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Founding Story

Datadogの創業ストーリー開発と運用の「仲が悪い」を、製品にした

創業ストーリー 2026.09.20
この記事の要点
  • Datadogは2010年、ニューヨークでオリビエ・ポメルとアレクシ・レ=コックが創業した。
  • 2人は前職で、それぞれ開発チームと運用チームを率いていた。障害が起きるたびに、両者は別々の道具を見ながらお互いを責め合っていた。
  • その原因を「同じ事実を見ていないこと」だと考え、開発と運用が同じ画面を見られるクラウドの監視サービスを作った。
  • クラウドの普及とともに成長し、2019年にナスダックに上場。監視からログ、セキュリティへと領域を広げている。

Datadogは、クラウドで動くシステムやアプリケーションの状態を監視するサービスの会社です。サーバー、データベース、アプリケーション、ログなどを一つの画面で見られるようにします。

この会社の出発点は、技術の課題というより人と組織の課題でした。2つのチームの「仲の悪さ」を製品にした来歴を追います。

FOUNDED2010ニューヨークで創業
IPO2019ナスダックに上場
REVENUE34.3億ドル売上(2025年)
PEOPLE約8,100人社員数(2025年)

Chapter 01|前史パリで出会い、​ニューヨークで9年

オリビエ・ポメルとアレクシ・レ=コックは、フランスの理工系の名門エコール・サントラル・パリの学生時代に出会いました。2人はのちにニューヨークに渡り、教育向けのデータシステムを作るワイヤレス・ジェネレーションで、9年間ともに働きます。

ポメルは技術担当の副社長として開発チームを率い、数人から約100人の組織に育てました。レ=コックは、システムを止めずに動かす運用チームを率いていました。同じ会社で、2人は隣り合う2つのチームのトップだったのです。

創業
2010年、ニューヨーク
創業者
オリビエ・ポメル(開発出身・CEO)、アレクシ・レ=コック(運用出身・CTO)
出会い
エコール・サントラル・パリの学生時代
上場
2019年9月、ナスダック

Chapter 02|着想2つのチームは、​なぜ仲が悪いのか

ワイヤレス・ジェネレーションで、2人は一つの問題を毎日のように目にしていました。開発チームと運用チームの仲が悪いのです。開発は新しいコードを次々に出し、運用はシステムが止まると開発のせいにする。障害のたびに、両者は責任を押しつけ合いました。

2人は、その根本の原因を「同じ事実を見ていないこと」だと考えました。開発と運用は、それぞれ別の監視の道具を使っていて、お互いの見ている画面がつながっていなかったのです。

2010年、ワイヤレス・ジェネレーションがニューズ・コーポレーションに買収されたのを機に、2人は独立します。開発と運用が同じ画面を見て、同じ事実にもとづいて話せる道具。それを作るために、ニューヨークの小さな部屋でDatadogを始めました。社名は、前職の社内でデータベースにつけられていた呼び名に由来するといわれます。

対立の原因は、人の性格ではなく、見ている事実がばらばらなことにある。
同じ画面を見せれば、議論は責め合いから問題解決に変わる。

Chapter 03|仕組みクラウドの時代の、​監視

当時の監視ツールの多くは、自社のサーバーに導入して使う、重くて高価なものでした。Datadogは、クラウドで使えるサービスとして、すぐに導入でき、すぐに使えることを重視しました。

ちょうど企業のシステムがクラウドに移り始めた時期でした。システムが細かく分かれ、数も変化も増えるほど、全体を一つの画面で見る必要が高まります。Datadogは、アマゾンやマイクロソフト、グーグルのクラウドなど、さまざまな環境とつながる仕組みを増やしながら成長しました。

開発チーム運用チームDatadogで変わること
関心新しい機能を早く出すシステムを止めない同じ指標を見て判断する
見ていた画面開発用の道具運用用の監視一つの共通の画面
障害のとき運用のせいにする開発のせいにする事実にもとづいて原因を探す

