この記事の要点
- タイミーは、学生起業での挫折から1年で転換した小川嶺氏が2018年に始めたスキマバイトのサービスである。面接をなくす代わりに相互評価で信頼を担保し、2019年のテレビCMで首位を固め、2024年に創業者27歳で上場した。
- 祖父の急逝と、最初の挫折
- 面接なしで、なぜ回るのか
- テレビCMという、先手
- スポットワークという、市場を作った
- 上場時に見えた、事業の強さ
タイミーは、履歴書も面接もなく、アプリで探したその日に働ける「スキマバイト」を日本に広めた会社です。
創業者の小川嶺氏は、大学在学中に最初の事業で挫折し、1年で方向を変えました。そこから生まれたサービスは、登録ワーカー1,000万人を超える市場を作り、創業者は27歳で東証グロースに上場させました。
Founded2017年大学在学中に起業
IPO27歳2024年7月に上場
Workers1,270万人登録ワーカー(2026年)
Chapter 01年表|タイミーの歩み
TIMELINE
タイミーの歩み
HISTORY ─ 創業から現在まで
2017
大学在学中にアパレル事業で起業1年で事業の転換を決める
2018.08
スキマバイト「タイミー」を開始大学3年のとき
2019.11
テレビCMを打つダウンロードは40万から100万へ
2023
売上161億円(10月期)前の年の約2.6倍
2024.07
東証グロース市場に上場初値の時価総額は1,760億円超
2026
登録ワーカー1,270万人メルカリやリクルートも参入する市場に
公式発表・報道・経営者インタビューなどの公開情報で確認できたもの。
Chapter 02原点|祖父の急逝と、最初の挫折
小川嶺氏は1997年、東京都生まれ。高校時代から起業に関心を持ち、立教大学在学中にリクルートやサイバーエージェントでインターンを経験しました。
タイミーのミッションの根にあるのは、尊敬していた祖父の急逝から得た教訓です。人生の時間は有限である。だからこそ、時間をより価値あるものに変える選択肢を、すぐに見つけて、すぐに実行できる世界を作りたい。
ただ、最初の事業はうまくいきませんでした。2017年に立ち上げたアパレル関連の事業は伸びず、1年で転換を決断します。次は、自分が心から熱くなれる事業で挑む。そう決めて試行錯誤の末に生まれたのがタイミーでした。
アルバイトを掛け持ちしていた学生が、応募から勤務、給与の受け取りまでを一つのアプリで完結できたらと考えた。それが、スキマバイトという市場の始まりだった。タイミーの着想
Chapter 03仕組み|面接なしで、なぜ回るのか
タイミーは、働きたい時間と、働いてほしい時間をつなぐ仕組みです。ワーカーは履歴書も面接もなくアプリで仕事を選び、働いたその日に報酬を受け取れます。事業者は、ワーカーに払う報酬の3割にあたる額を利用料として払います。
面接をしないぶん、信頼は相互評価で担保しました。無断欠勤が1%を超えた時期もありましたが、繰り返し働きたいワーカーが増え、上場の頃には0.2%ほどまで下がっています。
Chapter 04転機|テレビCMという、先手
2019年11月、タイミーはテレビCMを打ちます。当時はサービス開始から1年4か月で、月の売上は1,000万円強。競合のスタートアップとの差は3倍ほどしかありませんでした。
年末は忘年会で大型の飲食店が忙しくなり、案件は11月の2倍以上になる見込みでした。ワーカーを一気に集めなければ、顧客の期待に応えられない。そして競合が先にCMを打てば、簡単に追い抜かれる。
CMでダウンロード数は40万から100万へ。12月の需要に応えたことで顧客の信頼を得て、先に動いた者がそのまま首位を固めるという形になりました。
Chapter 05現在地|スポットワークという、市場を作った
2024年7月、タイミーは東証グロース市場に上場します。初値ベースの時価総額は1,760億円を超え、小川氏は27歳でした。
同じ年、メルカリが「メルカリ ハロ」でスポットワークに参入し、リクルートも続きました。大手が参入してくるのは、市場ができた証拠です。登録ワーカーは2026年に1,270万人に達しています。
