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Founding Story

リクルートの​創業​ストーリー創業者​・​江副浩正、​ビルの​屋上の​物置小屋から、​時価総額十数兆円へ

創業ストーリー 2026.09.07
この記事の要点

日本の人材業界の原型は、1960年、東京の小さなビルの屋上にあった物置小屋で生まれました。23歳の東大卒業生が始めた大学新聞の広告代理業が、なぜ世界的なHR企業になったのか。その答えは、彼が見つけた「情報の非対称」にあります。

※本記事は当該企業の公式サイト(沿革・創業ストーリー)、有価証券報告書、Wikipedia日本語版・英語版、経営者インタビュー記事等の公開情報をもとに編集部が構成しました(2026年9月時点)。年次は資料により差異がある項目があり、複数の出典で確認できた年を採用しています。

  • 創業は1960年3月31日、江副浩正(23歳)。森ビルの屋上に借りた物置小屋が最初の事務所だった。
  • 発明は1962年の就職情報誌「企業への招待」。広告だけで一冊の情報誌が作れると気づいた瞬間が、50年以上の成長の源流になった。
  • 1988年のリクルート事件で創業者は退場したが、事業は生き残り、2014年に上場。今日のIndeedを含むグローバル企業へと続いている。
Founded1960年
Founder江副浩正
Category人材
この記事は創業ストーリーのシリーズです。
NUMBERS
数字で見る
FOUNDED
1960年
大学新聞広告社として創業
REVENUE
3.7兆円
売上収益(2026年3月期)
PROFIT
6,305億円
営業利益(前期比28.5%増)
MARGIN
17%
営業利益率
HR TECH
1.4兆円
HRテクノロジー事業の売上
STAFFING
1.7兆円
人材派遣事業の売上
2026年3月期の決算短信による。HRテクノロジー事業はIndeedなどを含む。
TIMELINE
リクルートの歩み
FOUNDING ─ 広告からの出発
1960
大学新聞広告社として創業東京大学新聞の広告営業から始まる
1962
「企業への招待」を創刊求人広告だけで一冊の本をつくるという発想
1968
社名をリクルートへ
EXPANSION ─ 情報誌の時代
1970〜80年代
住宅・旅行・飲食へ情報誌を広げる「まだ情報がない領域」を次々に事業化
1988
リクルート事件創業者が退き、会社は存続する
GLOBAL ─ 世界へ
2012
Indeedを買収求人検索の世界的な基盤を手に入れる
2014
東証一部に上場
2026
売上収益3兆6,973億円、営業利益6,305億円営業利益は前期比28.5%増
公開情報と決算短信にもとづく。

Chapter 01始まりは、​学生新聞の​広告営業だった

1955年、江副浩正は東京大学に入学し、翌年に東京大学学生新聞会へ入ります。彼の仕事は、学生新聞の広告枠を売る営業でした。当時、学生新聞に企業の求人広告が載ることはありませんでした。

ある日、彼は学内の掲示板に貼られた企業の就職説明会の告知を目にします。「これは学生新聞に載せたら効果があるに違いない」。そう考えた彼はすぐにその企業の人事課を訪ね、広告を取ってきました。1958年6月18日号に載ったその広告が、リクルートの原点とされています。

当時の日本では、学生の就職先といえば教授推薦や縁故が中心でした。企業は高度経済成長のなかで人材の確保に必死でしたが、中堅・中小企業が学生へ直接求人を届ける手段はほとんどありません。学生も企業も困っているのに、それをつなぐ経路がない。この情報の非対称こそが、江副の見つけた事業機会でした。

Chapter 02森ビルの屋上、​物置小屋からの出発

1960年3月31日、東京大学教育学部を卒業した江副は、東京都港区で大学新聞の広告代理業を始めます。事務所は、東京大学新聞編集部の先輩だった森稔(のちの森ビル社長)が経営するビルの屋上に借りた物置小屋でした。

資金は、大手銀行に相手にされなかったため、父の土地と家屋を担保に信用金庫から借りた300万円。同年10月に資本金60万円で株式会社大学新聞広告社を法人化しました。創業メンバーは3人。1日12社を訪問し、成約率10%という地道な足で広告主を開拓していきます。

Chapter 03「企業への招待」広告だけで一冊の本が作れる

転機は、教育学部の先輩がアメリカ留学先から送ってきた就職情報ガイドブックでした。本一冊がまるまる就職情報で埋まっている。広告だけで情報誌が作れるという発見です。

1962年、大学新聞広告社は「企業への招待」を発行します。複数の企業が広告を出稿した求人を一冊にまとめ、学生はその一冊を見れば就職活動ができる。企業は複数の大学を回らなくても多くの学生に求人を届けられる。双方の不満を一度に解いたこのモデルは瞬く間に広まり、今日の「リクナビ」に至るまで50年以上、同社の成長の源流となりました。

