この記事の要点
- 住友不動産は1949年、財閥解体で住友本社の不動産部門を継いで生まれた。開発した物件を売らずに持ち続け、自社で建てて原価を抑え、都心に集中することで高い収益性を保っている。
- 売る型と、持つ型
- 自社で、建てる
- 借金を、恐れない
- 都心に、集中する
住友不動産は、建てたビルを売らない会社です。1949年、財閥解体に伴い住友本社の不動産部門を引き継いで設立されました。
開発した物件を売却すれば、その場で利益が出ます。しかしこの会社は保有し続け、賃料として長期に回収する道を選びました。含み益が積み上がる構造です。
Founded1949年財閥解体の産物
Policy売らない長期の賃料で回収
Cost自社で建てる設計・施工管理に関与
Chapter 01年表住友不動産の歩み
1949泉不動産として設立住友本社の不動産部門を継承
1957住友不動産に社名変更ビル賃貸を主軸に
1970年代〜新宿副都心の開発超高層ビルを次々に
1990年代マンション・注文住宅へ事業領域を拡大
2000年代〜保有方針を徹底都心の物件に集中
現在賃貸ビルの保有で高収益有利子負債も大きい
Chapter 02選択売る型と、持つ型
不動産の収益には、大きく二つの型があります。
どちらが優れているかではなく、何を優先するかの違いです。霞ヶ関キャピタルは売る型、ヒューリックと住友不動産は持つ型。
Chapter 03原価自社で、建てる
住友不動産は、設計から施工管理まで自社で深く関与します。外注前提の事業者と比べて、原価の構造が違う。
建設会社に一括で発注すれば手間は省けますが、その分の利益は建設会社に移ります。自社で管理すれば、その利益を自社に残せる。手間を引き受けることが、利益率になる。
ニトリの製造物流小売業、オープンハウスの一貫体制と同じ構造です。
Chapter 04資金借金を、恐れない
物件を保有し続けるには、多額の借入が必要です。住友不動産の有利子負債は同業の中でも大きい。
しかし賃料収入が安定していれば、返済は続けられます。負債の大きさそのものより、それを支える収益があるかが問題です。
負債は、返せるなら資産を増やす道具になる。危険なのは負債の額ではなく、収益との関係である。不動産の財務
Chapter 05現在地都心に、集中する
保有型で成立させるには、長期に空室が出ない立地でなければなりません。地方の物件では賃料が下がり、空室も埋まらない。
だから都心に集中します。数を追わず、立地の質で選ぶ。持つ型の事業は、立地の判断がすべてです。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
不動産業界の候補者を支援するとき売る型と持つ型では、仕事も評価のされ方も違います。その企業がどちらの型かを確認してください。
企業の財務を見るとき負債の額そのものより、それを支える収益があるかを見てください。業種によって適正な負債水準は違います。
垂直統合の意味を説明するとき手間を引き受けることが利益率になります。外注すればその分の利益は外に移ります。
KEY POINTS
この記事のポイント
1選択売る型と、持つ型不動産の収益には、大きく二つの型があります。霞ヶ関キャピタル は売る型、 ヒューリック と住友不動産は持つ型。
2原価自社で、建てる住友不動産は、設計から施工管理まで自社で深く関与します。外注前提の事業者と比べて、 原価の構造が違う 。
3資金借金を、恐れない物件を保有し続けるには、多額の借入が必要です。住友不動産の有利子負債は同業の中でも大きい。
この記事の情報源
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1949年、財閥解体に伴い住友本社の不動産部門を引き継いだ泉不動産として設立され、1957年に現社名となりました。
A売却すればその場で利益が出ますが、保有すれば毎年の賃料として長期に回収でき含み益も積み上がるためです。
A建設会社に一括発注するとその分の利益が外に移るためです。手間を引き受けることが利益率になります。
A賃料収入が安定していれば返済は続けられます。負債の額そのものより収益との関係が重要です。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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