この記事の要点
- NECは1899年、日本初の外資との合弁として設立された。C&Cという正しい予測をしながら主役にはなれず、標準を握られると強みが無効になることを示した事例でもある。
- 外資と、組むという選択
- C&Cという、先見
- 強かった事業が、消える
- 社会インフラという、位置
- 公共系の案件が、どういう仕事か
NEC(日本電気)は、日本初の外国資本との合弁会社として1899年に設立されました。米ウエスタン・エレクトリックとの共同出資です。
電話交換機から始まり、通信インフラ、コンピュータ、半導体へ。「通信とコンピュータの融合(C&C)」という概念を早くから掲げた会社でもあります。
1899日本初の合弁外国資本との共同出資
C&C1977年通信と計算の融合を提唱
Now社会基盤通信・公共・防衛
Chapter 01年表NECの歩み
1899日本電気を設立岩垂邦彦が米社との合弁で
大正〜昭和電話交換機の国産化通信インフラを支える
1977「C&C」構想を提唱通信とコンピュータの融合
1980年代PC-9800シリーズ国内パソコン市場で圧倒的シェア
2000年代半導体・パソコン事業を分離選択と集中
現在社会インフラとITサービス生体認証などに強み
Chapter 02起点外資と、組むという選択
1899年、日本に電話の技術はほとんどありませんでした。技術を持つ米国企業と組むことで、国内で製造する体制を作る。
これは技術を買うのではなく、一緒に作るという選択でした。AGCがベルギーの技術者を招いたのと同じ発想です。
ないものは、外から持ってくるしかない。問題は、持ってきた後に自分のものにできるかである。技術導入の本質
Chapter 03構想C&Cという、先見
1977年、NECは「C&C(Computers and Communications)」という概念を提唱しました。コンピュータと通信は融合するという予測です。
現在から見れば当たり前ですが、当時は別々の産業でした。この予測自体は正しかった。
方向を正しく読むことと、そこで勝つことは別です。予測が当たっても、実行が伴わなければ他社に取られる。
Chapter 04教訓強かった事業が、消える
1980年代、NECのPC-9800シリーズは国内パソコン市場で圧倒的なシェアを持っていました。独自の仕様で市場を支配していた。
しかしWindowsの普及により、独自仕様の優位が失われます。世界標準に対して、国内標準は維持できませんでした。
これは標準を握られると、それまでの強みが一夜にして無効になるという事例です。Armの設計、NVIDIAのCUDA。標準を取る側に立てるかどうかは、技術産業の決定的な分かれ目です。
Chapter 05現在地社会インフラという、位置
現在のNECは、通信インフラ、公共システム、防衛、生体認証などを手がけています。社会の基盤を担う領域です。
この領域は派手ではありませんが、止められない。安定している一方で、国の政策に事業が左右されます。
三菱重工、日本郵政、東京電力と同じく、公的な性格を持つ企業の構造を理解しておく必要があります。
Chapter 06実務公共系の案件が、どういう仕事か
官公庁や自治体のシステムを扱う仕事は、民間向けと大きく異なります。候補者に伝えるべき違いがあります。
公共系は景気の影響を受けにくい一方、予算と制度に縛られます。技術の選択も自由ではありません。
この環境が合う人と合わない人がいます。決められた枠の中で確実に仕上げることに価値を感じるか、枠そのものを変えたいと思うか。
安定は、制約と引き換えに得られる。どちらを重く感じるかで、勧めるべき企業が変わる。公共系という環境
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
予測と実行の違いを語るとき方向を正しく読むことと、そこで勝つことは別です。
標準の重要性を説明するとき標準を握られると、それまでの強みが無効になります。
公共性の高い企業を勧めるとき安定する一方、国の政策に事業が左右されることを伝えてください。
A入札で受注し年度単位で区切られ、仕様が事前に細かく定義されます。景気の影響を受けにくい一方、予算と制度に縛られます。
KEY POINTS
この記事のポイント
1起点外資と、組むという選択1899年、日本に電話の技術はほとんどありませんでした。技術を持つ米国企業と組む ことで、国内で製造する体制を作る。
2構想C&Cという、先見1977年、NECは「C&C(Computers and Communications)」という概念を提唱しました。コンピュータと通信は融合する という予測です。
3教訓強かった事業が、消える1980年代、NECのPC-9800シリーズは国内パソコン市場で圧倒的なシェアを持っていました。独自の仕様で市場を支配していた 。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1899年、岩垂邦彦が米ウエスタン・エレクトリックとの合弁で設立した、日本初の外国資本との合弁会社です。
A1977年に提唱した、コンピュータと通信が融合するという構想です。方向の予測は正しかったものの主役にはなれませんでした。
AWindowsの普及により世界標準が形成され、独自仕様による国内での優位が維持できなくなったためです。
A通信インフラ、公共システム、防衛、生体認証など社会の基盤を担う領域が中心です。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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