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Column

内定承諾から入社日までの「空白期間」が一番危ない。​転職エージェントが​承諾後にやるべきこと

コラム 2026.09.29
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島田 龍太THE AGENT編集長 / 株式会社Sync Ascent 代表取締役

商社を経て、創業期の株式会社アサイン…でマーケティング部門の立ち上げと、創業者直下でのエージェント業務を経験。続く人材紹介会社ではコンサル支援事業部の立ち上げを担い、事業部統括及び両面型エージェントとして年間売上No.1・年間1億円以上を達成。大手スカウト媒体で最高位のSランク認定。累計で数千名のキャリア支援に携わる。

この記事は、現場での経験をもとに書いています。プロフィールと編集方針

この記事の要点
  • エージェントにとって一番危ないのは、内定承諾から入社日までの「空白期間」。中途採用では1〜3か月空くことも珍しくない。
  • 候補者の不安は、選考中ではなく承諾した後に大きくなる。その時期に、現職・他社・家族からの働きかけが集中する。
  • 承諾は「クロージング」ではない。承諾の直後・退職交渉・入社日までの3つの場面で、エージェントが伴走し続けることが、承諾後の辞退を防ぐ。

「承諾いただけました。ありがとうございます!」

候補者から内定承諾の連絡をもらった瞬間。数か月の支援がようやく実を結び、企業にも報告を入れる。エージェントとして、一番ほっとする場面かもしれません。私自身も、何度もこの瞬間を経験してきました。

ただ、多くの転職を見届けてきた立場から、あえて言わせてください。エージェントの仕事で一番危ないのは、内定承諾から入社日までの「空白期間」です。

中途採用では、承諾から入社まで1〜3か月ほど空くことが珍しくありません。そしてこの期間に、承諾したはずの候補者の心は、静かに揺れています。承諾をゴールだと思って連絡の間隔を空けたエージェントほど、入社直前の辞退の連絡に驚くことになります。

承諾した瞬間から、​「不安」が始まる

意外に思われるかもしれませんが、候補者の不安が最も大きくなるのは、選考中ではありません。承諾した後です。

大きな決断のあとに「本当にこの選択で良かったのか」と感じる心の動きを、心理学では認知的不協和と呼びます。高い買い物をしたあとに、ほかの商品のレビューをつい見てしまう。あの感覚です。承諾ボタンを押したその夜から、候補者の頭にはこんな問いがよぎり始めます。

  • 本当に、この会社で良かったのか
  • 今の会社に残る道も、あったのではないか
  • 入社してから、うまくやれるだろうか

そしてこの揺れは、優秀な人ほど大きいものです。選択肢が多い人ほど、「選ばなかった道」も魅力的だからです。つまり、エージェントが一番大切に支援してきた候補者ほど、承諾後に揺れやすいということです。

空白期間に、​外から何が起きるか

揺れているこの期間に、外からの働きかけが集中します。

FIG.1空白期間に集中する3つの働きかけ
01現職からのカウンターオファー

退職を伝えた瞬間から、本気の引き留めが始まる。昇給、昇格、異動の提案。これまで聞けなかった「ずっと期待していた」という言葉。

02他社・他エージェントからの声

転職市場に出た優秀な人の情報は、想像以上に早く広がる。「まだ入社前なら」と、より良い条件の話が届くこともある。

03家族や友人のひと言

「そのベンチャー、大丈夫なの?」。身近な人の何気ない言葉が、揺れている気持ちを大きくする。

どれも、候補者が「選ばなかった道」を思い出させる力を持っている。
FIG.2選考中と空白期間の情報の偏り
選考中
自社からの情報外部
承諾〜入社
外部からの情報(現職・他社・家族)
情報の割合→
イメージ図。空白期間は、エージェントと企業からの情報が減る一方で、外部からの情報が最大になる。

選考中は、エージェントと候補者は毎週のように話しています。ところが承諾した途端、連絡が「入社書類の件」だけになる。エージェントからの声が消えた場所を、外からの声が埋めていくのです。

承諾の後、エージェントの連絡が減ったぶんだけ、
現職と他社の声が、候補者に届きやすくなる。

エージェントが​承諾後にやるべき​3つのこと

FIG.3承諾から入社日までのエージェントの3つの場面
01承諾の直後

「おめでとうございます」で終わらせない。これから気持ちが揺れるのは自然なことだと、先に伝えておく。

02退職交渉の前後

引き留めの言葉を事前に共有し、交渉の日程と伝え方を一緒に決める。交渉の翌日には必ず連絡する。

03入社日まで

企業に入社前の接点づくりを提案し、候補者と企業の橋渡しを続ける。入社日の朝に一言送る。

どの場面でも、連絡の目的は「手続き」ではなく「気持ちの接点を保つこと」。

① 承諾の直後|揺れることを、先に伝えておく

承諾をもらったら、「おめでとうございます」で終わらせずに、これから気持ちが揺れるのは自然なことだと先に伝えておきます。揺れたときに「自分だけがおかしいのでは」と一人で抱え込まず、エージェントに相談してもらうためです。

