。その前提が変わり始めている「人を増やせば売上が増える」から「AIで捌ける業務は人を減らし、高付加価値領域に人を寄せる」への転換です。エージェントにとっては、コンサル業界への転職支援の前提条件が変わったことを意味します(AI時代に残る仕事・市場動向)。

日本の転職者への影響|​「限定的」の読み方

アクセンチュア日本法人は日経クロステックの取材に対し、プログラムがグローバル全体の指針であることを認めつつ、「日本では引き続き好調を維持しており、日本への影響は極めて限定的だ」と回答しています。日本法人は約2.9万人(2026年3月時点)まで拡大し、中途採用も継続しています。

ただし「影響が限定的」は「求められるものが変わらない」ではありません。読み取るべきは3点。①採用の門は開いているが、評価軸はAI・データを扱える方向へ明確にシフトしている ②リサーチ・資料作成中心の役割は、入社後に価値を出しにくくなる ③「アップ・オア・ステイ」の運用(年収の記事)は変わらないが、ステイの居心地はスキル次第で変わる。入社できるかではなく、入社後に価値を出し続けられるか。支援の焦点はそこに移ります。

エージェントが​候補者に​伝えるべきこと

候補者との対話では、恐怖でも楽観でもなく構造を伝えます。①今回のレイオフは業績悪化ではなくスキル転換であり、日本の採用は継続している ②だからこそ「何ができる人として入るか」が以前より重要で、AI・データへの適応力を経歴の中で示せるかが問われる ③コンサル志望の動機が「成長環境」だけなら(志望動機の論点)、AI時代のファームで何に貢献するかまで言語化する必要がある。

そして候補者自身のキャリア設計としては、ファーム内で価値を出し続ける道と、ポストコンサルで事業会社に移る道の両方を、入社前から視野に入れておくこと。働き方の記事・同業比較とあわせて、候補者の判断材料を揃えてください。

よくある質問

Q
アクセンチュアのレイオフは業績悪化が原因ですか?
A
違います。2025年6〜8月期の売上は前年同期比+7%と成長しており、AI時代に必要なスキルへの再教育が現実的でない人員を退職させ、AI・データ人材へ再投資するスキル構成の入れ替えが目的と説明されています。
Q
日本法人でもレイオフはありますか?
A
日本法人はプログラムがグローバルの指針であると認めつつ、「日本では引き続き好調で、影響は極めて限定的」と回答しています(日経クロステック)。中途採用も継続しています。
Q
これからアクセンチュアに転職するのはリスクですか?
A
採用は継続しており、入れるかどうかのリスクは限定的です。むしろ問われるのは入社後に価値を出し続けられるかで、AI・データを扱える方向へ評価軸が移っていることを理解したうえで志望動機とスキルを整えることが重要です。
まとめ

アクセンチュアの1,300億円規模の事業最適化は、売上+7%の成長下で行われた「スキルの入れ替え」であり、AI・データ人材の倍増と同時進行している。マッキンゼーの削減方針や「AIが3割代替」の指摘と合わせ、コンサル業界の前提は「人を増やせば伸びる」から変わった。日本法人への影響は限定的だが評価軸はシフトしており、支援の焦点は「入れるか」から「入社後に価値を出し続けられるか」へ移る。

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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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