この記事の要点
- 日本製鉄は1901年の官営八幡製鐵所を源流とし、産業の土台として国が作った。分割と統合を繰り返しながら世界上位となり、量で勝てない中国勢に対して高付加価値鋼材で戦っている。
- なぜ、国が作ったのか
- 分割と統合を、繰り返す
- 量では、勝てない
- 重厚長大産業の、キャリア
日本製鉄は、国が作った製鉄所を源流とします。1901年に操業を開始した官営八幡製鐵所です。
造船も自動車も建築も、鉄がなければ作れません。産業の土台だから、国が作った。その後、分割と統合を繰り返しながら、世界上位の鉄鋼メーカーになっています。
Founded1901年国策として
History分割と統合産業構造に合わせて形を変える
Now高付加価値量では中国に勝てない
AT A GLANCE
ひと目でわかる
TURNING POINT
1970
新日本製鐵として再統合
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。
Chapter 01年表日本製鉄の歩み
1901官営八幡製鐵所が操業開始国策として。産業の土台を国が整備
1934日本製鐵が発足官民の製鉄会社を統合
1950財閥解体で分割八幡製鐵と富士製鐵に
1970新日本製鐵として再統合世界最大級の鉄鋼会社に
2012住友金属と合併新日鐵住金。2019年に日本製鉄へ
現在海外の買収も進める高付加価値鋼材に活路
Chapter 02起点なぜ、国が作ったのか
1901年当時、日本に近代的な製鉄所はありませんでした。鉄を輸入に頼る限り、あらゆる産業が外国に依存することになります。
民間には、製鉄所を作る資本も技術もない。だから国が作った。産業の土台は、採算だけでは作れないという判断です。
AGCの板ガラス、ブリヂストンのタイヤ、INPEXの石油開発。国産化という動機で生まれた事業の系譜にあります。
Chapter 03構造分割と統合を、繰り返す
日本製鉄の歴史は、組織の形が何度も変わった歴史です。
組織の形は、産業の構造と政策に合わせて変わります。分割も統合も、その時点の合理性に基づく判断です。
Chapter 04現在量では、勝てない
中国の鉄鋼生産量は世界の半分を超えます。量と価格で戦えば、勝ち目はない。
日本製鉄が進めているのは、自動車用の高張力鋼板など高付加価値の鋼材への集中です。同じ鉄でも、作れる会社が限られる製品に絞る。
量で勝てない相手がいるとき、量で戦わない領域を見つけるしかない。成熟産業での競争
マツダ、SUBARU、大和証券。規模で戦わない選択は、素材産業にもあります。
Chapter 05現在地重厚長大産業の、キャリア
製鉄所は24時間動き続けます。高炉は止められず、交代勤務が前提の職場です。働き方が設備の性質に規定される。
候補者にこの業界を勧めるとき、勤務地(製鉄所は地方が多い)と勤務形態は必ず確認させてください。技術系の職種ほど、この制約が強くなります。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
重厚長大産業を勧めるとき勤務地と勤務形態を必ず確認させてください。設備の性質が働き方を規定します。
成熟産業を説明するとき量で勝てない相手がいる場合、量で戦わない領域を見つけているかを確認してください。
組織再編の歴史を見るとき分割も統合もその時点の合理性に基づきます。現在の形がなぜそうなったかを理解してください。
KEY POINTS
この記事のポイント
1起点なぜ、国が作ったのか1901年当時、日本に近代的な製鉄所はありませんでした。鉄を輸入に頼る限り、 あらゆる産業が外国に依存する ことになります。
2構造分割と統合を、繰り返す日本製鉄の歴史は、組織の形が何度も変わった歴史です。時期 何が起きたか 理由 1934 官民を統合 規模の確保 1950 2社に分割 財閥解体・独占の排除 1970 再統合 国際競争力の確保 2012 住友金属と合併 中国勢への対抗 組織の形は、産業の構造と政策に合わせて変わります 。
3現在量では、勝てない中国の鉄鋼生産量は世界の半分を超えます。量と価格で戦えば、勝ち目はない 。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1901年に操業を開始した官営八幡製鐵所です。産業の土台である鉄を国内で作るため国策として設立されました。
A1950年は財閥解体、1970年は国際競争力の確保、2012年は中国勢への対抗と、その時点の産業構造と政策に合わせた判断です。
A量と価格では勝てないため、自動車用の高張力鋼板など高付加価値の鋼材に集中しています。
A高炉は止められないため24時間稼働で交代勤務が前提です。勤務地も地方の製鉄所が中心になります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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