承諾の直後に伝える一言

「承諾、本当におめでとうございます。ひとつだけお伝えさせてください。大きな決断のあとは、『本当にこれで良かったのかな』と迷うのが自然です。今の会社から引き留められることもあると思います。もし気持ちが揺れたら、どんな小さなことでも、まず私に話してください。」

② 退職交渉の前後|一人で戦わせない

候補者にとって、承諾後の最大の関門は「今の会社に退職を切り出すこと」です。引き留めに気持ちが揺れる。強い慰留にあって疲れてしまう。退職日が延びて、入社日が危うくなる。ここで、候補者を一人で戦わせてはいけません。

タイミングエージェントがやること
退職を伝える前よくある引き留めの言葉(昇給・昇格・異動の提案)を事前に共有し、伝える日程と伝え方を一緒に決める
退職を伝えた当日・翌日必ず連絡して、どんな話があったかを聞く。揺れていれば、転職を決めた理由に一緒に立ち返る
退職日の調整入社日に影響しそうなら、早めに企業と調整する。候補者と企業の間に立って、無理のない日程をつくる

カウンターオファーへの向き合い方はカウンターオファーへの対応でも扱っています。

③ 入社日まで|企業との橋渡しを続ける

承諾後の辞退がほとんど起きない企業は、この期間を「入社前オンボーディング」として設計しています。エージェントは、企業にこうした接点づくりを提案する立場にいます。

  • 配属先の上司やメンバーとの食事会を、企業に提案する
  • 社内イベントやキックオフへの招待を、企業に相談する
  • 「入社までに読んでおくと良い資料」の共有を、企業にお願いする
  • 候補者への連絡の間隔を、2週間以上空けない
  • 入社日の朝に「いってらっしゃい」の一言を送る

ポイントは、情報を渡すことではありません。「あなたを待っている」という気持ちを、途切れさせないことです。企業からの声と、エージェントからの声。その両方が届いている候補者は、外からの声に揺らぎにくくなります。

空白期間は、​エージェントの​腕の見せどころ

承諾後の辞退は、企業との信頼を大きく損ないます。返金規定のある契約なら売上にも響きますし、何より「このエージェントの紹介なら安心だ」という評価を失います。一方で、空白期間をきちんと伴走したエージェントは、企業からも候補者からも深く信頼されます。

入社前にチームとの関係ができている候補者は、初日から「はじめまして」がいりません。入社後の立ち上がりが早くなり、定着にもつながります。オンボーディングは、入社日からではなく、承諾日から始まっているのです。

承諾は、​「クロージング」ではない

私は、内定承諾を「クロージング」とは呼びたくないと考えています。承諾は契約の成立ではなく、信頼関係のスタートだからです。

エージェントをしていた頃、入社日を迎えた候補者の方から「今日から頑張ってきます」と連絡をいただく瞬間が、何よりもうれしいものでした。その連絡が来るかどうかは、承諾後の数か月をどう過ごしてもらえたかで決まっていたように思います。

エージェントの仕事の最後の詰めは、口説くことではありません。待つ間も、想い続けることです。

FOR AGENTS
このナレッジを、面談でどう使うか
01承諾を「スタート」と捉える承諾後こそ候補者の不安は大きくなる。連絡の間隔を空けない。
02揺れを先回りする承諾の直後に「揺れて当然」と伝え、退職交渉の前に引き留めの言葉を共有する。
03企業との橋渡しを続ける入社前の接点づくりを企業に提案し、入社日まで伴走する。

よくある質問

Q
内定承諾後に辞退されるのはなぜですか?
A
大きな決断のあとに「本当に良かったのか」と揺れる心の動き(認知的不協和)に加え、承諾から入社までの期間に、現職のカウンターオファー、他社からの声、家族の意見など外からの働きかけが集中するためです。
Q
エージェントは承諾後に何をすればいいですか?
A
承諾の直後に「気持ちが揺れるのは自然」と伝えること、退職交渉の前後に伴走すること、入社日まで企業との橋渡しを続けることの3つです。連絡の間隔は2週間以上空けないのが目安です。
Q
カウンターオファーにはどう備えればいいですか?
A
退職を伝える前に、よくある引き留めの言葉を候補者と共有しておきます。伝えた当日か翌日には必ず連絡し、揺れていれば転職を決めた理由に一緒に立ち返ります。
まとめ

内定承諾は、ゴールではない。承諾後こそ候補者の不安は大きくなり、その時期に外からの働きかけが集中する。エージェントは、承諾の直後・退職交渉・入社日までの3つの場面で伴走し続け、企業との橋渡しを続ける。空白を放置しないエージェントが、候補者からも企業からも選ばれ続ける。

本記事は、筆者のnote「内定承諾から入社日までの「空白期間」が一番危ない。」(2026年7月14日、企業の採用担当者向け)を、転職エージェント向けに書き直したものです。

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記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.29
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