顧客のために動いた結果、顧客のほうから独立を勧められた。ノースサンドは、営業ではなく信頼から生まれた会社である。

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Founder Profile

前田知紘とはノースサンド創業者の経歴・​「スキルよりセンス」・​312社の​エージェントと​組む採用

ナレッジ 2026.09.22
結論|前田知紘とは?

前田知紘(まえだ・ともひろ)は、コンサルティング会社ノースサンドの創業者・代表取締役社長CEO。

この記事の要点

前田知紘氏は、総合コンサルティング会社ノースサンドの創業者で、代表取締役社長CEOです。エンジニアとして10年働き、33歳でベイカレントに転じてコンサルタントに。顧客から「独立するなら仕事を出す」と言われて、仲間と会社を立ち上げました。

  • 1978年広島県生まれ。ベルシステム24、サイベース(現SAPジャパン)でエンジニアとして10年働いた。
  • 2012年、33歳でベイカレントへ。入社3か月で約100人規模の現場のトップに立った。
  • 2015年、当時の部下を中心に約10人で創業。社名は創業の地・江東区北砂に由来する。
  • 掲げるのは「スキルよりセンス」。人間力を「愛嬌・素直さ・しつこさ」と定義する。
  • 取引する人材エージェントは312社。売上は5年で約18倍の261億円になり、2025年に上場した。
前田 知紘まえだ・ともひろ
株式会社ノースサンド 代表取締役社長 CEO

スキルではなく、人間力でコンサルティングを変えようとする創業者。

エンジニア出身スキルよりセンスファンづくり
33歳でコンサルの世界へ
18倍5年間の売上の伸び
312社取引する人材エージェント
10%未満5期連続の離職率
生年月日
1978年5月31日(広島県出身)
学歴
國學院大學 経済学部(2002年卒)
経歴
ベルシステム24 → サイベース(現SAPジャパン) → ベイカレント → ノースサンド創業
創業・上場
2015年7月に設立、2025年11月21日に東証グロース上場

Chapter 01プロフィール経歴の年表

前田知紘氏(まえだ・ともひろ)は1978年5月31日生まれ、広島県出身。株式会社ノースサンドの創業者で、代表取締役社長CEOです。経歴は次のとおりです(上場時の公式資料、インタビュー、報道にもとづく)。

TIMELINE
前田知紘氏の歩み
ENGINEER ─ エンジニアの10年
1978
広島県に生まれる
2002
國學院大學を卒業、ベルシステム24に入社コールセンター向けアプリの開発に携わる
2006
サイベース(現SAPジャパン)に入社データベースの会社で6年間エンジニアとして働く
CONSULTANT ─ コンサルタントへ
2012
ベイカレント・コンサルティングに入社33歳。入社3か月で大規模な現場のトップに
NORTHSAND ─ 創業から上場へ
2015
ノースサンドを設立7月、東京都江東区北砂で。約10人で始める
2016
代表取締役社長に就任
2022
Notionの世界初の販売代理店に
2024
従業員が1,000人を超える
2025
東証グロース市場に上場11月21日
2026
売上261億円2026年1月期。前年比59.5%増
上場時の公式資料、同社の発表、報道にもとづく。

Chapter 02エンジニアの10年「技術力がない」と​言われて

前田氏は、自分には昔からコンプレックスがあったと語っています。中学受験に失敗し、打ち込んだ部活動でも結果が出ず、大学も高学歴とは言えない。学生時代に記念のつもりで戦略コンサルの選考を受けたものの、よくわからず試験の途中で寝てしまったといいます。

2002年に國學院大學経済学部を卒業し、ベルシステム24でコールセンター向けアプリの開発に携わりました。2006年にはデータベースの会社サイベース(現SAPジャパン)に移り、6年間エンジニアとして働きます。

そこでの評価は高くありませんでした。製品や技術の細かい知識は苦手で、会社からは技術力がないと見られていた。一方で、常駐先の顧客とは良い関係を築き、顧客からはプロジェクトに指名されていた。この食い違いが、のちの経営の考え方につながっていきます。