1963年8月、社名を日本リクルートセンターへ変更。新卒求人において揺るぎない地位を築いていきます。創業10周年には、返済不要の奨学金制度「リクルートスカラシップ」を創設しました。

1958

学生新聞に初の求人広告

江副浩正が掲示板の告知を見て企業に営業をかけ、学生新聞に求人広告を掲載しました。これがリクルートの原点とされています。

1960

大学新聞広告社を創業

23歳の江副が森ビルの屋上に借りた物置小屋で事業を始めました。父の土地を担保にした300万円が元手です。

1962

「企業への招待」を創刊

複数企業の求人を一冊にまとめた情報誌で、学生と企業双方の不便を一度に解消しました。

1963

日本リクルートセンターへ改称

新卒求人の分野で確固たる地位を築いていきます。

1988

リクルート事件が発覚

未公開株の譲渡をめぐる贈収賄事件で、創業者の江副は経営から退きました。

2012

リクルートホールディングス設立

分社化により持株会社体制へ移行しました。

2014

東証一部に上場

当時としてはその年最大級の上場となりました。

2018

Indeedなど海外HR事業が主力に

海外の求人プラットフォーム事業が売上の柱へ成長しています。

リクルートの主な沿革

Chapter 04リクルート事件創業者の退場

1980年代、リクルートは不動産、旅行、転職情報へと事業を広げ、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しました。しかし1988年、未公開株の譲渡をめぐる贈収賄事件(リクルート事件)が発覚します。政財官を巻き込んだ戦後最大級の疑獄事件となり、江副は経営から退きました。

特筆すべきは、創業者を失っても事業と組織文化が生き残ったことです。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に象徴される起業家精神は社内に受け継がれ、リクルート出身者が次々と起業する「人材輩出企業」としての性格を強めていきます。

Founder's Words

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

江副浩正

リクルートの社訓として最も知られる言葉です。機会は与えられるものではなく創り出すもので、その機会が人を変える:この順序が、同社が「人材輩出企業」と呼ばれる文化の核にあります。

Chapter 05エージェントがこの​物語から読み取るべきこと

リクルートの創業は、人材ビジネスの本質が「情報の非対称の解消」にあることを示しています。学生は企業を知らず、企業は学生に届かない。その間に立って情報を流通させることに価値がある。この構造は、求人広告からエージェントへ形を変えた今も変わりません。

また同社が「人材輩出企業」と呼ばれる背景には、創業者の退場を経てなお残った起業家精神があります。候補者にリクルートを語るとき、屋上の物置小屋から始まった会社が、いまも社員の起業を後押しする文化を持っているという文脈は、年収や事業規模の説明より強く響きます。企業の現況はリクルートの企業ページ、決算の読み解きは決算分析をご覧ください。

KEY POINTS
この記事のポイント
1始まりは、学生新聞の広告営業だった1955年、 江副浩正 は東京大学に入学し、翌年に東京大学学生新聞会へ入ります。彼の仕事は、学生新聞の広告枠を売る営業でした。
2森ビルの屋上、物置小屋からの出発1960年3月31日 、東京大学教育学部を卒業した江副は、東京都港区で大学新聞の広告代理業を始めます。事務所は、東京大学新聞編集部の先輩だった森稔(のちの 森ビル 社長)が経営する ビルの屋上に借りた物置小屋 でした。
3「企業への招待」広告だけで一冊の本が作れる転機は、教育学部の先輩がアメリカ留学先から送ってきた就職情報ガイドブックでした。本一冊がまるまる就職情報で埋まっている 。

よくある質問

Q
リクルートの創業者は誰ですか?
A
江副浩正です。東京大学在学中に学生新聞の広告営業を経験し、1960年3月、23歳のときに大学新聞広告社を創業しました。
Q
リクルートの最初の事務所はどこですか?
A
東京大学新聞編集部の先輩だった森稔が経営するビルの屋上にあった物置小屋です。公式サイトでも「東京の小さなビルの屋上プレハブ」と紹介されています。
Q
「企業への招待」とは何ですか?
A
1962年に創刊された就職情報誌です。複数企業の求人広告を一冊にまとめ、学生はその一冊で就職活動ができるようにしたもので、今日のリクナビに至るビジネスモデルの原型になりました。
まとめ

リクルートは1960年、23歳の江副浩正が森ビル屋上の物置小屋で始めた大学新聞の広告代理業に始まる。学生と企業の間にある情報の非対称を「企業への招待」という一冊にまとめた発明が、50年以上の成長の源流となった。リクルート事件で創業者は退場したが起業家精神は組織に残り、今日のグローバルHR企業へと続いている。

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この記事の情報源

  • 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
  • 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
  • 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
  • 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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