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SaaS企業の時価総額ランキング​国内上場28社を、​売上・成長率・利益率・​40%ルールで比べる

業界研究 2026.09.29
島田龍太の写真
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島田 龍太THE AGENT編集長 / 株式会社Sync Ascent 代表取締役

商社を経て、創業期の株式会社アサイン…でマーケティング部門の立ち上げと、創業者直下でのエージェント業務を経験。続く人材紹介会社ではコンサル支援事業部の立ち上げを担い、事業部統括及び両面型エージェントとして年間売上No.1・年間1億円以上を達成。大手スカウト媒体で最高位のSランク認定。累計で数千名のキャリア支援に携わる。

この記事は、現場での経験をもとに書いています。プロフィールと編集方針

この記事の要点

国内上場のSaaS関連企業28社を、2026年9月時点の時価総額で並べると、1位はオービックビジネスコンサルタント(約6,229億円)、2位はラクス(約3,712億円)、3位はビジョナル(約3,413億円)でした。

  • 時価総額だけでなく、売上成長率・営業利益率を並べると、市場が何を評価しているかが見えてくる。
  • 成長率+営業利益率が40%を超える「40%ルール」を満たすのは28社中10社。
  • SaaS企業へ候補者を紹介するときは、成長のフェーズで求められる人材と働き方が変わる点を押さえる。

SaaS企業は、転職先としても投資先としても注目され続けています。一方で、「どの会社が大きいのか」「伸びているのはどこか」「儲かっているのはどこか」は、一つの数字だけでは分かりません。

この記事では、国内上場のSaaS関連企業28社を時価総額でランキングし、あわせて売上高・売上成長率・営業利益率を並べて比較します。さらに、編集部でPSR(時価総額÷売上高)と40%ルールを計算し、市場の評価と事業の健全性を読み解きます。

時価総額ランキング​TOP10

MARKET CAP|SaaS関連企業の時価総額TOP10(億円)
オービックビジネスコンサルタント6,229
ラクス3,712
ビジョナル3,413
マネーフォワード3,200
Sansan2,613
エス・エム・エス2,303
フリー2,186
インフォマート1,905
サイボウズ1,591
Appier Group1,515

出所:ストレイナー「SaaS関連銘柄」(2026年9月29日時点の掲載値)をもとに編集部作成。時価総額は株価により日々変動する。

1位のオービックビジネスコンサルタントは、「勘定奉行」で知られる会計・業務ソフトの老舗で、クラウド版の「奉行クラウド」へ事業を移してきました。売上高は514億円と8位ほどの規模ですが、営業利益率が45.88%と際立って高いことが、時価総額の大きさにつながっています。

2位のラクス、4位のマネーフォワードは、バックオフィス向けSaaSの代表格です。3位のビジョナルは、ビズリーチなど人材領域のサービスを持つ会社で、エージェントにとっても身近な企業です。

