この記事の要点
- 富士通は1935年設立、国産コンピュータの中核として基幹システムを担ってきた。安定した収益が転換を遅らせる構造の中で、事業の選別とクラウドへの移行を進めている。
- 国産コンピュータという、使命
- 基幹システムという、資産と重荷
- 事業を、手放す
- 何の会社に、なるのか
- 大手IT企業の、部門による違い
富士通は、日本の大型コンピュータを支えてきた会社です。1935年、富士電機の通信部門が独立して設立されました。
官公庁や金融機関の基幹システムを長く担ってきた一方、クラウドの時代にどう転換するかという問いに直面しています。
Founded1935年通信機器から
Core基幹システム官公庁・金融
Now転換クラウドとサービスへ
AT A GLANCE
ひと目でわかる
TURNING POINT
1990年代
システム構築(SI)へ
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。
Chapter 01年表富士通の歩み
1935富士通信機製造を設立富士電機から分離
1954国産初のリレー式計算機コンピュータ事業へ
1970年代メインフレームで国内首位級IBMに対抗する国産機
1990年代システム構築(SI)へハードからサービスへ
2010年代事業の選別携帯電話・PC事業を分離
現在DXとクラウドへ転換「Uvance」を掲げる
Chapter 02歴史国産コンピュータという、使命
1960〜70年代、コンピュータは米国企業が圧倒していました。国産機を作ることは、産業政策としての課題でもありました。
富士通はIBMに対抗できる大型機を開発し、国内市場で高いシェアを得ます。官公庁や銀行の基幹業務が、国産機の上で動いた。
国産化は、外部への依存を減らすという動機から始まる。採算だけでは説明できない判断が、産業の基盤を作った。国産コンピュータ
AGCの板ガラス、日本製鉄の八幡、INPEXの資源。同じ動機の事業の系譜にあります。
Chapter 03構造基幹システムという、資産と重荷
官公庁や金融機関の基幹システムは、一度入れば長く使われます。数十年動き続けることも珍しくない。
安定した収益は、変化を遅らせる要因にもなります。リコー、コダック、IBM。主力が大きいほど転換は難しい。
Chapter 04選別事業を、手放す
富士通は2010年代以降、携帯電話、パソコン、半導体などの事業を次々に分離・売却しました。
どれも一時は主力だった事業です。それでも手放したのは、選ばなければ全部が中途半端になるという判断でした。
フィリップス、GE、IHI。総合型の企業が選択に迫られるという共通の局面です。
Chapter 05現在地何の会社に、なるのか
富士通は「Uvance」という事業の枠組みを掲げ、社会課題を起点にした事業への転換を進めています。
ただしこの種の転換は、掲げることと実現することの距離が大きい。候補者にこの企業を勧めるとき、売上構成の変化を数字で確認させる必要があります。
また、同じ会社の中に古い仕事と新しい仕事が併存しています。どの部門に配属されるかで、経験の中身がまったく変わります。
Chapter 06実務大手IT企業の、部門による違い
富士通のような総合IT企業では、同じ会社の中に性質の違う仕事が併存しています。
新しい技術に触れたい人が保守の部門に配属されると、数年で転職を考えることになります。逆に、確実さを重んじる人が新規事業の部門に入ると消耗します。
大企業の求人は、会社名ではなく部門名で読む。同じ会社でも、入る場所で5年後が変わる。配属という分岐
面接の場で「配属先は決まっていますか」「その部門は今どんな案件を持っていますか」と聞かせることが、最も確実な確認方法です。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
大手IT企業を勧めるとき同じ会社に古い仕事と新しい仕事が併存します。配属される部門を必ず確認させてください。
転換期の企業を評価するとき掲げていることと実現の距離があります。売上構成の変化を数字で確認してください。
安定した収益を見るとき安定は変化を遅らせる要因にもなります。主力が大きいほど転換は難しくなります。
A会社名ではなく部門名で読んでください。基幹系と新規事業では仕事の性質も身につくものも異なります。
KEY POINTS
この記事のポイント
1歴史国産コンピュータという、使命1960〜70年代、コンピュータは米国企業が圧倒していました。国産機を作ることは、産業政策としての課題 でもありました。
2構造基幹システムという、資産と重荷官公庁や金融機関の基幹システムは、 一度入れば長く使われます 。数十年動き続けることも珍しくない。
3選別事業を、手放す富士通は2010年代以降、携帯電話、パソコン、半導体などの事業を次々に分離・売却しました。どれも一時は主力だった事業 です。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1935年、富士電機の通信部門が独立して富士通信機製造として設立されました。
A官公庁や金融機関の基幹業務を担う大型コンピュータです。富士通は国産機で国内首位級のシェアを持ちました。
A携帯電話やパソコンなど一時は主力だった事業も、選ばなければ全部が中途半端になるという判断からです。
A「Uvance」を掲げ社会課題を起点にした事業への転換を進めていますが、実現までの距離は数字で確認する必要があります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.21
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