読者別経営者向けマネージャー向けプレイヤー向け保存した記事
THE AGENT›読者別›求人の優先順位設計
Practice Guide

求人に​優先順位をつける​「全部やります」​が​決定数を​減らす理由と、​ポートフォリオの​作り方

RA・法人営業 2026.09.07
この記事の要点

求人を多く持っている会社ほど決定数が多い。これは正しくありません。実態は逆で、求人が多いほど一件あたりに割ける時間が減り、どれも中途半端になる。決定数を増やすために必要なのは、求人を増やすことではなく捨てることです。

※本記事は編集部が実務の設計をもとに構成したものです。数値は一般的な目安であり、企業・領域により異なります。

  • 求人は決まりやすさ×単価の4象限で分類する。全部を同じ熱量で扱うから、どれも決まらない。
  • 死んでいる求人を抱え続けるコストは見えにくい。求人票の更新、候補者への紹介、企業への連絡:すべて時間を食う。
  • 四半期ごとにポートフォリオを組み替える。放置ではなく、意図的に入れ替える運用にする。

なぜ求人が​多いほど決まらないのか

「求人は多いに越したことはない」という前提を、まず疑います。

求人を1件持つと、その求人には見えないコストがかかります。求人票の理解と更新、候補者への説明準備、推薦後のフォロー、企業への定期連絡。1件あたり月に数十分から数時間。これが50件あれば、それだけで週の相当な時間が消えます。

問題は、そのコストが決まらない求人にも等しくかかることです。動いていない求人、要件が厳しすぎて誰も通らない求人、企業側の熱量が落ちた求人。これらを抱え続けることで、決まる求人に割ける時間が削られています。

決定数を増やしたいなら、まずいま持っている求人のうち、どれが本当に決まるのかを仕分けることです。これは求人開拓より優先度の高い作業です。

4象限で​仕分ける

求人を決まりやすさ(候補者を出せば通る確度)と単価(決定時の粗利)の2軸で分類します。

A:主力(決まりやすい×単価高)。最優先。ここに時間の50%以上を投じます。候補者データベースの掘り起こし、専用のスカウト文面、企業との週次連携まで行う価値があります。

B:量産(決まりやすい×単価中低)。効率で回す領域。テンプレート化し、時間をかけずに件数を積みます。新人の育成にも使えます。

C:挑戦(決まりにくい×単価高)。選別が必要です。1〜2件に絞り、関係構築の投資と割り切って取り組みます。全部やろうとすると時間を溶かします。

D:整理対象(決まりにくい×単価低)。切る候補です。ここに時間を使っている限り、決定数は増えません。

象限性質時間配分の目安打ち手
A:主力決まる×単価高50%以上データベース掘り起こし、専用スカウト、週次連携
B:量産決まる×単価中低25%テンプレート化、効率運用、新人育成に活用
C:挑戦決まりにくい×単価高15%(1〜2件に絞る)関係構築の投資と割り切る
D:整理対象決まりにくい×単価低10%以下切る、または一時停止の合意を取る

死んでいる求人の​見分け方

「決まりにくい」の中には、難易度が高い求人と実質的に死んでいる求人が混在しています。後者を見分ける指標を挙げます。

①推薦への返答が遅い・返ってこない。1週間以上の放置が常態化している求人は、社内の優先度が落ちています。②面接設定まで進まない。書類は通るのに面接が組まれない場合、採用の緊急度が下がった可能性があります。

③要件が変わり続ける。推薦のたびに求める人物像がずれる求人は、社内で要件が固まっていません。ここに候補者を出し続けると、候補者の時間も信頼も失います。④半年以上、誰も通っていない。他社エージェントも含めて動いていない求人は、要件と市場の乖離を疑うべきです。

⑤担当者が変わって引き継がれていない。採用の経緯を知る人がいなくなった求人は、判断基準そのものが失われています。

← 図は横にスクロールできます →
返答が遅い 社内優先度の低下 STEP 1 面接が組まれな… 緊急度が落ちた STEP 2 要件が変わり続ける 社内で固まっていない STEP 3 半年誰も通らな… 要件と市場の乖離 STEP 4
難易度が高いのか、動いていないのかを区別する

