この記事の要点
- オープンアップグループは2021年4月、ビーネックスグループが夢真ホールディングスを吸収合併して生まれた技術者派遣の大手である。
- 夢真の源流は佐藤建築設計事務所。建設現場の施工管理技術者の派遣で成長した。
- ビーネックスの源流は1997年に設立された障がい者雇用の会社。2004年に派遣事業を譲り受け、機電・IT技術者の派遣で成長した。
- 主力事業で顧客がほとんど重ならない2社が、株式交換だけで統合した。2023年に現社名に変わった。
オープンアップグループは、機械・電気・ITのエンジニアと、建設現場の施工管理技術者を正社員として雇い、企業に派遣する会社です。技術者派遣では国内有数の規模を持ちます。
この会社は、まったく違う2つの源流が2021年に一つになってできました。それぞれがどこから来て、なぜ統合したのか。技術者派遣という業界の再編を読み解く材料として追います。
Chapter 01|源流①設計事務所から、建設の技術者派遣へ
一つめの源流は夢真です。起点は、佐藤義雄氏の佐藤建築設計事務所でした。1990年に社名を「夢真」に変え、建設現場の施工管理を担う技術者を派遣する事業で成長していきます。
建設業界では、工事の品質・工程・安全を管理する施工管理技術者が慢性的に不足しています。夢真は、この人材を自社で雇い、ゼネコンなどの現場に送る形を広げました。2003年にヘラクレス市場(当時)に上場し、2005年に持株会社の夢真ホールディングスとなります。
夢真の起点
佐藤建築設計事務所(1990年に夢真へ改称)
主力
建設現場の施工管理技術者の派遣
上場
2003年 ヘラクレス市場(当時)
統合前の売上
約586億円
Chapter 02|源流②障がい者雇用の会社から、機電・ITの派遣へ
もう一つの源流はビーネックスグループです。現在の法人は1997年、障がい者雇用の企業として設立されました。2004年に別の会社から労働者派遣事業を譲り受け、技術者派遣の事業を始めます。
その後、機械・電気・電子の設計開発や、ITのエンジニアを派遣する事業で規模を広げ、2007年にジャスダック(当時)、2013年に東証一部(当時)に上場しました。2020年に社名をビーネックスグループに変え、持株会社体制に移っています。
設立
1997年(障がい者雇用の企業として)
派遣事業
2004年に事業を譲り受けて開始
主力
機械・電気・ITの技術者派遣
統合前の売上
約817億円
Chapter 03|年表2つの源流の歩み
1990佐藤建築設計事務所が夢真に社名変更建設技術者派遣の起点
1997ビーネックスの前身を設立障がい者雇用の企業として
2003夢真がヘラクレス市場(当時)に上場
2004ビーネックス側が派遣事業を譲り受けて開始
2005夢真ホールディングスに持株会社化
2007ビーネックス側がジャスダック(当時)に上場
2013ビーネックス側が東証一部(当時)に
2020ビーネックスグループに社名変更持株会社体制へ
2021.04ビーネックスが夢真HDを吸収合併夢真ビーネックスグループに
2023.01オープンアップグループに社名変更
Chapter 04|統合顧客が重ならない2社が、一つになる
2021年4月、ビーネックスグループが夢真ホールディングスを吸収合併し、夢真ビーネックスグループが発足しました。
統合の前提にあったのは、主力事業で顧客がほとんど重ならなかったことです。ビーネックスはメーカーなどの設計開発・ITの現場、夢真は建設現場。同じ「技術者を正社員で雇って送る」事業でありながら、送り先の業界が違いました。統合すれば、採用・育成・管理の仕組みを共有しながら、顧客の幅を一気に広げられます。
合併の対価は、ほぼ全額が存続会社の株式で支払われ、現金の支出をほとんど伴いませんでした。夢真ホールディングスは上場を廃止しています。
同じ事業の形で、送り先の業界が違う会社同士を組み合わせる。
技術者派遣の再編は、顧客の重なりの少なさから始まった。
統合後は、ビーネックス側の西田穣氏が会長兼CEO、夢真側の佐藤大央氏が社長兼COOに就きました。2023年1月には、どちらの名前も外した「オープンアップグループ」に社名を変えています。
Chapter 05|現在地機電・ITと、建設の2本柱
統合後の同社は、機電・IT領域と建設領域の2本柱で国内の技術者派遣を主軸にしています。建設領域では、2024年から時間外労働の上限規制が建設業にも適用された(いわゆる「2024年問題」)ことで、施工管理技術者の需要がさらに高まりました。
