「コンサルファームに営業職はない」は、正確ではありません。デロイト トーマツにも営業専任のポジションがあります。アライアンスセールスエグゼクティブ。SFDC・Oracle・Google Cloud・Microsoftとのアライアンスを軸に、案件を発掘し、営業戦略を立て、クロージングまでを管理する職種です。想定年収1,100〜2,000万円、職位はSenior Manager〜。ベイカレントのBPとは、成り立ちも役割も違います。
※求人条件は2026年1月更新時点の公開求人(JAC Recruitment・デロイト トーマツ採用サイト)に基づきます。募集状況は変動します。
デロイト トーマツが公開している求人に、「アライアンスセールスエグゼクティブ(営業戦略の策定、セリングプロセス管理、提案支援)」というポジションがあります。コンサルタントでもマネージャーでもなく、営業を専任で担う職種です。
所属はCGO Office(Chief Growth Officer Office)もしくはET&P PML。CGO Officeは、ファーム全体の成長戦略を担うミドルオフィス組織で、営業・オファリング企画・アライアンスがここに集約されています。
職務の中核は、求人票の表現を借りれば「Lead Alliance Partner(LAP)と協力してクライアントやアライアンス企業の意思決定者との関係を構築し、案件発掘、効果的な営業戦略の策定、セリングプロセス管理、提案支援、クライアントチームの重要なアドバイザーとして機能する」こと。
つまり、パートナーと並走しながら、案件の入口から契約までを設計する役割です(デロイトの企業研究)。
公開求人に記載されている主な職務は5つです。それぞれが、コンサルファームの営業がどう成り立つかを示しています。
| 職務 | 内容 | 一般的な営業との違い |
|---|---|---|
| ① アライアンス関係構築 | SFDC・Oracle・Google Cloud・Microsoftのいずれかのソリューションに精通し、ベンダーと強固な関係を築いて共同のビジネス機会を創出する | 自社商材ではなく、パートナー企業の製品を起点に案件を作る |
| ② クライアントマネジメントと案件創出 | 既存・新規クライアントとの関係を強化し、ニーズを把握してコンサルティング案件を創出・獲得する | 「提案する商材」が固定されていない。課題から組み立てる |
| ③ 営業戦略の策定・実行 | 市場分析に基づく営業戦略をLAPと策定し、ターゲット市場・クライアントへ展開する。ライセンス・クラウドのリセルやアセット販売も含む | 個別の商談ではなく、市場単位の戦略を作る |
| ④ 社内部門への提案支援 | パートナー・マネージングディレクターと協力し、アライアンス企業のソリューションを用いた付加価値提案の助言・支援を行う | 社内のコンサルタントが「顧客」でもある |
| ⑤ セリングプロセスとパイプライン管理 | 担当アライアンスのパイプラインを管理する | 案件の進捗を数字で管理する、営業マネジメントの機能 |
公開求人の条件は、この職種の位置づけを明確に示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 職位 | Senior Manager〜 |
| 想定年収 | 1,100万円 〜 2,000万円(月額基本給92万〜166万円) |
| 賞与 | 年1回。業績賞与「付加賞与」が記載年収に加算される |
| 勤務地 | 東京(丸の内二重橋ビルディング)。転勤は当面なし |
| 就業時間 | 9:30〜17:30、フレックスタイム制(コアタイムなし)。残業月30時間〜 |
| 英語力 | 初級以上(デロイト側の記載ではビジネスレベル) |
| 選考 | 面接3回 |
| 必要経験 | SFDC・Oracle・Google Cloud・Microsoftいずれかの豊富な販売実績。大規模プロジェクトのセールスサイクル管理5年以上。上級幹部との関係構築経験 |
コンサルファームの営業職として、ベイカレントのBP(ビジネスプロデューサー)が最も知られています。デロイトのこのポジションとは、成り立ちも役割も違います。
ベイカレントBPは、自社のコンサルティングそのものを売る職種です。クライアントの役員層と関係を作り、課題を聞き、案件を組成する。売る商品は「ベイカレントのコンサルタント」であり、営業機能を全社的に独立させた設計です(BPの徹底解説)。
デロイトのアライアンスセールスは、テクノロジーベンダーとの関係を起点にする職種です。Salesforceの案件、Oracleの案件:ベンダーのソリューションを軸に、デロイトのコンサルティングと実装をセットで提案する。営業機能の一部を、アライアンス領域に特化して切り出した設計です。
アクセンチュアにも同様の機能があり、テクノロジーパートナーごとのアライアンス組織を持っています。Big4と総合系ファームでは「アライアンス営業」、ベイカレントでは「BP」。呼び名は違いますが、どちらもパートナーの時間に営業を依存しない構造を作るための職種です(アクセンチュアの企業研究)。
| ベイカレント BP | デロイト アライアンスセールス | |
|---|---|---|
| 売るもの | 自社のコンサルティングそのもの | アライアンス製品を起点にした案件 |
| 起点 | クライアントの経営課題 | テクノロジーベンダーとの関係 |
| 組織上の位置 | HD直下のプロデュース本部(全社の営業機能) | CGO Office(成長戦略組織の一機能) |
| 求められる経験 | 法人営業・既存深耕・役員層との関係構築 | 特定ベンダー製品の販売実績・大規模案件のセールスサイクル管理 |
| 年収の目安 | 30歳プロデューサー1,000万円〜38歳GM4,000万円 | 1,100〜2,000万円(Senior Manager〜) |
| 未経験からの入口 | あり(法人営業出身者の活躍例が多い) | なし(特定領域の販売実績が前提) |
このポジションに接続する候補者は、はっきりしています。
最も直接的なのは、Salesforce・Oracle・Google Cloud・Microsoftの営業経験者です。ベンダー本体の営業、あるいはそれらの製品を扱うSIer・パートナー企業の営業。「その製品を大企業に売り、導入まで見届けた経験」が、そのまま要件になります。
次に、大手SIer・ITベンダーのエンタープライズ営業。5年以上のセールスサイクル管理と、クライアントの役員層と話してきた経験があれば、接続できます。
一方で、接続しにくいのは、無形商材でも人材・広告・金融の営業です。求人票が求めているのは「特定テクノロジーの販売実績」であり、営業スキルの一般論では届きません。ここを見誤ると、書類で落ちます(候補者と企業を同じ解像度で理解する)。
そして伝えるべきは、「コンサルファームに入るが、コンサルタントにはならない」ということです。デリバリーではなく、案件を作る側に回る。この違いを理解しない候補者は、入社後に戸惑います(デロイトの面接対策)。
デロイト トーマツには営業専任の「アライアンスセールスエグゼクティブ」というポジションがあり、CGO OfficeまたはET&P PMLに所属して、SFDC・Oracle・Google Cloud・Microsoftのアライアンスを軸に案件発掘・営業戦略策定・セリングプロセス管理を担う。想定年収1,100〜2,000万円、職位はSenior Manager〜、面接3回。自社のコンサルティングを売るベイカレントBPとは異なり、テクノロジーベンダーとの関係を起点にする点が特徴で、特定ベンダー製品の販売実績が前提となる。
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