この記事の要点
- hacomonoは、業務システムの技術者だった蓮田健一氏が、震災で父の会社を継ぎ介護の現場で予防の価値に気づいたことから2013年に創業した会社である。受託開発の中から何度も求められるものを見つけて製品にし、1万2,000店舗超が使うウェルネス産業の基盤に育てた。
- 「日本の業務システムはダサい」
- 震災、父の会社、そして予防
- 受託の中から、製品を見つける
- ウェルネスの、インフラへ
- 100店舗から、1万2,000店舗へ
hacomono(はこもの)は、フィットネスクラブやヨガスタジオの入会・予約・決済・会員管理をまとめて担うソフトウェアを作る会社です。
創業者の蓮田健一氏は、業務システムを作ってきた技術者でした。東日本大震災で傾いた父の会社を継ぎ、介護の現場に関わる中で「病気になる前の予防」の大切さに気づく。遠回りの末に生まれた製品は、1万2,000を超える店舗で使われています。
Founded2013年7月受託開発の会社として
Stores1万2,000超導入店舗(2026年4月)
Funding累計120億円これまでの調達額
AT A GLANCE
ひと目でわかる
TURNING POINT
2019.03
「hacomono」をリリース
TODAY
2025.01
シリーズDで46億円を調達
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。
Chapter 01年表|hacomonoの歩み
TIMELINE
hacomonoの歩み
HISTORY ─ 創業から現在まで
2011
震災で傾いた父の会社を継ぐ介護事業に関わる
2016
暗闇フィットネスの予約・決済を開発製品の原型が生まれる
2019.03
「hacomono」をリリース1年で導入100店舗を超える
2021.01
社名をhacomonoに変更製品名を社名に
2025.01
シリーズDで46億円を調達累計の調達は120億円に
公式発表・報道・経営者インタビューなどの公開情報で確認できたもの。
Chapter 02原点|「日本の業務システムはダサい」
蓮田健一氏は、青山学院大学の体育会サッカー部の出身です。ソフトウェア会社のエイトレッドで開発の責任者として、社内の申請や承認を電子化するワークフロー製品を生み出し、国内シェア1位に育てました。
そのときの原動力は、日本の業務システムはダサい、使って心地よいものを作りたいという思いでした。手触りのある画面の作りにこだわる姿勢は、今の製品にも受け継がれています。
Chapter 03遠回り|震災、父の会社、そして予防
2011年、東日本大震災で父の会社の経営が傾きます。蓮田氏はその会社を継ぎ、介護の事業に関わることになりました。
介護の現場で気づいたのは、病気になる前の予防の大切さです。体を動かす習慣が、介護や医療のその手前で人の人生を支える。そこからフィットネスの分野に目を向けます。
技術者として作ってきた経験と、介護の現場で見た現実。この二つが重なった場所が、フィットネスのデジタル化だった。hacomonoの出発点
2013年7月、蓮田氏は「まちいろ」を創業します。当初は受託開発が中心で、社名に製品の名前はまだありませんでした。
Chapter 04手探り|受託の中から、製品を見つける
転機は、ある案件で脱毛サロンの予約システムを作ったことでした。2016年には、話題の暗闇フィットネスジムの予約とキャッシュレス決済のシステムを手がけます。
そこから店舗の予約や事前注文の相談が次々と寄せられるようになりました。途中、日報とタスク管理のサービスを出して話題にはなったものの、収益にはつながらなかったこともあります。
そして2019年3月、それまでの経験を束ねた「hacomono」をリリースします。導入店舗は1年で100を超えました。受託の仕事の中から、何度も求められるものを見つけて製品にしたのです。
Chapter 05現在地|ウェルネスの、インフラへ
コロナ禍では、入会や予約、入館の手続きを非対面にできることが評価され、導入が一気に広がりました。2021年1月には社名をhacomonoに改めます。
導入は2026年4月時点で1万2,000店舗を超え、フィットネスクラブやヨガ・ピラティスのスタジオから、子どもの運動スクール、プロのスポーツチーム、公共施設にまで広がっています。資金調達は累計120億円に達しました。
