この記事の要点
- ギークスは2007年、ネット企業クルーズ(旧ウェブドゥジャパン)の100%子会社として設立された。
- 設立したのは、クルーズの共同創業者で副社長だった曽根原稔人氏。目的は日本にフリーランスという働き方を広めることだった。
- 2009年にMBOでクルーズから独立。ITフリーランスと企業をつなぐ「ギークスジョブ」を主力に育てた。
- 2019年に東証マザーズ上場、2020年に東証一部へ。フリーランスが「普通の働き方」になる前から市場を作ってきた。
ギークスは、ITエンジニアなどのフリーランスと、人手不足に悩む企業をつなぐ会社です。ITフリーランス専門のエージェントとして国内最大級の規模を持ちます。
今でこそ「フリーランス」は一般的な言葉ですが、同社が始めた2007年当時はまだ珍しい働き方でした。市場がないところに市場を作った来歴を追います。
Chapter 01|前史クルーズの共同創業者として
曽根原稔人氏は、ホテル業界や不動産業界を経て、2001年に小渕宏二氏とともにウェブドゥジャパン(現クルーズ)を共同で設立しました。副社長として事業を牽引し、同社は設立から6年で上場を果たします。
クルーズでは、2002年からテクニカルアウトソーシングの事業を始めていました。IT企業にエンジニアを送り、開発を支援する事業です。これが、のちのギークスの主力事業の源流になります。
経歴
ホテル業界・不動産業界 → 2001年ウェブドゥジャパン(現クルーズ)を共同設立
クルーズ
副社長として上場を実現
ギークス
2007年に設立、社長に
独立
2009年、MBOでクルーズから
Chapter 02|創業2007年、フリーランスを広めるために
2007年、曽根原氏はクルーズの100%子会社として、ベインキャリージャパン(現ギークス)を設立し、社長に就任します。掲げた目的は、日本にフリーランスという新しい働き方を普及させることでした。
当時、ITエンジニアの多くは企業に雇われて働いていました。独立して案件ごとに仕事を受けるフリーランスは少数派で、営業や契約、税金の手続きをすべて自分でこなさなければならないという負担もありました。
一方で企業の側は、エンジニア不足に悩んでいました。社員として採用して抱え込むのが難しいなら、必要なスキルを持つ人を、必要な期間だけ活用すればいい。ギークスは、フリーランスと企業の間に立つことで、この両方の課題に応えようとしました。
人材を「採用する」だけでなく、「活用する」という考え方を企業に提案する。
フリーランスの市場は、その発想の転換から始まった。
Chapter 03|独立2009年、MBOで外に出る
2009年4月、ギークスはMBO(経営陣による買収)でクルーズから独立します。親会社の事業の一部として始まった会社が、経営陣の手で独立した会社になりました。
同じようにMBOで親会社から独立した会社には、じげんがあります。大きな会社の中で始め、育ったところで外に出るという道は、ネット企業の世界では珍しくありません。
Chapter 04|仕組みフリーランスの、手間を引き受ける
ギークスの主力は、ITフリーランス専門のエージェントサービス「ギークスジョブ」です。仕組みの特徴は、企業との契約をギークスが結び、ギークスからフリーランスに業務委託料を支払う点にあります。
| フリーランスが自分で受ける場合 | ギークスを通す場合 |
|---|
| 案件探し | 自分で営業する | ギークスが案件を紹介 |
|---|
| 契約 | 企業ごとに自分で結ぶ | ギークスが企業と契約 |
|---|
| 支払い | 企業ごとに請求・回収 | ギークスから支払われる |
|---|
| その他 | すべて自己責任 | 契約内容の確認や福利厚生の支援も |
|---|
エンジニアには一度オフィスに来てもらい、使える言語や経験を丁寧に聞き取ってから案件を紹介する。ミスマッチを減らすための手間を惜しまないことが、企業の信頼にもつながっています。確定申告のセミナーや健康診断の割引など、フリーランス向けの福利厚生の仕組みも用意しています。
Chapter 05|年表ギークスの歩み