同社は未経験者を積極的に採用して育て、現場に送り出す戦略をとってきました。建設技術者の領域では、ウィルグループなどの後発組が追いかける立場にあり、同社は最大手として採用規模で先行しています。
2025年7月には、夢真側の佐藤氏が社長から取締役に退き、西田氏が会長兼社長CEOを兼ねる体制に移りました。統合から4年で、経営の体制も一本化が進んでいます。
| 領域 | 主な派遣先 | 求められる人材 |
|---|
| 機電・IT | メーカーの設計開発、IT企業 | 機械・電気・組込・ソフトウェアのエンジニア |
|---|
| 建設 | ゼネコン・サブコンの工事現場 | 施工管理技術者(未経験から育成も) |
|---|
Chapter 06|比較技術者派遣の大手を並べてみる
| オープンアップ | テクノプロ | メイテック |
|---|
| 成り立ち | 夢真とビーネックスの統合 | 請負大手の技術系各社の再編 | メーカーの技術部門から独立 |
|---|
| 強い領域 | 建設・機電・IT | 研究開発全般・施工管理 | 機械・電気の設計開発 |
|---|
| 採用の特徴 | 未経験者の大量採用と育成 | 新卒・中途の採用と買収 | 経験者中心 |
|---|
テクノプロ、メイテックの創業ストーリーもあわせて読むと、技術者派遣の会社ごとの違いが見えてきます。
Chapter 07|実務候補者に、この来歴をどう語るか
未経験から技術職をめざす人に
TALK SCRIPT
「オープンアップグループは、未経験の人を正社員として採用し、施工管理やエンジニアとして育てて現場に送る会社です。給与を得ながら資格と実務経験を積める入口として検討できます。」
異業種から技術職をめざす候補者には、正社員の身分のまま技術を身につけられる入口として紹介できます。一方で、配属先の現場や勤務地、研修の中身は、入社前に確認しておきたい点です。
確認しておきたいこと
- 配属の決まり方:希望する領域や勤務地がどこまで反映されるか。
- 研修と資格支援:未経験者向けの研修期間や、施工管理技士などの資格取得支援の中身。
- キャリアの出口:派遣先への転籍や、社内での管理職への道があるか。
KEY POINTS
この記事のポイント
1源流2つのまったく違う起点設計事務所から建設技術者派遣に育った夢真と、障がい者雇用の会社から機電・IT派遣に育ったビーネックスが源流。
2統合顧客が重ならない2社2021年、主力事業で顧客がほとんど重ならない2社が株式交換だけで統合し、2023年にオープンアップグループとなった。
3現在地機電・ITと建設の2本柱未経験者の大量採用と育成で、建設の2024年問題による需要拡大を取り込んでいる。
よくある質問
A機械・電気・ITのエンジニアと、建設現場の施工管理技術者を正社員として雇い、企業に派遣する技術者派遣の大手です。
A2021年4月、機電・IT技術者派遣のビーネックスグループが、建設技術者派遣の夢真ホールディングスを吸収合併して夢真ビーネックスグループが発足し、2023年1月にオープンアップグループへ社名を変えました。
A佐藤建築設計事務所を起点とし、1990年に夢真へ社名を変えた会社で、建設現場の施工管理技術者の派遣で成長しました。
A主力事業で顧客がほとんど重ならず、統合によって採用・育成の仕組みを共有しながら顧客の幅を広げられるためです。対価はほぼ全額が株式で支払われました。
A未経験から、正社員として施工管理やエンジニアの技術を身につけたい候補者に向いています。
まとめ
オープンアップグループは、設計事務所から建設技術者派遣に育った夢真と、障がい者雇用の会社から機電・IT技術者派遣に育ったビーネックスが、2021年に統合して生まれた技術者派遣の大手である。顧客がほとんど重ならない2社を株式交換だけで一つにし、機電・ITと建設の2本柱で、未経験者を採用・育成して現場に送る事業を広げている。
この記事の情報源
- オープンアップグループ FACT BOOK 2024(沿革)
- 同社の有価証券報告書・適時開示(2021年の合併、2023年の社名変更)
- 沿革・業績を整理した公開データベース(The社史 ほか)
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営:
株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.25
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