Chapter 0333歳の転身3か月で100人の現場の​トップへ

証券会社のIT部門に常駐していたとき、同じ世代のコンサルタントが顧客の部長や役員と対等に打ち合わせをする姿を見て、コンサルへの転職を決めます。2012年、33歳でベイカレント・コンサルティングに入社しました。

コンサルの経験はほとんどなかったにもかかわらず、入社から3か月で、同じ部門だけで50人、顧客全体で100人ほどのコンサルタントが関わる大きな現場のトップに立ちます。顧客は大手の外資系生命保険会社で、年間100億円規模の巨大なプロジェクトでした。

その現場には、名だたる外資系コンサルの高学歴な人材が大勢いました。ところが前田氏の目には、顧客に認められていないのに自社や自分の賢さを売り込む人が多く映ったといいます。スキルが高くても、相手の気持ちより自分の好む方向へ持っていこうとする。その人たちは、顧客がコスト削減に動いたとき、真っ先に契約を切られていきました。

Chapter 04創業「独立するなら、仕事を出す」

顧客に寄り添い続けた前田氏のチームは、評価を得ていきます。そしてある日、顧客から「あなたが独立するなら、仕事をお願いしたい」と言われました。これが創業のきっかけです。

2015年7月、東京都江東区北砂で株式会社ノースサンドを設立しました。社名の「ノース(北)」と「サンド(砂)」は、この創業の地に由来します。メンバーは、当時のプロジェクトの部下を中心とする約10人。前田氏はその後、2016年7月に代表取締役社長に就いています。

上場時の公式資料は、創業の経緯を前職で顧客の本当のニーズを探る地道な働き方を評価された経験にもとづく、と説明しています。思いやりを持って顧客に寄り添えるコンサルタントが集まり、個人ではなくチームで新しい価値を届ける会社をつくる。それがノースサンドの出発点です。

いまの経営陣にも、ベイカレントでともに働いた人が多くいます。人事を率いる専務取締役CHROはソフトバンクからベイカレントを経て、営業を率いる専務取締役CSOはベイカレントに新卒で入社して、それぞれ創業期に参画しました。

Chapter 05思想スキルより、センス

HUMAN POWER
ノースサンドが定義する「人間力」
AIKYO
愛嬌
プライドを捨てて、自分をさらけ出す。「また来てほしい」と思われる人になる。
SUNAO
素直さ
独りよがりにならず、相手が本当に求めていることを確かめる。
SHITSUKOSA
しつこさ
恥をかいても調べ抜き、最後までやり切る。
上場時の公式資料では、人間力を「愛嬌・素直さ・しつこさ」の3要素と定義している。

前田氏の考え方を一言で表すのが「スキルよりセンス」です。仕事で成果を出すのは、資格や知識よりも、相手を動かす人間力の部分が大きい。人は感情で動くのだから、「この人にまた来てほしい」と思われる人間性がなければ続かない、という考えです。

そのため、ノースサンドは採用でも育成でも、スキルより人を見ます。上場時の公式資料では、人間力を「愛嬌・素直さ・しつこさ」の3つと定義し、研修で教えるのは難しく、人間力のある人が集まる環境に身を置くことで自然と身につくものだと説明しています。

CONSULTING 1.0 → 3.0
前田氏が描く、コンサルの進化
1.0
方法論を教える
顕在化した課題に、専門的な方法論で答える。他社の事例やノウハウを知っていることが価値だった時代。
2.0
人を大量に送り込む
大手が常駐で大人数を送り込み、プロジェクトを回す。前田氏はこれを「高級派遣業」と表現し、コモディティ化していると見る。
3.0
共に成長する伴走者
サービスや新しい事業が形になるまで伴走する。デザインやアートなど、これまでコンサルが呼ばれなかった領域にも広がる。
2022年の就活メディアのインタビューで前田氏が語った内容を、編集部が整理した。

