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Career Guide

デザイナー​職の​全体像UI/​UX​・​グラフィック・​事業会社と​受託で、​まったく違う仕事​【2026​年】​

転職ノウハウ 2026.09.07
この記事の要点

デザイナー職の求人で最も多いミスマッチが、「デザイナー」という言葉の指す範囲が違うことです。UIを設計する人、ブランドを作る人、バナーを量産する人:同じ職種名でも仕事はまったく違います。非デザイナーのエージェントが最初に持つべきは、この解像度です。

※年収レンジは転職エージェント各社の調査・求人票の記載に基づく目安です。企業規模・業界・地域・個人の経験により実際の水準は異なります(2026年9月時点)。

  • 領域は①UI/UX ②グラフィック ③ブランド ④Web ⑤プロダクトに大別できる。求人票の言葉だけでは判別できない。
  • 事業会社と受託で仕事の性質が正反対。受託は幅と速度、事業会社は深さと責任。
  • ポートフォリオで見るべきは成果物ではなくプロセス。なぜその形にしたかを語れるかが実力を映す。
Job Structure職種の構造を一枚で

年収レンジ

400〜1,300万円

UI/UX・プロダクトが高く、Web・グラフィックは入口

5領域

UI/UX・グラフィック・ブランド・Web・プロダクト

成果物も働く場所も違う

見るべきは

プロセス

完成品より「なぜその形にしたか」

この職種は、誰と何を動かすかお金モノ・サービス人・情報

ユーザー

使う人・見る人

行動・反応・調査結果
画面・体験・ビジュアル

デザイナー

UI/UX・ブランド・プロダクト

設計・プロトタイプ・素材
要件・課題・制約
制作予算・ツール費

PdM・開発・マーケ

要件を出す人・実装する人

デザイン求人の領域構成(概算)
40%
30%
18%
12%
UI/UX 40%Web・グラフィック 30%プロダクト 18%ブランド 12%

※年収レンジは転職エージェント各社の調査・求人票に基づく目安、構成比は求人ベースの編集部概算です。企業規模・業界・個人の経験により実際の水準は異なります(2026年9月時点)。

DEFINITION
UIデザインとUXデザインの違いとは
UIデザインは画面の見た目と操作性を設計する仕事である。UXデザインは、ユーザーが製品に触れる前から使い終えた後までの体験全体を設計する仕事である。UIはUXの一部であり、UXデザイナーはリサーチや情報設計まで担う。

5領域で​見るデザイナーの仕事

①UI/UXデザイナー。アプリやWebサービスの画面設計と、体験の設計。情報設計、画面遷移、インタラクション。近年最も求人が多い領域です。②グラフィックデザイナー。広告、パッケージ、印刷物。ビジュアル表現そのものが成果物です。

事業会社と受託(制作会社・代理店)の違い

項目事業会社(インハウス)受託(制作会社・代理店)
扱うもの自社プロダクト1つを継続的に改善多数のクライアント案件
評価される成果数字(CVR・継続率)への貢献表現の質、受賞歴、担当ブランド
仕事の幅リサーチ・要件定義まで関わる制作に集中しやすい
スピード検証を繰り返す納期に対して仕上げる
向いている人プロダクトを育てたい人多様な表現に関わりたい人

③ブランドデザイナー。ロゴ、VI(ビジュアルアイデンティティ)、ブランドガイドライン。企業の見え方を統合的に設計します。④Webデザイナー。サイト制作。コーディングまで担う場合と、デザインのみの場合があります。

⑤プロダクトデザイナー。UI/UXを含みつつ、プロダクトの方向性まで踏み込む役割。PdMに近い立ち位置で、事業会社に多い職種です(PdMの記事)。

求人票が「デザイナー募集」だけの場合、成果物は何か、誰と働くか、意思決定の範囲はどこまでか。この3つを確認すると領域が特定できます。

領域主な成果物年収レンジ(目安)働く場所
UI/UX画面設計、プロトタイプ、情報設計500〜1,000万円事業会社・制作会社
グラフィック広告、パッケージ、印刷物400〜750万円代理店・制作会社・メーカー
ブランドVI、ガイドライン、ブランド戦略600〜1,200万円事業会社・ブランディング会社
Webサイトデザイン、LP400〜700万円制作会社・事業会社
プロダクトプロダクト方針を含む体験設計700〜1,300万円事業会社(特にSaaS・スタートアップ)

