dodaの調査によれば、AIツールを導入した企業(従業員501名以上)の7割超が、中途採用で求める人材像が「変わった」と回答しています。変化の中心は「AI活用を前提に業務を進められる人材」。これは「AIを使える人」ではなく、AIに任せる部分と人が判断する部分を切り分けられる人を指します。
※出典:doda「転職求人倍率レポート」「転職市場予測2026下半期」、厚生労働省「一般職業紹介状況」、パソナ「転職市場レポート」等の公表値と、それに基づく編集部の整理です(2026年9月時点)。
AIが企業の業務に入ったことで、中途採用の要件が書き換わっています。dodaの2026年2月の調査では、AIツールを導入・活用している企業(従業員501名以上)の7割超が、求める人材像が「大きく変わった」「一部変わった」と回答しました。
変化の本質は、「作業ができる人」の価値が下がり、「判断ができる人」の価値が上がったことです。資料作成、議事録、一次分析、定型の文章:これらはAIが担えるようになった。企業が人に求めるのは、その手前と、その先です。
手前とは「何を作るべきかを決めること」。先とは「出てきたものが正しいか判断し、responsibility を取ること」。この2つは、いまのところAIに任せられません。
したがって、求人票の要件も変わります。「Excelが使える」「資料作成の経験」といった記述が減り、「業務プロセスを設計した経験」「複数部署を巻き込んだ経験」が増えている:これが現場で起きている変化です(AIが求人市場をどう変えたか)。
変化の度合いは職種によって違います。定型業務の比率が高い職種ほど、要件の書き換えが大きい。
| 職種 | AIが担うようになった業務 | 人に求められるようになったこと |
|---|---|---|
| 営業 | 提案書の下書き、メール作成、商談記録の整理 | 顧客の課題定義、複数の意思決定者を動かす、価格の判断 |
| マーケティング | 広告文の量産、記事の下書き、データの一次集計 | 何を測るかの設計、施策の優先順位、ブランドの判断 |
| エンジニア | 定型のコード生成、テストコード、ドキュメント | アーキテクチャの設計、技術選定の根拠、品質の担保 |
| 人事 | 求人票の下書き、スカウト文面、書類の一次選考 | 採用要件の設計、候補者の見極め、組織の判断 |
| 経理・管理 | 仕訳、レポート作成、定型の分析 | 異常の検知、経営への示唆、内部統制の判断 |
| コンサル | リサーチ、資料の骨子、議事録 | 論点の設定、クライアントの説得、実行の推進 |
面談で候補者から最も多く聞くのが「ChatGPTを使っています」という話です。しかし、これは評価されません。いま誰もが使っているからです。
評価されるのは「AIを使って、業務をどう再設計したか」です。具体的には次の3つ。
①何をAIに任せ、何を自分でやると決めたか。切り分けの判断そのものが能力です。「全部任せた」も「使わなかった」も評価されません。
②その結果、何が変わったか。時間が何割減ったか、扱える案件数が何倍になったか、品質がどう変わったか。数字で語れるかが分かれ目です。
③周囲にどう広げたか。自分だけが速くなったのか、チームの標準にしたのか。後者は「業務プロセスを設計した経験」として、要件に直接当たります。
エージェントは面談で、「AIをどう使っているか」ではなく「AIを使って業務をどう変えたか」を聞いてください。この質問に答えられる候補者は、AI時代の要件に合致します(ヒアリング力を上げる質問設計)。
この変化は、エージェント自身にも同じことが起きていると読むべきです。
スカウト文面、推薦文の下書き、求人票の整理、日程調整:これらはAIが担えます。エージェントに残るのは、候補者の本音を引き出すこと、企業に要件を再設計させること、意思決定に伴走すること。
つまり「情報を流す人」から「判断を引き受ける人」へという移行が、エージェントにも求められています(AI時代に生き残るエージェントの条件・AI対AIの採用市場)。
候補者に「AIで業務をどう変えたか」を聞くなら、自分も答えられる状態にあるべきです。ここが、これからの信頼の土台になります(エージェントのAI活用術)。
dodaの調査では、AIツールを導入した従業員501名以上の企業の7割超が中途採用で求める人材像が変わったと回答している。変化の本質は「作業ができる人」から「判断ができる人」への移行で、求人票の要件も「Excelが使える」から「業務プロセスを設計した経験」へ書き換わっている。候補者がアピールすべきはツール名ではなく、何をAIに任せ何を自分でやると決めたか、その結果何が変わったか、周囲にどう広げたかの3点である。
記事の内容を前提にして、あなたの状況に合わせた答えをAIに出させます。質問を入れて「ChatGPTで相談」または「Claudeで相談」を押すと、記事の要点と質問がセットになった状態で開きます。