前田氏は、大手が大人数を送り込む今のコンサルを「高級派遣業」と呼び、すでに差がつきにくくなっていると見ています。目指すのは、事業が形になるまで顧客と一緒に走る「コンサル3.0」です。

Chapter 06仕組み「ファンづくりサイクル」

FAN CYCLE
「ファンづくりサイクル」の3つの場面
HIRING
採用で
候補者だけでなく、人材エージェントも「ファン」にする。エージェント向けの感謝イベントを独自に開く。
ORGANIZATION
組織運営で
社長が毎営業日の始業前に全社員へメッセージを送る。月1回の全社員集会で、行動指針を体現した人を表彰する。
CLIENT
営業とコンサルで
提案書を手紙風の「ノースサンドレター」にする。現場では顧客の社員の一員のつもりで、細かい気配りまで徹底する。
上場時の公式資料にもとづき、編集部が整理した。

ノースサンドは、自社の強みを「ファンづくりサイクル」と呼んでいます。採用、組織運営、営業とコンサルのそれぞれの場面で、関わる人を会社のファンにしていく仕組みです。

組織の中では、前田氏が毎営業日の始業前に、全社員へ理念についてのメッセージを送っています。社内の仕事を公募して手を挙げた人が担う「クエスト制度」もあり、評価には会社への貢献も含まれます。

その結果、離職率は5期連続で10%未満(2025年1月期は6.6%)と、コンサル業界としては低い水準を保っています。前田氏は報道のインタビューで、成果が出ない人を放っておくのではなく、合う現場を探したり研修を重ねたりして「見捨てずに伴走する」と語っています。

Chapter 07エージェントとの関係312社と​組む会社

AGENTS
エージェントとの取引は2年で2.5倍、紹介された候補者は4倍超

取引する人材エージェント

127社2023
225社2024
312社2025
2.5倍

エージェント経由の候補者

3,631人2023
10,401人2024
16,110人2025
4.4倍
いずれも1月期。上場時の公式資料による。

エージェントにとって見逃せないのが、ノースサンドが人材エージェントを「ファン」にする対象として明確に位置づけていることです。

日ごろ候補者を紹介してくれるエージェントに感謝を伝えるため、「エージェント感謝祭」や「リクルーターアワーズ」を独自に開いています。取引するエージェントは2023年1月期の127社から、2025年1月期には312社に。エージェント経由の候補者は3,631人から16,110人へと、2年で4倍を超えました。

採用の数字(2025年1月期)内容
応募者数17,857人(選考倍率33倍)
入社者数541人(新卒107人、中途434人)
中途の出身事業会社が89%、コンサル会社が11%
中途応募のうちコンサル業界の外から92.4%

中途の大半がコンサル業界の外から来ていることは、コンサル未経験の候補者を紹介しやすい会社であることを意味します。前田氏は、中途を月30人ほど、新卒を年100人前後のペースで採り続けると語っています。

Chapter 08数字5年で​売上18倍、​そして上場

REVENUE
ノースサンドの売上(億円・1月期)
14.8
2021年
24.1
2022年
44.5
2023年
91.5
2024年
164.2
2025年
261
2026年
384
2027年
予想
上場時の公式資料と決算発表による。2021年1月期から2026年1月期までの5年で約18倍。

売上は2021年1月期の14.8億円から、2026年1月期には261億円へ。5年で約18倍です。2026年1月期の営業利益は55億円と前年の2倍になり、2027年1月期は売上384億円を見込んでいます。

2025年11月21日、東証グロース市場に上場しました。前田氏は資産管理会社を含めて株式の過半を持つ創業者で、報道のインタビューでは売上600億円という目標も語っています。コンサルタントの稼働率は、創業以来90%以上を保っているといいます。

Chapter 09ベイカレントとの距離「クローン」と​呼ばれても

ノースサンドは、ベイカレント出身者がつくり、似た事業の形を持つことから、業界で「ベイカレクローン」の一社と呼ばれることがあります。前田氏はこれについて、報道のインタビューで何も感じないと答えています。

