この記事の要点
- INPEXは1966年、資源を持たない国が自ら権益を持つために設立された。探鉱の大半が空振りに終わる構造の中で長期の投資を続け、現在は脱炭素への移行に取り組んでいる。
- 掘っても、出ないことのほうが多い
- 国のために、掘る
- 脱炭素と、化石燃料
- 国と、企業の間
INPEXは、資源のない国が、自分で資源を探すために作った会社です。1966年、インドネシア沖での石油開発を目的に設立されました。
石油を輸入するだけでは、価格も供給も他国次第です。自分で権益を持つことで、その依存を減らそうとしてきました。
Founded1966年資源の自主開発
Projectイクシス日本主導の大型LNG
Odds低い探して出ない確率が高い
AT A GLANCE
ひと目でわかる
FOUNDED
1966
北スマトラ海洋石油資源開発を設立
TURNING POINT
2012
イクシスLNGプロジェクト
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。
Chapter 01年表INPEXの歩み
1966北スマトラ海洋石油資源開発を設立インドネシア沖での探鉱
1970年代〜各国での権益を取得中東・東南アジアなど
2006国際石油開発帝石として統合複数の開発会社が合流
2012イクシスLNGプロジェクト豪州での大型開発に着手
2018生産開始日本企業が主導する初の大型LNG
現在INPEXに社名変更脱炭素への対応も課題
Chapter 02構造掘っても、出ないことのほうが多い
石油やガスの探鉱は、大半が空振りに終わります。地質を調査し、巨額を投じて掘り、何も出ないことが普通です。
投じてから回収まで10年以上。その間に価格が変われば、採算の前提が崩れます。
失敗が前提の事業では、成功したときの1件で全体を回収する設計が要る。確率と規模の両方を見る必要がある。資源開発の構造
Chapter 03動機国のために、掘る
INPEXの設立には、エネルギー安全保障という動機がありました。資源を持たない国が、自分の権益を持つ。
これは採算だけでは説明できない判断です。買ったほうが安い局面でも、自分で持つことに意味があるという考え方。
日本製鉄の八幡、AGCの板ガラス、さくらインターネットの国産クラウド。依存を減らすための事業という系譜にあります。
Chapter 04現在脱炭素と、化石燃料
気候変動への対応が進む中、化石燃料の事業は長期の需要に不確実性を抱えています。
一方で、再生可能エネルギーだけで需要を賄える段階にはなく、天然ガスは移行期の燃料として位置づけられています。
INPEXは水素やアンモニア、CO2の回収・貯留にも投資しています。既存事業の技術を、次の燃料に応用するという転換です。
Chapter 05現在地国と、企業の間
INPEXには政府が一定の株式を保有し、拒否権を持つ仕組みがあります。完全な民間企業ではない。
三菱重工、日本郵政、東京電力と同じく、公的な性格を持つ企業です。候補者にこの種の企業を勧めるとき、意思決定に何が影響するかを伝える必要があります。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
公的な性格を持つ企業を勧めるとき意思決定に政策が影響します。何に制約されるかを伝えてください。
長期の事業を説明するとき投じてから回収まで10年以上かかる事業では、その間の前提の変化が最大のリスクです。
失敗が前提の事業を理解するとき成功した1件で全体を回収する設計が必要です。確率と規模の両方を見てください。
KEY POINTS
この記事のポイント
1構造掘っても、出ないことのほうが多い石油やガスの探鉱は、 大半が空振りに終わります 。地質を調査し、巨額を投じて掘り、何も出ないことが普通です。
2動機国のために、掘るINPEXの設立には、 エネルギー安全保障 という動機がありました。資源を持たない国が、自分の権益を持つ。
3現在脱炭素と、化石燃料気候変動への対応が進む中、化石燃料の事業は 長期の需要に不確実性 を抱えています。一方で、再生可能エネルギーだけで需要を賄える段階にはなく、 天然ガスは移行期の燃料 として位置づけられています。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
- 官公庁の統計・白書および調査機関の公表資料
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1966年、インドネシア沖での石油開発を目的に設立されました。資源の自主開発が動機です。
A探鉱の大半は空振りに終わり、投じてから回収まで10年以上かかります。その間に価格が変われば前提が崩れます。
A豪州での大型LNG開発で、日本企業が主導した初の大型案件です。2018年に生産を開始しました。
A水素やアンモニア、CO2の回収・貯留に投資しています。既存の技術を次の燃料に応用する転換です。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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