介護や医療の手前にある健康と運動の市場は大きく伸びると見込まれています。震災で父の会社を継いだ技術者が見た「予防」の価値が、今、産業の仕組みになろうとしています。
Chapter 06成長|100店舗から、1万2,000店舗へ
STORES
導入店舗数の推移
同社の発表と報道による。2020年は、リリースから約1年、約1年半の時点。
2019年3月のリリースから約1年で100店舗、1年半で200店舗。コロナ禍で入会や予約、入館を非対面にしたいという需要が重なり、導入は半年で2倍に伸びた時期もありました。
そして2026年には1万2,000店舗、さらに1万3,000店舗を超えています。フィットネスやヨガのスタジオにとどまらず、子どもの運動スクール、学校の部活動、プロのスポーツチーム、公共施設やアリーナにまで広がりました。業界の中で6割を超えるシェアを持つとも報じられています。
Chapter 07資金と組織|累計120億円と、経営の厚み
FUNDING
資金調達の推移(億円)
同社の発表による。累計の調達は約120億円。
2020年8月の1億円から、シリーズDの46億円まで。調達は回を追うごとに大きくなり、累計は約120億円に達しました。
経営陣には、戦略コンサルと大手ネット企業の執行役員を経たCOO、外資系の投資銀行で株式の資金調達を担ってきたCFOが加わっています。技術者の創業者が作った製品を、経営の専門家が事業として大きくする体制です。
こだわりは今も製品の細部にあります。たとえば会員のクレジットカードの期限が切れて月謝が引き落とせないとき、システムが自動で知らせ、会員が直せば自動で引き落とし直す。現場のスタッフが手を動かさなくていい瞬間を、一つずつ増やしていく。「ダサい業務システムを変えたい」という原点は変わっていません。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
技術者の候補者と話すとき使って心地よい業務システムを作りたいという、明確なこだわりを持つ会社です。作り手の思いへの共感が志望動機になります。
受託開発の経験者に紹介するとき受託の仕事の中から繰り返し求められるものを見つけ、自社製品にしました。受託の経験の生かし方の一例です。
業界特化型のSaaSを説明するとき一つの業界に深く入り、入会から決済までまとめて担うことで、業界の標準になりつつあります。
KEY POINTS
この記事のポイント
1原点|「日本の業務システムはダサい」蓮田健一氏は、青山学院大学の体育会サッカー部の出身です。ソフトウェア会社のエイトレッドで開発の責任者として、社内の申請や承認を電子化するワークフロー製品を生み出し、国内シェア1位に育てました。
2遠回り|震災、父の会社、そして予防2011年、東日本大震災で父の会社の経営が傾きます。蓮田氏はその会社を継ぎ、介護の事業に関わることになりました。
3手探り|受託の中から、製品を見つける転機は、ある案件で脱毛サロンの予約システムを作ったことでした。2016年には、話題の暗闇フィットネスジムの予約とキャッシュレス決済のシステムを手がけます。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A蓮田健一氏です。ソフトウェア会社でワークフロー製品を国内シェア1位に育てた技術者で、2013年7月に「まちいろ」(現hacomono)を創業しました。
Aフィットネスクラブやヨガスタジオなど、ウェルネス・運動施設の入会・予約・決済・会員管理をまとめて担うソフトウェアを提供しています。
A震災で傾いた父の会社を継いで介護事業に関わる中で、病気になる前の予防の大切さに気づいたためです。
A導入店舗は2026年4月時点で1万2,000を超えています。
A導入店舗は2026年4月時点で1万2,000を超え、その後1万3,000を超えました。業界で6割を超えるシェアを持つとも報じられています。
A2020年8月の1億円から、2021年3月に5億円、2022年2月に20億円、2023年4月に38.5億円、2025年1月に46億円を調達し、累計は約120億円です。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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