Chapter 04|年表Datadogの​歩み

2010ニューヨークで創業オリビエ・ポメルとアレクシ・レ=コック
2012最初の監視製品を公開
2015パリに研究開発拠点を開設
2017〜2018アプリケーション監視・ログ管理へ監視の領域を広げる
2019.09ナスダックに上場
2020〜セキュリティへ広げる
2023生成AIを使った機能を公開

Chapter 05|成長一つの画面を、​広げていく

Datadogは、サーバーの監視から始めて、アプリケーションの性能、ログ、セキュリティへと製品を広げていきました。「一つの画面で見る」という考え方を、扱う範囲ごと大きくしていったのです。

2019年9月、同社はナスダックに上場します。上場の直前には大手IT企業から買収の打診があったと報じられましたが、創業者たちは独立を選びました。2人は今もCEOとCTOとして会社を率いています。

「開発と運用の対立」は、のちにDevOps(デブオプス)という言葉とともに、ソフトウェア業界全体の課題として広く語られるようになりました。Datadogは、その課題を道具の側から解いた会社の一つです。

Chapter 06|広げ方小さく入り、​大きく広げる

Datadogの成長を支えたのは、導入の手軽さでした。エンジニアが自分で試し、すぐに効果を確かめられる。そこから同じ会社の別のチーム、別のシステムへと使う範囲が広がっていきます。営業が上から売り込むのではなく、現場のエンジニアが入口になる売り方です。

PLATFORM|複数の製品を使う顧客の割合(2025年末)
2製品以上を使う84%
4製品以上を使う55%
6製品以上を使う33%
8製品以上を使う18%
10製品以上を使う9%

出所:Datadog 2025年第4四半期の決算説明。いずれも前年より上昇。小さく入った顧客が、使う製品を増やしていく様子がわかる。

もう一つの武器が、つながる先の多さです。主要なクラウド、データベース、開発ツールなど、500を超える製品と標準でつながる仕組みを用意してきました。どんな環境を使っていても、すぐに一つの画面にまとめられる。これが「一つの画面で見る」という約束を支えています。

段階顧客の中で起きること
入口一つのチームがサーバーの監視を試す
拡大他のチームやシステムにも広がる
深化アプリケーション監視、ログ、セキュリティも使い始める
定着開発・運用・セキュリティの共通の画面になる
最初の一歩をとことん軽くする。
広がるかどうかは、その後の価値が決める。

Chapter 07|数字売上34億ドル、​社員8,100人

34.3億ドル売上(2025年)
約8,100人社員数(2025年)
2019年ナスダックに上場

出所:Datadogの年次報告・公開資料。数値は公表時点のもの。

REVENUE|売上の推移
20193.6億ドル
20206.0億ドル
202110.3億ドル
202216.8億ドル
202321.3億ドル
202426.8億ドル
202534.3億ドル

出所:Datadog 年次報告。上場の年から6年で約9倍。

2025年の売上は34億ドルを超え、社員は約8,100人になりました。ニューヨークの小さな部屋から始まった会社が、15年でここまで広がっています。2015年にはパリに研究開発の拠点を置き、創業者たちの出身地との縁も保っています。

市場の変化も追い風でした。システムがクラウドに移り、小さな部品の組み合わせで作られるようになるほど、全体を見渡すことの難しさと価値が増していきます。複雑になるほど必要とされる道具を作った、という点に、この会社の強さがあります。

Chapter 08|競争監視の市場を、​めぐる争い

Datadogが切り開いた「監視」の市場には、多くの会社が参入しています。データ基盤のSnowflakeも、直近で監視の会社を買収してこの領域に入りました。データを保管する側と、システムを見張る側の境目は、AIの時代に少しずつなくなりつつあります。

48%FORTUNE 500フォーチュン500の採用率米大企業500社のうち約半数が顧客(2025年12月)
90%OF ARR大口顧客の売上比率年10万ドル超を払う約4,310社が、経常収益の約9割