組織
似ているところコンサルタントとは別に営業の専任チームを置く分業
ノースサンドらしいところ営業・コンサル・案件開拓の支援チームの「三位一体」
配置
似ているところ業界や領域でコンサルタントを分けない
ノースサンドらしいところ顧客ごとのきめ細かいアカウント管理
人材
似ているところ未経験者も含めた大量採用
ノースサンドらしいところスキルより「愛嬌・素直さ・しつこさ」を見る

分業の仕組みはベイカレントのBP(営業職)、部門を分けない配置はワンプール制の記事で詳しく解説しています。

Chapter 10エージェントの視点候補者にどう伝えるか

前田氏の経歴・考え方候補者への伝え方
エンジニアから33歳でコンサルへSEや事業会社からの転職でも活躍の道があること
スキルよりセンス面接で見られるのは、愛嬌・素直さ・やり切る力であること
顧客の一員として働く「コンサルらしい」華やかさより、地道な気配りを大切にする社風であること
見捨てずに伴走する離職率が低く、育ててもらえる環境であること

一方で、行動指針には「スピードで圧倒しよう」のような熱量の高い言葉も並びます。人に寄り添う優しさと、やり切る厳しさの両方がある会社だと伝えると、入社後のギャップを防げます。

出身企業のベイカレントについては創業ストーリー・歴史、社長の阿部義之氏の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q
ノースサンドの社長は誰ですか?
A
創業者の前田知紘(まえだ・ともひろ)氏が、代表取締役社長CEOを務めています。
Q
前田知紘の出身大学は?
A
本人はインタビューで「大学も高学歴とは言えない」と語っていますが、大学名は本記事では確認できる公表情報がないため記載していません。学歴よりも、エンジニアとしての10年と、ベイカレントでの経験がキャリアの土台になっています。
Q
前田知紘氏は何者ですか?
A
株式会社ノースサンドの創業者で、代表取締役社長CEOです。1978年広島県生まれ。エンジニアとして10年働いた後、2012年にベイカレント・コンサルティングに入り、2015年にノースサンドを設立しました。
Q
前田知紘氏の経歴は?
A
2002年に國學院大學経済学部を卒業してベルシステム24に入社。2006年にサイベース(現SAPジャパン)に移り、2012年3月にベイカレント・コンサルティングに入社しました。2015年7月にノースサンドを設立し、2016年7月から代表取締役社長を務めています。
Q
ノースサンドの社名の由来は?
A
創業の地である東京都江東区北砂に由来します。「北(ノース)」と「砂(サンド)」を組み合わせた名前です。
Q
ノースサンドはなぜ創業されたのですか?
A
ベイカレント時代、顧客に寄り添う働き方が評価され、顧客から「独立するなら仕事を出す」と言われたことがきっかけです。当時の部下を中心とする約10人で始めました。
Q
ノースサンドが採用で重視することは?
A
スキルより人間力を重視し、「愛嬌・素直さ・しつこさ」の3つを見ます。2025年1月期の中途応募の92.4%はコンサル業界の外からで、未経験者も多く入社しています。
Q
ノースサンドの売上はどれくらいですか?
A
2026年1月期の売上は261億円(前年比59.5%増)、営業利益は55億円です。2021年1月期の14.8億円から5年で約18倍になりました。2025年11月21日に東証グロース市場に上場しています。
まとめ

前田知紘氏は、技術力がないと言われたエンジニアから33歳でベイカレントに転じ、顧客に寄り添う働き方で評価されて2015年にノースサンドを創業した。「スキルよりセンス」を掲げ、人間力を「愛嬌・素直さ・しつこさ」と定義し、人材エージェントまでファンにする仕組みで大量採用と低い離職率を両立させた。売上は5年で約18倍の261億円に達し、2025年に上場している。

出典:各社の公式サイトと開示資料(有価証券報告書・適時開示)、決算説明資料、日本経済新聞・ダイヤモンド・オンライン・ロイター等の報道、本人が登場したインタビュー記事。記事中の数字は各時点の公表値です。
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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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