事業会社と受託|仕事の性質が正反対

デザイナーのキャリアで最大の分岐が、事業会社か、制作会社・代理店かです。

制作会社・代理店。複数クライアントの案件を並行して回します。強みは幅と速度。多様な業界のデザインを短期間で数多く経験でき、表現の引き出しが増えます。弱点は作った後を見届けられないこと。納品して終わり、その施策が成果を出したかは分かりません。

事業会社。一つのプロダクトに深く関わります。強みは深さと責任。ユーザーの反応を見て改善を回せる。弱点は担当範囲が狭くなることと、社内調整の比重が大きいこと。

転職の流れは制作会社 → 事業会社が一般的です。逆は多くありません。ただし事業会社に移った人が「デザイン以外の業務(調整・資料作成)が多い」と感じるケースはあり、この現実を事前に伝えることが支援になります。

ポートフォリオで​見るべきは、​成果物ではない

非デザイナーが最も困るのが、ポートフォリオの評価です。デザインの良し悪しは判断できない。それで構いません。見るべきは別の点です。

①プロセスが書かれているか。優れたポートフォリオには、完成品だけでなくなぜその形にしたかが書かれています。課題は何で、どんな案を検討し、なぜこれを選んだか。これが書ける人は、思考が言語化できています。

②成果が示されているか。「CVRが◯%改善」「離脱率が◯%減少」。デザインを事業成果と接続して語れる人は、事業会社で高く評価されます。逆に「きれいに作りました」で終わるポートフォリオは、制作会社向きです。

③担当範囲が明記されているか。チームで作ったものを個人の実績のように見せているケースがあります。「自分はどこを担当したか」が明確に書かれているかを確認します。

この3点はデザインの専門知識がなくても判断できます。むしろ企業の採用担当も、この観点で見ていることが多い。

← 図は横にスクロールできます →
完成品を見る ここは判断しなくてよい プロセスを読む なぜその形にしたか 成果を確認 事業指標と接続しているか 担当範囲を確認 チームの成果か個人の成果か
デザインの巧拙より、思考と成果の言語化を見る

いま需要が​伸びている領域

デザイン職の市場で、需要が明確に伸びている領域を挙げます。

①UXリサーチャー。ユーザー調査を専門に担う職種です。デザインを描くのではなく、何を作るべきかの根拠を作る。SaaSや大手事業会社で独立したポジションになりつつあります。

②デザインシステム。複数プロダクトで一貫した体験を保つための、コンポーネントとルールの設計。組織が大きくなるほど必要性が上がるため、成長企業からの求人が増えています。

③デザインエンジニア。デザインと実装の両方を担う職種。FigmaからコードまでをつなぐUI実装ができる人材は希少で、単価も高くなります。

④AI時代のデザイン。生成AIによるビジュアル制作が普及するなか、量産型のデザイン業務は圧縮されつつあります。一方で、何を作るべきかを決める上流の設計や、AIの出力を判断・編集する能力の価値は上がっています(AIが変えた求人市場)。

候補者に伝えるべきは、「作る速度」ではなく「決める力」に価値が移っているという構造変化です。

よくある質問

Q
デザイナーの求人はどう見分ければよいですか?
A
成果物は何か、誰と働くか、意思決定の範囲はどこまでか、の3点を確認すると領域が特定できます。「デザイナー募集」という表記だけでは、UI設計からバナー制作まで大きく異なる仕事が含まれます。
Q
デザインの良し悪しが判断できません
A
判断しなくて構いません。ポートフォリオではプロセス(なぜその形にしたか)、成果(事業指標との接続)、担当範囲の明記の3点を見れば、専門知識がなくても実力を測れます。
Q
制作会社と事業会社、どちらが良いですか?
A
目的によります。制作会社は短期間で多様な案件を経験でき表現の幅が広がり、事業会社は一つのプロダクトを深く改善できます。転職の流れは制作会社から事業会社が一般的です。
Q
生成AIでデザイナーの仕事は減りますか?
A
量産型のデザイン業務は圧縮されつつある一方、何を作るべきかを決める上流の設計や、AIの出力を判断・編集する能力の価値は上がっています。作る速度より決める力へ価値が移っています。
まとめ

デザイナー職はUI/UX・グラフィック・ブランド・Web・プロダクトの5領域に分かれ、求人票の言葉だけでは判別できない。事業会社と受託では幅と深さのトレードオフがあり、ポートフォリオは成果物ではなくプロセス・成果・担当範囲で判断できる。生成AIの普及により、作る速度より何を作るか決める力へ価値が移っている。

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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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