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Market Trend

年収​アップを​目的とした転職相談が​増えている上がる人と​上がらない人を​分ける​3​つの​条件

転職ノウハウ 2026.09.14
この記事の要点

年収アップを目的とした転職相談が増えています。物価上昇に賃金が追いつかない実感と、転職による年収上昇の事例が可視化されたことが背景です。ただし転職すれば上がる、わけではありません。上がる人と上がらない人を分けるのは、業界の選択・職種の連続性・交渉のタイミングの3点です。

※出典:doda「転職市場予測2026下半期」、各社の公表資料と、それに基づく編集部の整理です(2026年9月時点)。

  • 年収が上がる最短ルートは「職種を変えずに、業界を変える」。同じ仕事でも業界で年収水準が違う。
  • 上がらないのは職種も業界も同時に変えるケース。未経験扱いになり、一度下がる。
  • 年収だけで決めた転職は失敗しやすい。上がった理由が「市場価値」ではなく「激務の対価」のことがある。
DEFINITION
年収アップ転職とは
年収アップ転職とは、現職より高い年収条件を得ることを主目的とした転職である。最も確実に年収が上がるのは職種を変えずに年収水準の高い業界へ移るパターンで、職種と業界を同時に変えると未経験扱いとなり一度下がることが多い。

なぜ年収アップ目的の相談が​増えたのか

背景には3つの要因があります。

①物価上昇に賃金が追いついていない実感。名目賃金は上がっていても、実質では目減りしている期間が続きました。「今の会社にいても追いつかない」という危機感が、転職の動機になっています。

②転職による年収上昇が可視化された。口コミサイト、SNS、スカウトの提示年収。自分の市場価値が見えるようになったことで、現職との差が意識されます。

③企業側も年収で採りにいっている。倍率9倍の市場では、条件で競うしかない場面があります。前職より2〜3割高い提示が、珍しくなくなりました(業種別の求人倍率)。

実際、転職理由の1位は一貫して「給与の低さ」です。きれいな志望動機の裏に、この動機があることを前提に面談を設計すべきです(転職率7.2%の意味)。

年収が上がる人と、​上がらない人

転職で年収が動くかどうかは、何を変えるかで決まります。

変えるもの年収への影響理由
業界だけ変える(職種は同じ)上がりやすい経験がそのまま評価され、業界の年収水準の差がそのまま乗る
職種だけ変える(業界は同じ)横ばい〜やや下業界知識は活きるが、職種は未経験扱いになる
職種も業界も変える一度下がる完全な未経験。ポテンシャル採用の水準になる
同業同職種で規模を上げる上がる大手ほど水準が高い。ただし裁量は下がることも
同業同職種で条件交渉のみ小幅市場価値の範囲内でしか動かない
← 図は横にスクロールできます →
業界だけ変える 最も上がりやすい 規模を上げる 大手へ移る 職種だけ変える 横ばい〜やや下 両方変える 一度下がる
職種の連続性が、年収を守る

業界間の​年収差を、​どう使うか

同じ「法人営業3年」でも、業界によって年収水準は数百万円違います。この差は、本人の能力ではなく業界の収益構造から来ています。

利益率が高い業界(コンサル、SaaS、金融、M&A、不動産)は人件費に回せる原資が大きく、利益率が低い業界(小売、外食、一部の製造)は構造的に難しい。努力で埋まる差ではありません。

だからエージェントが示すべきは、「あなたの経験は、どの業界で最も高く評価されるか」という地図です。営業の経験なら、無形商材・高単価・法人向けの業界へ移すほど水準が上がる(営業職の全体像)。

ただし年収が高い業界は、求められる水準も高い。入ってから苦しむケースもあります。年収の話をするときは、必ず「その年収が何の対価か」をセットで伝えてください。

年収だけで​決めた転職が​失敗する理由

年収アップを支援するエージェントが必ず直面するのが、「上がったが、続かなかった」というケースです。

原因は3つ。①上がった理由が「激務の対価」だった。高い年収の裏に、長時間労働や高い数字目標がある。入社後に気づいて消耗します。

②上がった年収が「入社時だけ」だった。初年度は高いが、その後の昇給幅が小さい。3年後・5年後のレンジを確認していないケースです。

③固定残業代を含んだ提示だった。月45時間分のみなし残業を含めた年収。実質の時給で見ると、前職と変わらないことがあります(オファー面談の記事)。

エージェントが示すべきは、「いくら上がるか」ではなく「3年後にいくらになるか」という見立てです。入社時の年収は、キャリアの一点にすぎません(年収交渉の記事)。

よくある質問

Q
転職すれば年収は上がりますか?
A
何を変えるかによります。職種を変えずに年収水準の高い業界へ移るのが最も上がりやすく、職種も業界も同時に変えると未経験扱いになり一度下がります。同業同職種で条件交渉するだけでは、市場価値の範囲内でしか動きません。
Q
なぜ業界によって年収が違うのですか?
A
業界の収益構造の差です。利益率が高い業界(コンサル・SaaS・金融・M&A・不動産)は人件費に回せる原資が大きく、利益率が低い業界は構造的に難しい。本人の能力ではなく、努力で埋まる差でもありません。
Q
年収が上がったのに転職が失敗するのはなぜですか?
A
上がった理由が激務の対価だった、入社時だけ高く昇給幅が小さかった、固定残業代を含んだ提示だった。この3つが典型です。入社時の年収だけでなく、3年後・5年後のレンジと、その年収が何の対価かを確認する必要があります。
Q
年収アップを狙うなら何歳までに動くべきですか?
A
キャリアの選択肢は年齢とともに狭まるため、業界を変えるなら20代のうちが最も有利です。30代では職種の連続性を保つ選択が現実的になり、40代では専門領域の深さで勝負することになります。
まとめ

物価上昇に賃金が追いつかない実感、市場価値の可視化、企業側の条件競争を背景に、年収アップ目的の転職相談が増えている。年収が最も上がるのは「職種を変えずに業界を変える」パターンで、職種も業界も同時に変えると未経験扱いとなり一度下がる。業界間の年収差は収益構造から来るため努力で埋まらない。ただし年収だけで決めた転職は、激務の対価だった・入社時だけだった・固定残業代を含んでいたという理由で失敗しやすく、「3年後にいくらになるか」の見立てが必要になる。

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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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