この記事の要点
- IIJは1992年、制度がない状態から商用インターネット接続を始めた。個人向けの価格競争を避けて法人に特化し、止まらないことに価値を置く顧客を選んでいる。
- 制度が、追いついていなかった
- 個人向けを、やらない
- 支える側の、仕事
- クラウドと、セキュリティ
インターネットイニシアティブ(IIJ)は、法律の想定になかった事業を始めた会社です。1992年、鈴木幸一らが日本初の商用インターネット接続事業者として設立しました。
当時、インターネットは研究機関のものでした。それを企業に売るという行為に、制度上の位置づけがなかった。事業を始める前に、制度と向き合う必要がありました。
Founded1992年制度がない状態から
First1994年日本初の商用接続
Choice法人向け価格競争を避ける
Chapter 01年表インターネットイニシアティブの歩み
1992IIJを設立鈴木幸一ら。商用インターネット接続を目指す
1993郵政省から事業の許可を取得制度がない中での交渉を経て
1994商用サービスを開始日本初のインターネット接続事業
1999ナスダックに上場日本企業として異例
2000年代〜法人向けに特化個人向けの価格競争を避ける
現在法人ネットワークの大手セキュリティ・クラウドも
Chapter 02起点制度が、追いついていなかった
1992年の日本に、インターネット接続を商売にする枠組みはありませんでした。既存の通信事業の分類のどこにも当てはまらない。
IIJは監督官庁と交渉し、事業として成立させる道を作りました。事業を始める前に、事業ができる状態を作る必要があった。
新しい事業は、制度がないところから始まることがある。そのとき最初の仕事は、制度との対話である。商用インターネットの始まり
パソナの人材派遣、ヤマトの宅急便、メドレーのオンライン診療。制度を作るところから始めた事業の系譜です。
Chapter 03選択個人向けを、やらない
インターネットが普及すると、個人向けの接続事業者が乱立し、価格競争が始まります。IIJはこの市場から距離を取りました。
数を追わず、止まらないことに価値を置く顧客を選んだ。企業のネットワークは止まると業務が止まるため、価格より安定性が優先されます。
Chapter 04技術支える側の、仕事
IIJの仕事は、使われていることに誰も気づかない状態を保つことです。つながって当たり前、止まれば問題になる。
評価されにくい一方、失敗が許されない。インフラを担う事業に共通する性質です。
候補者にインフラ系のIT企業を勧めるとき、この評価のされ方を伝える必要があります。華やかな成果は出にくい代わりに、止めない技術が価値になります。
Chapter 05現在地クラウドと、セキュリティ
接続を売る事業は、回線が普及すれば価格が下がります。IIJはセキュリティやクラウド、SIMの提供へ広げました。
つなぐことから、つないだ先を守り、活用することへ。NTTやKDDIと同じく、通信事業者が共通して直面する転換です。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
インフラ系IT企業を勧めるときつながって当たり前という評価のされ方を伝えてください。失敗が許されない代わりに、止めない技術が価値です。
価格競争を避ける選択を見るとき数を追わず、止まらないことに価値を置く顧客を選ぶという道があります。
制度がない領域を理解するとき事業を始める前に、事業ができる状態を作る必要があることがあります。
KEY POINTS
この記事のポイント
1起点制度が、追いついていなかった1992年の日本に、インターネット接続を商売にする枠組みはありませんでした。既存の通信事業の分類のどこにも当てはまらない 。
2選択個人向けを、やらないインターネットが普及すると、個人向けの接続事業者が乱立し、価格競争が始まります。IIJはこの市場から距離を取りました。
3技術支える側の、仕事IIJの仕事は、 使われていることに誰も気づかない状態を保つ ことです。つながって当たり前、止まれば問題になる。
この記事の情報源
- 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1992年設立、日本初の商用インターネット接続事業者です。現在は法人向けのネットワークやセキュリティを手がけています。
A1992年当時、インターネット接続を商売にする法的な枠組みがなく、監督官庁と交渉して事業として成立させる必要がありました。
A個人向けは価格競争になる一方、法人はネットワークが止まると業務が止まるため品質と安定性が優先されるからです。
A接続に加え、セキュリティ、クラウド、SIMの提供などへ広げています。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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