28社の全ランキング

時価総額の順に、売上高・売上成長率・営業利益率を一覧にしました。売上成長率20%以上は緑、営業赤字は赤で示しています。

FIG.1SaaS関連企業28社の時価総額ランキング
順位企業名時価総額(億円)売上高(億円)売上成長率営業利益率
1オービックビジネスコンサルタント4733|バックオフィス売上514億円・成長+9.4%・利益率45.9%6,229514+9.4%45.9%
2ラクス3923|バックオフィス売上603億円・成長+23.3%・利益率28.8%3,712603+23.3%28.8%
3ビジョナル4194|HR売上802億円・成長+21.2%・利益率26.8%3,413802+21.2%26.8%
4マネーフォワード3994|バックオフィス売上503億円・成長+24.7%・利益率-5.3%3,200503+24.7%-5.3%
5Sansan4443|営業・CX売上538億円・成長+24.4%・利益率15.2%2,613538+24.4%15.2%
6エス・エム・エス2175|バーティカル売上647億円・成長+6.2%・利益率10.5%2,303647+6.2%10.5%
7フリー4478|バックオフィス売上424億円・成長+27.6%・利益率2.6%2,186424+27.6%2.6%
8インフォマート2492|バックオフィス売上188億円・成長+20.4%・利益率15.2%1,905188+20.4%15.2%
9サイボウズ4776|業務基盤売上374億円・成長+26.1%・利益率27.0%1,591374+26.1%27.0%
10Appier Group4180|AI・マーケ売上437億円・成長+28.4%・利益率6.8%1,515437+28.4%6.8%
11ウイングアーク1st4432|業務基盤売上309億円・成長+7.8%・利益率29.1%1,170309+7.8%29.1%
12弁護士ドットコム6027|バーティカル売上163億円・成長+15.8%・利益率13.5%1,169163+15.8%13.5%
13プラスアルファ・コンサルティング4071|AI・マーケ売上171億円・成長+22.8%・利益率37.3%903171+22.8%37.3%
14スマレジ4431|バーティカル売上133億円・成長+20.6%・利益率24.1%656133+20.6%24.1%
15HENNGE4475|セキュリティ売上109億円・成長+30.6%・利益率16.4%579109+30.6%16.4%
16セーフィー4375|セキュリティ売上190億円・成長+26.4%・利益率-0.4%368190+26.4%-0.4%
17PR TIMES3922|AI・マーケ売上95.5億円・成長+19.3%・利益率38.0%29695.5+19.3%38.0%
18プレイド4165|営業・CX売上134億円・成長+21.9%・利益率10.7%276134+21.9%10.7%
19ユーザーローカル3984|営業・CX売上53.4億円・成長+16.6%・利益率41.1%26353.4+16.6%41.1%
20サイバーセキュリティクラウド4493|セキュリティ売上50.8億円・成長+31.8%・利益率21.7%20450.8+31.8%21.7%
21アトラエ6194|HR売上76.3億円・成長-11.2%・利益率24.3%20176.3-11.2%24.3%
22kubell4448|業務基盤売上95.3億円・成長+12.5%・利益率5.1%15795.3+12.5%5.1%
23スパイダープラス4192|バーティカル売上49.0億円・成長+20.2%・利益率-0.2%11149.0+20.2%-0.2%
24ヤプリ4168|AI・マーケ売上60.6億円・成長+9.9%・利益率14.6%10360.6+9.9%14.6%
25ウォンテッドリー3991|HR売上49.1億円・成長+4.0%・利益率33.5%89.849.1+4.0%33.5%
26チームスピリット4397|HR売上49.2億円・成長+11.3%・利益率5.5%64.649.2+11.3%5.5%
27グローバルウェイ3936|HR売上40.1億円・成長+30.7%・利益率7.7%48.840.1+30.7%7.7%
28テモナ3985|AI・マーケ売上18.3億円・成長+0.4%・利益率8.5%22.918.3+0.4%8.5%
出所:ストレイナー「SaaS関連銘柄」(2026年9月29日時点の掲載値)をもとに編集部作成。時価総額は株価により日々変動する。 企業名の下は証券コードとカテゴリ(カテゴリは編集部の分類)。

なお、ストレイナーの「SaaS関連銘柄」には、会計ソフトのように一部がパッケージ販売の会社や、人材紹介など複数の事業を持つ会社も含まれます。売上高はすべてがSaaSの売上ではない点に注意してください。

市場は何を​評価しているか|​PSR

時価総額を売上高で割ったPSR(株価売上高倍率)は、売上1円あたりに市場がどれだけの価値をつけているか、つまり将来への期待の大きさを表します。

PSR|時価総額÷売上高(倍)TOP10
オービックビジネスコンサルタント12.1倍
インフォマート10.1倍
弁護士ドットコム7.2倍
マネーフォワード6.4倍
ラクス6.2倍
HENNGE5.3倍
プラスアルファ・コンサルティング5.3倍
フリー5.2倍
スマレジ4.9倍
ユーザーローカル4.9倍

出所:ストレイナー掲載値をもとに編集部計算。

PSRが高いのは、高い利益率を持つ会社(オービックビジネスコンサルタント)や、取引のプラットフォームを持つ会社(インフォマート)、成長が続くバックオフィスSaaSです。売上の大きさよりも、稼ぐ力と、これからの伸びが評価されていることが分かります。

40%ルールで​健全性を見る

40%ルールは、「売上成長率+営業利益率」が40%を超えていれば、成長と利益のバランスが健全だとみなす、SaaS企業を評価する代表的な目安です。成長のために赤字を出していても、成長率が十分に高ければ合格になります。

RULE OF 40|売上成長率+営業利益率(%)TOP10
プラスアルファ・コンサルティング60.1%
ユーザーローカル57.7%
PR TIMES57.2%
オービックビジネスコンサルタント55.3%
サイバーセキュリティクラウド53.5%
サイボウズ53.1%
ラクス52.0%
ビジョナル47.9%
HENNGE47.0%
スマレジ44.7%

出所:ストレイナー掲載値をもとに編集部計算。40%以上が合格の目安。

28社のうち40%ルールを満たすのは10社です。上位には、プラスアルファ・コンサルティングやユーザーローカル、PR TIMESのように、規模は中くらいでも、高い利益率と成長を両立している会社が並びます。時価総額ランキングとは顔ぶれが違う点が面白いところです。