出所:Datadog 2025年の年次報告・決算説明。

それでもDatadogが強みを保っているのは、開発・運用・セキュリティのチームが毎日開く画面になっているからです。一度チームの共通の言葉になった道具は、簡単には置き換わりません。創業の動機だった「チームの間をつなぐ」ことが、そのまま競争の土台になっています。

Chapter 09|実務候補者に、​この来歴をどう語るか

インフラ・SRE・運用エンジニアに

TALK SCRIPT

「Datadogは、開発と運用がお互いを責め合う状況を、同じ画面を見られる道具で解いた会社です。技術だけでなく、チームの間をつなぐ役割に関心がある人に向いています。」

運用やSRE(サイト信頼性エンジニアリング)の経験を持つ候補者には、チームの間の摩擦を減らした経験が評価されやすいことを伝えられます。

面接で語りたい経験

  • 見える化:散らばった情報を一つにまとめ、判断を早くした経験。
  • 対立の解消:別々の目標を持つチームを、共通の指標でつないだ経験。
  • 障害対応:責任の押しつけ合いではなく、事実にもとづいて原因を探した経験。

こうした経験は、エンジニア以外の職種でも使えます。異なる立場の人に、同じ事実を見せることは、エージェントが候補者と企業の間に立つときにも大切な考え方です。

FOR AGENTS
この物語を、面談でどう使うか
01対立を事実でほどく障害のたびに責め合った経験を、共通の指標でつないだ経験として語れるか。SREや運用職の面接で強い材料になる。
02入口は現場から上から売り込むのではなく、使う人が広げる売り方。SaaSの営業職を志望する候補者に、買い手の構造を説明する例になる。
03エージェント自身の仕事にも候補者と企業が別々の事実を見ていないか。同じ求人票・同じ評価軸を両者に見せることが、すれ違いを防ぐ。
KEY POINTS
この記事のポイント
1着想仲の悪い2つのチーム前職で開発と運用のチームを率いていた2人が、両者の対立の原因を「同じ事実を見ていないこと」だと考えた。
2仕組み一つの画面で見る開発と運用が同じ画面を見られるクラウドの監視サービスを作り、クラウドの普及とともに成長した。
3成長監視からセキュリティへ「一つの画面」の考え方を、ログやセキュリティまで広げ、2019年に上場した。

よくある質問

Q
Datadogはどんな会社ですか?
A
クラウドで動くシステムやアプリケーションの状態を監視するサービスの会社です。サーバー、アプリケーション、ログ、セキュリティなどを一つの画面で見られるようにします。
Q
創業者は誰ですか?
A
オリビエ・ポメルとアレクシ・レ=コックです。フランスのエコール・サントラル・パリで出会い、ニューヨークのワイヤレス・ジェネレーションで9年間ともに働いたのち、2010年に創業しました。
Q
創業のきっかけは?
A
前職で開発チームと運用チームが別々の道具を見ながら障害のたびに責め合っていたことから、両者が同じ事実を見られる道具が必要だと考えたことです。
Q
上場はいつですか?
A
2019年9月にナスダックに上場しました。
Q
どんな候補者に向きますか?
A
インフラ、SRE、運用などの経験を持ち、チームの間をつなぐ役割に関心がある候補者に向いています。
まとめ

Datadogは2010年、前職でそれぞれ開発と運用のチームを率いていたオリビエ・ポメルとアレクシ・レ=コックが、両者の対立の原因を「同じ事実を見ていないこと」だと考えて創業した会社である。開発と運用が同じ画面を見られるクラウドの監視サービスを作り、クラウドの普及とともに監視からログ、セキュリティへと広がって、2019年に上場した。

この記事の情報源

  • Datadogの公開資料・年次報告書
  • 創業者の公開プロフィール・インタビュー(Forbesほか)
  • 同社の沿革をまとめた公開資料
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.30
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