ミドル・ハイクラスの支援は、若手支援の延長ではありません。求人は探すものから「作られる」ものへ、面談は指導から「対等な壁打ち」へ。ゲームのルールが変わります。
ミドル・ハイクラス市場の特徴は3つ。①求人が少なく非公開比率が高い ②意思決定の変数が多い(家族・住宅・役職・株式報酬)③候補者側の経験値が高く、担当の力量を数分で見抜く。若手向けの「求人を並べて背中を押す」型は、この市場では機能しません。
支援の重心は、マッチングから市場情報の提供と経歴の翻訳へ移ります。「あなたの経験は、今の市場でどの文脈なら高く売れるか」。この問いに具体で答えられる担当だけが、この層の信頼を得ます。
この層への面談で最初に問われるのは、業界と経営への理解度です。担当領域の業界構造・主要プレイヤーの動き・役職相場を語れない担当は、丁寧でも選ばれません。必読本5選や企業研究レベルの仕込みは、この市場では前提装備です。
話法も変わります。「◯◯すべきです」ではなく「市場ではこう見えます。どうお考えですか」情報を提供し、判断は委ねる。プライドへの配慮ではなく、実際に相手の方がその業界を長く見ているという事実への敬意です。
ミドルの職務経歴書で最も多い失敗は、担当業務の羅列です。この層の書類は、PL(売上・利益・コスト)と組織(人数・育成・変革)への影響で書き直します。「営業部長として20名を統括」ではなく「売上◯億円の事業のPL責任者として、離職率を◯%改善しながら3期連続の増益」。
面接では「実績の再現性」に加えて「環境適応力」(大企業の型を中堅に持ち込めるか等)が問われます。実績の構造化にはThe Process.のプロセス分解が、マネジメント実績にも応用できます。
公開求人が少ない以上、価値の中心は提案型サーチです。候補者の経歴を匿名化し、「こういう人材がいます。◯◯の課題をお持ちなら」と企業側に椅子を作りに行く。RAの開拓力(求人開拓)とCAの翻訳力が合流する、両面型の真骨頂です(構造の記事)。
意思決定支援では、年収の額面だけでなく、役職・裁量・株式報酬・退職金・家族の合意という変数を最初から扱います(家族ブロックの先回り)。決定単価が高いぶん、1件の意思決定の重さも桁違い。この市場の支援は、時間をかける価値のある仕事です。
ミドル・ハイクラス支援は、求人マッチングから「市場情報の提供・経歴の経営言語化・提案型で椅子を作る動き」への転換。面談は対等な壁打ち、書類はPLと組織への影響、意思決定は多変数の設計。若手の型を捨てた担当だけが、この単価の高い市場で信頼を積める。
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