豊田通商は、トヨタグループの商社です。1948年、豊田自動織機の商事部門を母体に設立されました。
グループの調達と販売を担う立場から始まり、現在はアフリカで7大商社のどこよりも強い地位を持っています。他社が手薄な場所に先に入るという判断が、その差を作りました。
総合商社の多くは独立した商人から始まりました。豊田通商は違います。特定のメーカーの調達と販売を担う機能として作られた。
これは安定である一方、制約でもあります。トヨタの取引がある限り仕事はありますが、トヨタ以上には大きくなれない。1990年代以降の多角化は、この天井を外すための動きでした。
デンソー、アスクル、MonotaRO。親から離れて市場全体を顧客にできるかが、分社・子会社の分岐点です。
2012年のCFAO買収が、この会社を決定づけました。フランスの企業ですが、事業の中心はアフリカ54か国の流通網です。
| 他の商社 | 豊田通商 | |
|---|---|---|
| 主戦場 | 資源・北米・アジア | アフリカ |
| 理由 | 市場規模と安定 | 競合が少なく先に基盤を作れる |
| リスク | 相対的に低い | 政情・為替・回収 |
他社が行かない場所を選ぶという点で、住友商事のメディア、プレックスの現場職と同じ判断です。人口が増え続ける大陸で先に流通を押さえる。回収に時間はかかるが、後から入るより安い。
アフリカでの事業は、車を売るだけではありません。売った後に整備する場所、部品を届ける物流、買うための金融。これらがなければ車は売れません。
商社の役割は「売買の仲介」と説明されがちですが、実際には取引が成立するために足りないものを全部用意する仕事です。市場が未成熟な地域ほど、その範囲は広くなります。
候補者に商社を説明するとき、この点は重要です。何を扱うかより、どこまで引き受けるかが仕事の中身を決めます。
豊田通商の収益は、今も自動車関連が大きな比重を占めます。トヨタが電動化へ移れば、扱う部品も材料も変わる。
同社はリチウムなどの権益にも投資しており、電池の材料という新しい商流を押さえようとしています。親会社の変化が、そのまま自社の事業の変化になる構造です。
親会社の取引に依存する会社は安定する一方、成長の上限があります。外部取引の比率を確認させてください。
他社が行かない場所は回収に時間がかかりますが、後から入るより安く基盤を作れます。
何を扱うかより、どこまで引き受けるかが仕事の中身を決めます。
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