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Founding Story

マンパワーグループの創業ストーリー弁護士2人の「困った」が、人材派遣を生んだ

創業ストーリー 2026.09.20
この記事の要点
  • マンパワーは1948年、米ウィスコンシン州ミルウォーキーの弁護士エルマー・ウィンターとアーロン・シャインフェルドが始めた。
  • きっかけは、締め切り前に秘書が休暇を取り、臨時のタイピストをどこからも借りられなかったという自分たちの困りごとだった。
  • 1966年、米国マンパワーの7番目の進出国として日本法人を設立。日本初の人材派遣会社で、労働者派遣法の施行(1986年)より20年早い。
  • 現在は米国の親会社がアデコ、ランスタッドと並ぶ人材サービス世界大手の一角で、日本法人は派遣・紹介・IT・キャリア支援まで手がける。

マンパワーは、「人材派遣」という仕組みそのものを作った会社の一つとされます。日本でも、派遣が法律で認められるずっと前から事業を始めていました。

今では当たり前になった「必要なときに、必要な人を」という働き方は、どこから来たのか。2人の弁護士の小さな困りごとから、世界規模の人材サービスになるまでを追います。

Chapter 01|創業締め切り前に、​タイピストがいない

1948年、ミルウォーキーで法律事務所を営んでいた弁護士のエルマー・ウィンターとアーロン・シャインフェルドは、締め切りの迫った仕事を抱えていました。ところが秘書が休暇を取ってしまい、急いでタイピストが必要になります。

2人はいくつもの会社に「タイピストを貸してもらえないか」と頼みましたが、どこも対応できませんでした。この経験から、2人は「一時的な業務の支援を必要とする市場がある」と確信し、事業を始めます。これがマンパワーの出発点です。

解くべき課題は、自分が本当に困ったことの中にある。
人材業界の多くの会社と同じく、事業は目の前の不便から始まった。
創業
1948年
創業地
米国ウィスコンシン州ミルウォーキー
創業者
エルマー・ウィンター、アーロン・シャインフェルド(ともに弁護士)
きっかけ
臨時のタイピストが見つからなかった経験

Chapter 02|概念「必要なときだけ」という​働き方

当時、働くとは一つの会社に所属することでした。期間や業務を区切って、別の会社の仕事を手伝うという考え方は一般的ではありません。

マンパワーが広げたのは、企業にとっては「必要なときだけ人を確保できる」、働き手にとっては「自分の都合に合わせて働ける」という仕組みです。第二次世界大戦後の経済成長のなかで、この形は米国全土に急速に広がっていきました。

この仕組みは、企業と働き手の間に派遣会社という第三者が入ることで成り立ちます。派遣会社が働き手を雇い、企業に送り、仕事の質と人のつなぎ役を担う。今の人材派遣の原型です。

Chapter 03|世界へ1956年、​最初の海外拠点

米国で急成長したマンパワーは、1956年に初めて海外にオフィスを構えます。その後、北米、欧州、南米へと拠点を広げ、1964年にはアジア最初の拠点として香港に進出しました。

国ごとに法律も労働慣行も違うため、同じサービスをそのまま移すことはできません。各国の制度に合わせて事業の形を変えながら広がっていったことが、世界規模の人材サービスになる土台になりました。

1948米ミルウォーキーで創業弁護士2人の困りごとから
1956初の海外オフィスを開設
1964アジア初の拠点を香港に
1966.11マンパワー・ジャパンを設立米国マンパワーの7番目の進出国。日本初の人材派遣会社
1968日本で本社・東京営業所を開設
1974全国主要都市に営業拠点を展開東京・横浜・大阪・名古屋・福岡・札幌・神戸
1986日本で労働者派遣法が施行派遣が制度として位置づけられる
2011.12マンパワーグループ株式会社に社名変更ライトマネジメントジャパンと合併
2016日本法人が設立50年

Chapter 04|日本派遣法より、​20年早い上陸

1966年11月、米国マンパワーにとって7番目の進出国として、マンパワー・ジャパンが設立されました。日本で初めての人材派遣会社です。

注目したいのは時期です。日本で労働者派遣法が施行されたのは1986年。マンパワーは、派遣が制度として認められる20年前から、日本で事業を始めていたことになります。事業が先にあり、制度が後から追いついた例です。

1970年代には東京・横浜・大阪・名古屋・福岡・札幌・神戸と全国の主要都市に拠点を広げ、顧客やスタッフへの調査も早くから始めています。のちに登場するテンポラリーセンター(現パソナ)やテンプスタッフ、スタッフサービスといった日本の派遣会社にとって、先行者の立場でした。

