WRITTEN BY
島田 龍太THE AGENT編集長 / 株式会社Sync Ascent 代表取締役
商社を経て、創業期の株式会社アサイン…でマーケティング部門の立ち上げと、創業者直下でのエージェント業務を経験。続く人材紹介会社ではコンサル支援事業部の立ち上げを担い、事業部統括及び両面型エージェントとして年間売上No.1・年間1億円以上を達成。大手スカウト媒体で最高位のSランク認定。累計で数千名のキャリア支援に携わる。
この記事は、現場での経験をもとに書いています。プロフィールと編集方針
この記事の要点
「転職エージェントは使うな」と言われるのには、理由があります。ただしその多くは、エージェントという仕組みではなく、質の低い担当者や、業界の構造から生まれています。
- 質の悪い支援は、成功報酬・担当者の目標・業務の多さという業界の構造から生まれやすい。
- 使わない方がいいのは、行きたい会社が決まっている人や、エージェントが扱わない領域を目指す人など。
- 使うなら、ダメな担当のサインを知り、主導権を自分が持つこと。求職者は無料で使え、法律でも守られている。
「転職エージェントは使うな」「やめとけ」。転職を考え始めると、こうした声を目にします。書いている私自身、エージェントとして企業と候補者の両方を担当してきた人間です。その立場から、この声には正しい部分があると、正直に認めるところから始めます。
この記事では、なぜ「使うな」と言われるのかを業界の内側から説明し、使わない方がいい人、ダメな担当の見分け方、そして使うなら主導権を自分が持ったまま使う方法までを整理します。
「使うな」と言われる理由
| よく聞く不満 | 実際に起きていること |
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| 希望と違う求人ばかり紹介される | 担当者が、あなたの話より手元の求人を起点に考えている |
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| 決断を急かされる | 成功報酬のため、担当者が早く決めたい気持ちを持ちやすい |
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| 連絡がしつこい/返信が遅い | 担当者が多くの候補者を抱え、優先順位をつけている |
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| 業界のことを知らない担当に当たった | 担当者の経験や知識には、大きな差がある |
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| 断ったら態度が変わった | 支援の目的が、あなたではなく決定になっている |
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民間の調査では、直近の転職でエージェントを「情報収集に使った」人は21.3%、「応募に使った」人は19.3%でした(マイナビ「転職動向調査2025年版」)。多くの人が使っているからこそ、不満の声も多く集まります。
質の悪い支援が生まれる業界の構造
ここからは、業界の中にいる人間として正直に書きます。質の悪い支援は、担当者個人の性格だけでなく、業界の仕組みそのものから生まれやすいのです。
FIG.1質の悪い支援が生まれる3つの構造
STRUCTURE 1成功報酬の仕組み紹介会社の売上は、候補者が入社して初めて発生する。決まらなければ、どれだけ時間をかけても売上はゼロ
起きること:決まりやすい求人を勧めたくなる/決断を急がせたくなる STRUCTURE 2担当者ごとの数字の目標多くの会社で、担当者に面談数や決定数の目標がある
起きること:1人あたりの時間が短くなり、支援が雑になる STRUCTURE 3業務の多さ1人で多くの候補者と企業を担当し、日程調整や連絡に追われる
起きること:返信が遅い/説明が足りない どれも、エージェント自身が意識して抗わなければ、支援の質を下げる方向に働く。
だから、「エージェントは使うな」は半分正しい。
正確には、「構造に流されているエージェントは使うな」である。
一方で、この構造に抗い、候補者にとって本当に良い選択を一緒に考えるエージェントもいます。問題は、どちらの担当に当たるかを、あなたが見分けられるかどうかです。
使わない方がいい人、使った方がいい人
自分の状況に当てはめて、エージェントが必要かどうかを判断してみてください。
FIG.2エージェントを使うかどうかの判断
行きたい会社がすでに決まっているその会社の採用ページから応募できる直接応募でよい
自分の市場価値や選択肢がわからない年収の相場や、合う業界を知りたいエージェント向き
仕事が忙しく、活動の時間がとれない日程調整や企業とのやり取りを任せたいエージェント向き
年収や条件を自分で交渉するのが苦手言いにくい条件を代わりに伝えてほしいエージェント向き
自分のペースで、じっくり決めたい急かされるのが何より苦手使うなら
主導権を持つ
エージェントが扱わない領域を目指す公務員、ごく小さな会社、一部の業界直接応募・紹介が中心
当てはまる項目が「エージェント向き」に多ければ使い、「直接応募」に多ければ無理に使わなくてよい。
ダメな担当の6つのサイン
次のサインが見えたら、担当の変更を頼むか、そのエージェントの利用をやめて構いません。
FIG.3ダメな担当のサイン
!初回の面談で、ほとんど話を聞かずに求人を出してくるあなたではなく、手元の求人を起点に考えている
!希望と違う求人を、理由を言わずに大量に送ってくる「数を打てば当たる」支援になっている
!「この求人は今週で締め切りです」と、決断を急がせる本当に締め切りなら根拠を聞く。根拠がなければ急がなくていい
!企業の良いことしか言わない弱みを説明できないのは、企業を理解していないか、隠している
!断ると、連絡の態度が変わるあなたのための支援ではなく、決定のための支援になっている
!内定を承諾するまで、他の会社を受けないように言う比べる機会を奪うのは、あなたのためではない
担当が合わないと思ったら、会社に担当の変更を頼める。遠慮する必要はない。
知っておきたい、求職者を守るルール
転職エージェント(有料職業紹介事業者)には、法律で次のようなルールが課されています。
| ルール | 求職者にとっての意味 |
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| 求職者から手数料を取れない | 原則として、求職者は無料で利用できる |