時価総額は「大きさ」、PSRは「期待」、40%ルールは「健全さ」。
3つの物差しで見ると、会社の姿が立体的になる。

カテゴリで見る​SaaS企業

28社を、提供しているサービスの領域で7つに分けました(編集部の分類)。

FIG.2カテゴリ別の主な企業と合計時価総額
バックオフィス|5社オービックビジネスコンサルタント・ラクス・マネーフォワード経理・請求・会計・人事などの業務をクラウド化。合計時価総額 約17,232億円
バーティカル|4社エス・エム・エス・弁護士ドットコム・スマレジ介護・小売・建設・法律など特定業界向け。合計時価総額 約4,239億円
HR|5社ビジョナル・アトラエ・ウォンテッドリー採用・人材活用・働き方のサービス。合計時価総額 約3,817億円
営業・CX|3社Sansan・プレイド・ユーザーローカル顧客接点や営業活動のデータ化。合計時価総額 約3,152億円
業務基盤|3社サイボウズ・ウイングアーク1st・kubellグループウェア・データ活用・ビジネスチャット。合計時価総額 約2,918億円
AI・マーケ|5社Appier Group・プラスアルファ・コンサルティング・PR TIMESAI・広告・データ分析・PR。合計時価総額 約2,840億円
セキュリティ|3社HENNGE・セーフィー・サイバーセキュリティクラウドクラウド・Web・映像のセキュリティ。合計時価総額 約1,151億円
各カテゴリの時価総額上位3社を表示。出所:ストレイナー「SaaS関連銘柄」(2026年9月29日時点の掲載値)をもとに編集部作成。時価総額は株価により日々変動する。

SaaSを評価する​主な指標

指標意味見るポイント
ARR(年間経常収益)毎年くり返し入ってくる売上の規模SaaSの事業規模を表す。売上高よりSaaSの実力に近い
NRR(売上継続率)既存の顧客からの売上が1年でどれだけ増えたか100%超なら、解約を上回るアップセルができている
チャーンレート(解約率)顧客や売上がどれだけ離れたか低いほど、サービスが定着している
40%ルール売上成長率+営業利益率40%以上なら、成長と利益のバランスが健全
PSR時価総額÷売上高高いほど、市場の将来への期待が大きい

エージェント視点|​SaaS企業への​転職支援で見ること

SaaS企業は、IT営業やカスタマーサクセスを中心に、中途採用が活発な業界です。候補者に紹介するときは、時価総額の大きさだけでなく、会社のフェーズで求められる人材と働き方が変わる点を押さえておきましょう。

会社のフェーズ数字の特徴求められやすい人材候補者に伝えたいこと
成長投資の段階成長率は高いが、営業赤字のことも新しい市場を切り開く営業、仕組みを作れる人裁量は大きいが、変化が激しい
成長と利益の両立40%ルールを満たす再現性のある営業、顧客を定着させるカスタマーサクセス成果の出し方が確立していて、学びが多い
安定・高収益成長率は落ち着き、利益率が高い大口顧客の深耕、既存事業の拡大安定しているが、変化の速さは控えめ
  • 候補者が「成長」と「安定」のどちらを重視しているかを確かめたか
  • 売上成長率と営業利益率から、会社のフェーズを説明できるか
  • IT営業・インサイドセールス・カスタマーサクセスなど、職種ごとの役割の違いを説明できるか
  • 最新の決算資料で、ARRや解約率の推移を確かめたか
FOR AGENTS
このナレッジを、面談でどう使うか
013つの物差しで会社を見る時価総額(大きさ)・PSR(期待)・40%ルール(健全さ)を組み合わせて説明する。
02フェーズで紹介先を選ぶ成長投資・両立・安定のどの段階の会社かで、合う候補者が変わる。
03数字は最新で確かめる時価総額は日々動く。紹介の前に、最新の決算資料と株価を確認する。

よくある質問

Q
日本のSaaS企業で時価総額が一番大きいのはどこですか?
A
2026年9月29日時点のストレイナーの掲載値では、SaaS関連銘柄の時価総額1位はオービックビジネスコンサルタント(約6,229億円)、2位はラクス(約3,712億円)、3位はビジョナル(約3,413億円)です。時価総額は株価によって日々変わります。
Q
SaaS企業の40%ルールとは何ですか?
A
売上成長率と営業利益率を足した値が40%を超えていれば、成長と利益のバランスが健全だとみなす目安です。成長のために赤字でも、成長率が十分に高ければ合格になります。
Q
PSRとは何ですか?
A
時価総額を売上高で割った値で、売上1円あたりに市場がどれだけの価値をつけているか、つまり将来への期待の大きさを表します。
Q
SaaS企業への転職で見るべき数字は何ですか?
A
売上成長率と営業利益率で会社のフェーズ(成長投資・両立・安定)を把握し、ARRや解約率の推移で事業の強さを確かめるのがおすすめです。
まとめ

2026年9月時点のSaaS関連企業の時価総額は、オービックビジネスコンサルタント、ラクス、ビジョナルが上位。ただし時価総額だけでは会社の姿は分からない。PSRで市場の期待を、40%ルールで成長と利益の健全さを見ると、規模は中くらいでも評価の高い会社が浮かび上がる。転職支援では、会社のフェーズと候補者の志向を合わせることが大切である。

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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.29
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