2001ウェブドゥジャパン(現クルーズ)を共同設立曽根原稔人氏と小渕宏二氏
2002テクニカルアウトソーシング事業を開始現在のIT人材事業の源流
2007クルーズの子会社としてギークスの前身を設立フリーランスを広めることを目的に
2009.04MBOでクルーズから独立
2019.03東証マザーズに上場
2020.04東証一部に市場変更
2022〜スタンダード市場へIT人材育成、ゲーム、動画などの事業も
Chapter 06|現在地「採用」から、「活用」へ
IT人材の不足は年々深刻になっています。曽根原氏は、企業がこれまでのように社員として採用して囲い込むことは難しくなり、時代は変わりつつあると語っています。フリーランスの活用は、その答えの一つです。
同社はIT人材の事業に加えて、フィリピン・セブ島でプログラミングと英語を学べる留学プログラムなど、IT人材の育成にも取り組んでいます。人材を「つなぐ」だけでなく「増やす」側にも回ろうとしています。
Chapter 07|実務候補者に、この来歴をどう語るか
フリーランスを考えるエンジニアに
TALK SCRIPT
「フリーランスは自由な働き方ですが、営業や契約、税金の手続きまで自分でこなす必要があります。ギークスのようなエージェントを通すと、その負担を減らしながら案件を選べます。正社員として転職するか、独立するかを並べて考えてみましょう。」
転職相談に来たエンジニアの中には、フリーランスという選択肢も迷っている人がいます。正社員の転職だけを勧めるのではなく、両方の長所と短所を並べて整理できるエージェントは信頼されます。
比べるときの論点
- 収入の安定:案件が途切れたときの収入の見通し。
- キャリアの積み方:案件ごとに技術を選べる反面、マネジメント経験は積みにくいことも。
- 保障と手続き:社会保険、税金、契約の管理を誰が担うか。
KEY POINTS
この記事のポイント
1創業フリーランスを広めるためにクルーズの共同創業者だった曽根原稔人氏が2007年に子会社として設立し、2009年にMBOで独立した。
2仕組み手間を引き受ける企業との契約と支払いをギークスが担い、フリーランスの営業・契約・請求の負担を引き受ける。
3現在地採用から活用へIT人材不足のなかで「採用」だけでなく「活用」を企業に提案し、2019年に上場した。
よくある質問
AITエンジニアなどのフリーランスと企業をつなぐ会社で、ITフリーランス専門のエージェント「ギークスジョブ」を運営しています。IT人材の育成、ゲーム、動画などの事業も手がけています。
A2007年、ネット企業クルーズの共同創業者だった曽根原稔人氏が、フリーランスという働き方を広めるため同社の子会社として設立し、2009年にMBOで独立しました。
Aギークスが企業と契約を結び、フリーランスに業務委託料を支払うため、フリーランスは企業ごとの契約や請求の手続きから解放されます。
A2019年3月に東証マザーズに上場し、2020年4月に東証一部に市場を変更しました。現在はスタンダード市場に属しています。
A正社員としての転職だけでなく、フリーランスとして案件ごとに働く道も検討しているITエンジニアに向いています。
まとめ
ギークスは2007年、クルーズの共同創業者だった曽根原稔人氏が、日本にフリーランスという働き方を広めるために設立し、2009年にMBOで独立した会社である。企業との契約と支払いを引き受けることでフリーランスの負担を減らし、IT人材の不足に悩む企業に「採用」だけでなく「活用」を提案してきた。2019年に上場している。
この記事の情報源
- ギークス 有価証券報告書・会社情報
- 創業者・曽根原稔人氏の公開インタビュー(日本経済新聞、新R25ほか)
- M&Aクラウドなどの企業紹介
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営:
株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.25
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