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Founding Story

TSMC​の​創業​ストーリー創業者​・​モリス・​チャン、​56​歳で​台湾に​渡った半導体技術者が​「作るだけの​会社」​を​発明し、​世界の​半導体を​握るまで

創業ストーリー 2026.09.20
この記事の要点
  • TSMCは1987年、製造だけを請け負うファウンドリという業態を作って創業した。顧客と競合しない原則により業界全体を顧客にし、設備投資を世界中の注文で回収する構造を築いた。
  • 業態そのものを、作った
  • なぜ設計をしないのか
  • 投資を、集めて回す
  • 1社への集中が、リスクになる

TSMCは、設計をしないと決めたことで世界の半導体産業の中心になった会社です。1987年、張忠謀(モリス・チャン)が台湾で創業しました。

当時の半導体会社は、設計から製造まで自社で行うのが当然でした。チャンが作ったのは製造だけを請け負う会社。顧客と競合しないという一点が、この会社のすべてを決めています。

Founded1987年ファウンドリの創出
Rule設計しない顧客と競合しない
Effect参入障壁を下げたファブレスを可能に
AT A GLANCE
ひと目でわかる
FOUNDED
1987
台湾で創業
TURNING POINT
2010年代
Apple・NVIDIAなどの製造を担う
TODAY
現在
日本・米国にも工場
記事中の事実を要約したものです。出典は本文末の「この記事の情報源」をご覧ください。

Chapter 01年表TSMCの歩み

1987台湾で創業モリス・チャンが設立。ファウンドリという業態を作る
1990年代ファブレス企業の台頭を支える設計専業の会社が工場なしで参入できるように
2000年代微細化競争の先頭へ設備投資を継続
2010年代Apple・NVIDIAなどの製造を担う最先端の製造をほぼ独占
2020年代地政学の中心に台湾有事のリスクが世界の関心事に
現在日本・米国にも工場リスク分散と各国の誘致

Chapter 02発明業態そのものを、作った

TSMCが作ったのは製品ではなく業態です。「ファウンドリ」——製造専業の半導体会社という形は、それまで存在しませんでした。

この業態が生まれたことで、工場を持たずに半導体を作れるようになります。NVIDIA、Qualcomm、AMD、Apple。設計専業の会社が次々に生まれたのは、TSMCがあったからです。

一つの業態が生まれると、その周りに新しい産業が生まれる。TSMCは競合を作ったのではなく、顧客を作った。ファウンドリの効果

Chapter 03原則なぜ設計をしないのか

もしTSMCが自社製品を設計すれば、顧客と競合します。顧客の設計情報を見る立場にありながら、同じ市場で戦うという状態は、信頼を成立させません。

設計もする場合製造専業(TSMC)
顧客との関係競合になり得る絶対に競合しない
情報の扱い疑いが生じる預かる立場に徹する
顧客の数限られる業界全体
設備投資の回収自社製品分業界全体の需要

シマノ、Arm、Visa。顧客と競合しないことを原則にした会社が、それぞれの産業で中心にいます。

Chapter 04構造投資を、​集めて回す

最先端の半導体工場は1つで数兆円かかります。1社の製品だけでは回収できない金額です。

TSMCは世界中の設計会社の注文を集めることで、この投資を回収します。Intelが垂直統合で苦しんでいるのは、まさにこの点です。同じ設備でも、回せる量が違えば採算が違う。

Chapter 05現在地1社への​集中が、​リスクになる

最先端の製造がTSMCにほぼ集中していることは、世界の産業にとってのリスクでもあります。台湾の地政学的な状況が、半導体の供給に直結する。

各国がTSMCの工場を誘致し、同社も日本・米国に建設を進めているのはこのためです。効率のための集中が、安全保障上のリスクになるという構造は、供給網全体に共通します。

For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
自社の立ち位置を考えるとき

顧客と競合しないことを原則にできるか。預かる立場に徹することが、情報と信頼の前提になります。

半導体業界の候補者を支援するとき

設計専業と製造専業では必要な能力がまったく違います。ファブレス・ファウンドリ・IDMの区別が前提知識です。

集中のリスクを考えるとき

効率のための集中は、供給の途絶というリスクを生みます。企業が特定の取引先に依存していないかを見る視点にもなります。

KEY POINTS
この記事のポイント
1発明業態そのものを、作ったTSMCが作ったのは製品ではなく 業態 です。「ファウンドリ」——製造専業の半導体会社という形は、それまで存在しませんでした。
2原則なぜ設計をしないのかもしTSMCが自社製品を設計すれば、顧客と競合します。顧客の設計情報を見る立場にありながら、同じ市場で戦う という状態は、信頼を成立させません。
3構造投資を、集めて回す最先端の半導体工場は1つで数兆円かかります。1社の製品だけでは回収できない 金額です。

この記事の情報源

  • 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
  • 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
  • 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。

よくある質問

Q
TSMCはどのような会社ですか?
A
1987年にモリス・チャンが台湾で創業した、半導体の製造だけを請け負うファウンドリ企業です。設計は行わず顧客と競合しません。
Q
なぜ設計をしないのですか?
A
設計すれば顧客と競合してしまい、顧客の設計情報を預かる立場が成立しなくなるためです。競合しないことが業界全体を顧客にできる条件です。
Q
ファウンドリの登場で何が変わりましたか?
A
工場を持たずに半導体を作れるようになり、NVIDIAやQualcommなど設計専業の会社が次々に生まれました。
Q
TSMCへの集中はなぜリスクなのですか?
A
最先端の製造がほぼ1社に集中しているため、台湾の地政学的状況が世界の半導体供給に直結するためです。
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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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