制度と事業は、どちらが先に来るとは限らない。日本の人材派遣は、事業が20年先に走っていた。人材業界の歴史

Chapter 05|現在地派遣から、​人材の総合サービスへ

米国の親会社マンパワーグループは、アデコ、ランスタッドと並ぶ人材サービスの世界大手の一角で、ニューヨーク証券取引所に上場しています。世界70の国・地域にネットワークを持ちます。

日本法人は2011年、キャリア支援・再就職支援を手がけるライトマネジメントジャパンと合併し、社名をマンパワーグループ株式会社に改めました。現在は複数のブランドで事業を展開しています。

ブランド主な領域
Manpower人材派遣・紹介予定派遣・人材紹介
Experis(エクスペリス)IT分野に特化した人材サービス
Right Managementキャリア支援・再就職支援・組織開発
ManpowerGroup Solutionsアウトソーシング

「必要なときに人を送る」から始まった会社が、IT人材、キャリア支援、アウトソーシングへと広がってきました。派遣という一つの仕組みから、働く人に関わるサービス全体へという流れは、世界の人材大手に共通しています。

Chapter 06|比較外資系の人材大手を​並べてみる

日本で事業を展開する外資系の人材大手は、成り立ちがそれぞれ違います。

マンパワーアデコランスタッド
創業1948年(米国)1996年(スイス・フランスの2社が合併)1960年(オランダ)
起点弁護士2人の困りごと欧州の人材会社同士の合併学生2人の事業
日本での特徴日本初の人材派遣会社(1966年)日本でも外資系大手として展開日本でも外資系大手として展開

候補者が「外資系の派遣・紹介会社」を比べるときは、日本での歴史の長さと、得意な職種・業界を確認すると違いが見えてきます。

Chapter 07|実務候補者に、​この来歴をどう語るか

人材業界を志望する人に

TALK SCRIPT

「マンパワーは、弁護士2人が『急ぎの仕事に人がいない』と困った経験から、人材派遣という仕組みそのものを作った会社です。日本でも派遣法より20年早く事業を始めています。業界の原点を知ったうえで働けるのは強みになります。」

人材業界の仕事を「マッチング」とだけ捉えている候補者には、企業の困りごとを起点に仕組みを作る仕事として説明すると、志望動機が深まります。

面談での使い方

「なぜ人材業界なのか」を聞かれたとき、多くの候補者は自分の転職体験を語ります。それ自体は悪くありませんが、創業者たちのように、誰の、どんな困りごとを解きたいのかまで言葉にできると、説得力が増します。マンパワーの創業のきっかけは、その問いを立てるための良い例になります。

KEY POINTS
この記事のポイント
1創業弁護士2人の困りごと1948年、臨時のタイピストが見つからなかった経験から、ミルウォーキーの弁護士2人が人材派遣の事業を始めた。
2日本派遣法より20年早く1966年に日本初の人材派遣会社として上陸。派遣法の施行(1986年)より20年先に事業を始めた。
3現在地人材の総合サービスへ世界大手の一角として、派遣から、IT人材、キャリア支援、アウトソーシングへと領域を広げている。

よくある質問

Q
マンパワーはどんな会社ですか?
A
1948年に米国で創業した人材サービス会社です。日本法人のマンパワーグループ株式会社は1966年に日本初の人材派遣会社として設立され、派遣・紹介・IT・キャリア支援などを手がけています。
Q
創業のきっかけは?
A
ミルウォーキーの弁護士2人が、締め切り前に秘書が休暇を取り、臨時のタイピストをどこからも借りられなかった経験から、一時的な業務支援の市場があると確信したことです。
Q
日本にはいつ進出しましたか?
A
1966年11月、米国マンパワーの7番目の進出国として、マンパワー・ジャパン株式会社が設立されました。日本初の人材派遣会社です。
Q
派遣法ができる前から事業をしていたのですか?
A
はい。日本で労働者派遣法が施行されたのは1986年で、マンパワーはその20年前から日本で事業を始めていました。
Q
アデコやランスタッドとの違いは?
A
いずれも世界大手の人材サービス会社ですが、マンパワーは米国発で、日本での歴史が最も長い点が特徴です。アデコは欧州の2社の合併、ランスタッドはオランダ発です。
まとめ

マンパワーは1948年、臨時のタイピストが見つからなかった弁護士2人の困りごとから始まった、世界最初期の人材派遣会社である。1966年に日本初の人材派遣会社として上陸し、派遣法より20年早く事業を始めた。現在は世界大手の一角として、派遣からIT人材、キャリア支援、アウトソーシングへと領域を広げている。

この記事の情報源

  • マンパワーグループ株式会社「会社概要」「沿革」「マンパワーグループに初めてご登録される方へ」
  • 米国ManpowerGroupの公開資料
  • 人材派遣の歴史に関する公開資料
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.25
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