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| 厚生労働大臣の許可制 | 許可番号を持たない業者は、有料で職業紹介をできない |
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| 実績の公表義務 | 「人材サービス総合サイト」で、就職者数や6か月以内の離職者数、手数料などを確認できる |
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| 転職の勧誘の禁止 | 紹介して無期雇用で就職した人に、就職から2年間は転職を勧めてはならない |
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| お祝い金の禁止 | 「就職お祝い金」などの金銭で、登録や就職を誘ってはならない |
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不安なときは、「人材サービス総合サイト」でそのエージェントの許可番号と、紹介した人が6か月以内に辞めていないかを確認してみてください。定着している人が多い会社ほど、無理な紹介をしていない可能性が高いと言えます。
使うなら、主導権を自分が持つ
エージェントは「任せる」ものではなく、自分が主導権を持って使う道具です。次の言葉を、そのまま使ってみてください。
求人を紹介されたとき
「この求人を、私に紹介してくださった理由を教えてください。私のどの経験が、ここで評価されると思いますか?」
決断を急かされたとき
「その期限の根拠を教えてください。私は比べてから決めたいので、他の選考の結果が出るまで待っていただけるか、企業に確認してもらえますか?」
担当を変えたいとき
「今の担当の方には感謝していますが、私の希望する業界に詳しい方に代わっていただくことはできますか?」
- 最初の面談で、自分の希望と譲れない条件を伝えた
- 紹介された求人の「紹介理由」を毎回聞いている
- 決めるのは自分だと、担当者に伝えている
- 複数のエージェントを使っていることを、正直に伝えている
- 合わないと感じたら、担当の変更を頼むと決めている
エージェントを使わない転職の方法
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|
| 企業の採用ページから直接応募 | 行きたい会社が決まっている人 | 書類・面接の対策や条件の交渉を、すべて自分で行う |
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| 転職サイトで自分で探す | 自分のペースで幅広く探したい人 | 非公開の求人には出会えない |
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| スカウトサービス | 自分の市場価値を知りたい人 | 届いたスカウトが、本当に自分向けかを見極める |
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| 知人・友人の紹介(リファラル) | 入りたい会社に知り合いがいる人 | 内定を断りにくく、人間関係に影響することがある |
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| ハローワーク | 地元で働きたい人 | アドバイザーがつくわけではない |
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エージェントを使うか使わないかは、どちらが正しいという話ではありません。組み合わせて使うのが一番現実的です。たとえば、行きたい会社には直接応募しつつ、市場価値を知るためにエージェントと1回だけ面談する、という使い方もできます。
エージェントとして働く人へ
この記事は、エージェントとして働く方にも読んでほしいと思っています。「転職エージェントは使うな」という声は、私たち業界全体への評価です。構造に流されず、候補者の人生にとって本当に良い選択を一緒に考えること。その積み重ねだけが、この声を変えていきます(本当に価値あるエージェントの7条件)。
FOR AGENTS
このナレッジを、面談でどう使うか
01「使うな」の理由を知る成功報酬・目標・業務の多さという構造が、質の悪い支援を生みやすいことを自覚する。
02ダメなサインを出さない話を聞かずに求人を出す、急かす、良いことしか言わない。候補者が見ているサインを出さない。
03主導権を候補者に渡す紹介の理由を説明し、比べて決める時間を守る。決めるのは候補者である。
よくある質問
A半分は正しいと言えます。成功報酬や担当者の数字の目標などの構造から、質の悪い支援が生まれやすいのは事実です。ただし、候補者のために動くエージェントもいます。ダメな担当のサインを知り、主導権を自分が持って使えば、エージェントは有効な道具になります。
Q転職エージェントを使わない方がいいのはどんな人ですか?
A行きたい会社がすでに決まっていて直接応募できる人や、エージェントがあまり扱わない領域(公務員やごく小さな会社など)を目指す人です。自分のペースを最優先したい人は、使うとしても主導権を自分で持つことが大切です。
A話をほとんど聞かずに求人を出す、理由を言わずに大量の求人を送る、根拠のない期限で決断を急がせる、企業の良いことしか言わない、断ると態度が変わる、他社の選考を止めさせる、といったサインに注意してください。
Aはい。職業安定法により、転職エージェントは原則として求職者から手数料を受け取ることができません。費用は、採用が決まったときに企業が支払います。
A担当者の変更を会社に頼むことができます。変えても合わなければ、別のエージェントを使えば問題ありません。
まとめ
「転職エージェントは使うな」は、半分正しい。成功報酬や数字の目標といった業界の構造から、質の悪い支援が生まれやすいのは事実である。だからこそ、使わない方がいい場面を知り、ダメな担当のサインを見分け、主導権を自分が持って使う。そうすれば、エージェントは転職の強い味方になる。
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記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営:
株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.29
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