切り方|​企業との関係を​壊さずに​整理する

求人を整理するとき、関係まで切る必要はありません。むしろ丁寧に伝えることで、信頼が上がる場面です。

有効なのは「一時停止の提案」という形です。「現在の要件では、市場でお応えできる方が限られています。要件を見直していただくか、いったん募集を止めて別ポジションに注力する方が、御社にとって効率的だと考えます」。切るのではなく、提案として整理する。

この伝え方には副次的な効果があります。要件の見直しが始まることがあるのです。「どこを緩められますか」という議論に入れれば、死んでいた求人が生き返る可能性もあります。

逆にやってはいけないのが放置です。推薦せず、連絡もせず、求人だけ抱え続ける。企業側から見れば「あのエージェントは何もしてくれない」という評価になり、次のポジションで声がかからなくなります。切るなら、切ると伝えるのが誠実です(求人ヒアリングの記事)。

四半期ごとの​組み替え運用

ポートフォリオは一度作って終わりではありません。四半期ごとに見直す運用にします。

見直しの手順は4つ。①実績の集計。求人別に、推薦数・面接数・決定数・粗利を出します。感覚ではなく数字で見ます。②象限の再配置。実績をもとに、AだったものがCに落ちていないか、DだったものがBに上がっていないかを判定します。

③整理と補充。Dを整理し、空いた時間で新規開拓を行います。ここで初めて求人開拓が意味を持ちます。時間を空けずに開拓しても、抱えるだけで終わります(求人開拓の記事)。

④企業への共有。A象限の企業には、四半期の振り返りを共有します。推薦数、通過率、市場の反応。これができるエージェントは、単なる供給者からパートナーへ位置づけが変わります。

この運用を回すと、求人数は減るのに決定数は増えるという現象が起きます。時間という有限な資源を、決まるところに集中させているからです(KPI設計・時間術)。

よくある質問

Q
求人は多く持つべきではないのですか?
A
数そのものが目的になると逆効果です。求人1件には求人票の更新、候補者への説明準備、企業への連絡といった見えないコストがかかり、決まらない求人を抱えるほど決まる求人に割ける時間が減ります。
Q
死んでいる求人はどう見分けますか?
A
推薦への返答が遅い、書類は通るが面接が組まれない、要件が変わり続ける、半年以上誰も通っていない、担当者が変わって引き継がれていない、の5点が代表的なサインです。
Q
求人を切ると企業との関係が悪化しませんか?
A
切ると伝えるより「一時停止の提案」という形で伝えると、関係は壊れません。むしろ要件見直しの議論に入るきっかけになることもあります。最も関係を損なうのは、抱えたまま何もしない放置です。
Q
見直しはどれくらいの頻度で行うべきですか?
A
四半期ごとが目安です。求人別に推薦数・面接数・決定数・粗利を集計し、象限を再配置してから整理と新規開拓を行うと、求人数が減っても決定数が増える運用になります。
まとめ

求人は多いほど良いのではなく、抱えるほど一件あたりの時間が減って決定数が下がる。決まりやすさと単価の4象限で仕分け、死んでいる求人を見分けて整理し、空いた時間を主力に集中させることが決定数を増やす近道になる。整理は放置ではなく一時停止の提案として伝えることで、関係を壊さず要件見直しの議論にもつながる。

Ask AIこの記事をもとにAIに相談する

記事の内容を前提にして、あなたの状況に合わせた答えをAIに出させます。質問を入れて「ChatGPTで相談」または「Claudeで相談」を押すと、記事の要点と質問がセットになった状態で開きます。

ChatGPTで相談 →Claudeで相談 →Geminiで相談 →
記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
← ナレッジ一覧に戻る
資料請求立ち上げ・マネジメント・面談の4マニュアル相談はこちら事業立ち上げ・育成・採用の相談(初回無料)
無料相談資料請求