働き方の単位が「月」や「シフト」から「時間」に細かくなったことは、人材ビジネス全体にとって無視できない変化です。
Chapter 06数字|上場時に見えた、事業の強さ
FILL RATE
募集した仕事が埋まる割合
上場時の開示資料による。勤務開始の直前まで募集を出せることが、高い充足率につながっている。
上場の直前期にあたる2023年10月期、売上は161億円と前の年の約2.6倍に伸び、営業利益も19億円を超えました。前の年にテレビCMなどの大型の広告を打ちながら、利益を大きく伸ばしています。
事業者にとっての価値は、募集した仕事がきちんと埋まることです。タイミーの充足率は約88%と、パートタイム全体の平均(約18%)を大きく上回ります。繁忙期に合わせて人を常に雇っておくのではなく、忙しいときだけ人を集めるという人件費の使い方が可能になりました。
Chapter 07組織|熱意で集まった、最初の仲間
WORKERS
登録ワーカーの推移(万人)
上場時の開示と報道による。サービス開始以来の累計。
創業期のタイミーには、ビジョンと製品に強く共感する若いメンバーが集まりました。お金に余裕のある人はおらず、アルバイトの経験があり、働いてお金をもらうことのありがたみを知っている人たちでした。
まだ完璧ではない製品を売っていた時期です。だからこそ、経験よりも熱意を重んじて採用したといいます。社員は2024年5月末に900人(正社員)を超え、登録ワーカーは1,270万人に達しました。
使う人の気持ちが分かる仲間で始めた。アルバイトで働く人の立場に立てることが、面接のないサービスを信頼されるものにした。タイミーの組織
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
スポットワークを理解するとき面接なしで働ける代わりに、信頼は相互評価で担保されています。仕組みの設計が、市場を成立させています。
若手の候補者に紹介するとき創業者は学生起業で一度挫折し、1年で転換しています。失敗を早く認めて方向を変える文化を伝えられます。
人材市場の変化を説明するとき働き方の単位が「時間」まで細かくなりました。正社員の紹介とは別の市場が、急速に育っています。
KEY POINTS
この記事のポイント
1原点|祖父の急逝と、最初の挫折小川嶺氏は1997年、東京都生まれ。高校時代から起業に関心を持ち、立教大学在学中にリクルートやサイバーエージェントでインターンを経験しました。
2仕組み|面接なしで、なぜ回るのかタイミーは、働きたい時間と、働いてほしい時間をつなぐ仕組みです。ワーカーは履歴書も面接もなくアプリで仕事を選び、 働いたその日に報酬を受け取れます 。
3転機|テレビCMという、先手2019年11月、タイミーはテレビCMを打ちます。当時はサービス開始から1年4か月で、月の売上は1,000万円強。
この記事の情報源
- 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A小川嶺氏です。1997年東京都生まれで、立教大学在学中の2017年に起業し、2018年8月にスキマバイトサービス「タイミー」を始めました。
A2024年7月26日に東証グロース市場に上場しました。小川氏は当時27歳でした。
A履歴書や面接なしでアプリから仕事を選び、働いた日に報酬を受け取れるサービスです。事業者はワーカーに払う報酬の3割にあたる額を利用料として払います。
A企業とワーカーが互いを評価する仕組みで信頼を担保しています。無断欠勤は一時1%を超えましたが、上場の頃には0.2%ほどに下がりました。
A上場の直前期にあたる2023年10月期の売上は約161億円で、前の年の約2.6倍でした。営業利益は約19.6億円です。
A募集した仕事が埋まる割合の高さです。上場時の資料では約88%と、パートタイム全体の平均(約18%)を大きく上回っています。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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