この記事の要点
- DMM.comは石川県のレンタルビデオ店から始まり、60を超える事業へ広がった。広く試して早く畳む判断の速さと、非上場という説明責任のない立場が多角化を支えている。
- 地方の個人事業から、ネットへ
- 広く試して、早く畳む
- 非上場であることの意味
- 理念を持たない経営の、強さと危うさ
DMM.comは、石川県加賀市のレンタルビデオ店から始まりました。1998年に亀山敬司がオンライン事業を開始し、そこから動画配信、電子書籍、英会話、ゲーム、太陽光発電、3Dプリンター、水族館まで手を広げています。
一貫した事業領域がないように見えますが、判断の基準は明確です。儲かりそうならやる、駄目なら畳む。理念で縛らない経営の、一つの極端な形です。
Originレンタルビデオ店地方の個人事業から
Businesses60以上広く試し、駄目なら畳む
Listing非上場説明責任より速度
Chapter 01年表DMM.comの歩み
1980年代石川県でレンタルビデオ店を経営亀山敬司が個人事業として
1998オンライン事業を開始動画配信へ。DMM.comの原型
2000年代事業の多角化電子書籍、ゲーム、FXなど
2010年代異分野へ英会話、3Dプリンター、太陽光、農業
2018水族館事業東京・DMMかりゆし水族館など
現在60以上の事業を運営非上場のまま多角化を続ける
Chapter 02背景地方の個人事業から、ネットへ
亀山敬司が石川県でレンタルビデオ店を始めたとき、東京のIT業界とは何の縁もありませんでした。場所も学歴も人脈も、事業の条件ではないことを示す例です。
ネットに移った理由は単純で、店舗では商圏が限られるからです。同じ商品を、地理の制約なく売れる。地方にいたからこそ、その利点が切実に見えたとも言えます。
Chapter 03方法広く試して、早く畳む
DMMの事業の数は60を超えます。成功したものもあれば、撤退したものも多い。重要なのは撤退を失敗と扱わないことです。
当たるかどうかは、やってみないと分からない。だからやる数を増やし、駄目なものを早く畳む。判断の速さが、多角化を成立させる。DMMの経営手法
多くの企業が多角化で失敗するのは、始めた事業を畳めないからです。撤退は担当者の否定に見え、面子が判断を鈍らせる。畳む速度が、試せる数を決めます。
Chapter 04構造非上場であることの意味
上場企業が60の事業を持てば、投資家から「集中しろ」と言われます。説明できない事業は評価されず、株価が下がる。
DMMは非上場です。説明責任を負わない代わりに、説明できない挑戦ができる。マイナビ、レバレジーズ、サントリーと同じ選択ですが、DMMの場合は多角化そのものを支える条件になっています。
Chapter 05現在地理念を持たない経営の、強さと危うさ
多くの企業は理念を掲げ、それに沿って事業を選びます。理念は判断を速くし、組織をまとめる。一方で、理念に合わない機会を逃すこともあります。
DMMは逆です。機会を広く取れるが、組織をまとめる軸は弱い。どちらが優れているかではなく、何を捨てて何を取るかの選択です。候補者に企業を説明するとき、この軸の有無は働き方に直結します。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
候補者に企業文化を説明するとき理念で動く会社と機会で動く会社では働き方が違います。どちらが合うかは候補者の志向次第で、優劣ではありません。
自社の新規事業を考えるとき始めることより畳むことが難しい。撤退の基準を先に決めておくと、試せる数が増えます。
地方の候補者を支援するとき場所が事業や仕事の条件を決めない例として使えます。リモートや地方拠点の選択肢を広く見る根拠になります。
KEY POINTS
この記事のポイント
1背景地方の個人事業から、ネットへ亀山敬司が石川県でレンタルビデオ店を始めたとき、東京のIT業界とは何の縁もありませんでした。場所も学歴も人脈も、事業の条件ではない ことを示す例です。
2方法広く試して、早く畳むDMMの事業の数は60を超えます。成功したものもあれば、撤退したものも多い。
3構造非上場であることの意味上場企業が60の事業を持てば、投資家から「集中しろ」と言われます。説明できない事業は評価されず、株価が下がる。
この記事の情報源
- 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A石川県加賀市のレンタルビデオ店を経営していた亀山敬司が、1998年にオンライン事業を始めたのが起点です。
A広く試して駄目なら早く畳むという判断の速さと、非上場で説明責任を負わない立場によるものです。
A始めた事業を畳めないことです。撤退が担当者の否定に見え、判断が鈍ることで資源が固定されます。
A理念は判断を速くし組織をまとめる一方、理念に合わない機会を逃します。機会で動く経営はその逆です。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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