読者別経営者向けマネージャー向けプレイヤー向け保存した記事
THE AGENT›読者別›転職率7.2%の意味
Market Data

正社員の​転職率​7.2%​は​何を​意味するか過去最高水準が​続く​「転職が​当たり前」​の​時代

業界・制度 2026.09.14
この記事の要点

正社員の転職率は7.2%(2024年度)。過去最高水準が続いています。14人に1人が、1年のあいだに会社を変えている計算です。かつて転職は例外でした。いまは選択肢の一つです。この変化が、エージェントの仕事の前提を変えています。

※出典:厚生労働省「雇用動向調査」、総務省「労働力調査」、doda・パソナ等の公表データと、それに基づく編集部の整理です(2026年9月時点)。

  • 正社員の転職率7.2%は、14人に1人が1年で会社を変える水準。かつての「例外」から「選択肢」へ。
  • 転職理由の1位は給与の低さ。次いで仕事内容への不満。キャリアアップより、現状への不満が動機の中心。
  • 「転職が当たり前」になったことで、エージェントの価値は「動かすこと」から「選ばせること」へ移った。
DEFINITION
転職率とは
転職率とは、その年に転職した人が労働者全体に占める割合である。厚生労働省の雇用動向調査で公表され、正社員では2024年度に7.2%と過去最高水準となった。14人に1人が1年で会社を変えている計算になる。

7.2%という数字の読み方

厚生労働省の雇用動向調査によれば、正社員の転職率は7.2%(2024年度)。過去最高水準が続いています。

この数字を実感に置き換えると、14人の職場で、1年に1人が辞めて別の会社に移るということです。3年で見れば、3人に1人近くが入れ替わる計算になります。

注意すべきは、これは「転職した人」の割合であり、「転職を考えた人」ではないこと。総務省の労働力調査では、転職等希望者は1,023万人。就業者の約7人に1人が「転職したい」と考えています。実際に動く人の3倍が、動かずにいる(市場が伸びる構造)。

つまり市場には、「もう動いた人」7.2%と、「動きたいが動いていない人」がその3倍いる。エージェントが向き合っているのは、後者です。

← 図は横にスクロールできます →
転職等希望者 1,023万人(就業者の約14%) 実際に転職した人 330万人・転職率7.2% エージェント経由 約92万件(常用就職)
希望者の3人に1人が動き、その4分の1が紹介を経由する

なぜ転職率が​上がり続けているのか

転職率の上昇には、3つの構造的な要因があります。

①終身雇用の前提が崩れた。2019年に経団連会長とトヨタ社長が相次いで「終身雇用は限界」と公言しました。維持する側の当事者が言った時点で、暗黙の契約は終わっています(キャリアの原理)。

②転職のインフラが整った。転職サイト、スカウト、エージェント、口コミサイト、SNS。この10年で情報と手段が民主化されました。かつて転職は「伝手がある人」のものでしたが、いまは誰でも始められます。

③心理的なハードルが下がった。ある調査では、退職の心理的ハードルが「下がっている」と感じる理由の1位が「一般的な選択肢となっている」(79.3%)。周囲に転職経験者がいることが、最大の後押しになっています。

ただし同じ調査で、「入社後3年は在籍した方がいい」と思う人が59.2%。動くことは簡単になったが、選び方の規範は残っている。この緊張の中に、いまの候補者はいます。

転職理由の1位は​「給与の低さ」

各種調査で一貫しているのが、転職理由の1位が「給与の低さ」だということです。次いで「仕事内容への不満」「人間関係」が続きます。

ここに、エージェントが誤解しやすい点があります。「キャリアアップしたい」と語る候補者の多くは、実際には現状への不満から動いている。表明された理由と、本当の理由が違うのは普通のことです。

だから面談では、「今回、転職を考え始めたきっかけは、具体的にいつ・何でしたか」と聞く必要があります。抽象的な志望ではなく、具体的な出来事を聞く。ここに本音があります(候補者と企業を同じ解像度で理解する)。

同時に、年収だけで転職先を選ぶと失敗することも伝える必要があります。給与への不満で動いた人が、年収だけで決めて、また同じ不満を抱えて戻ってくる。この循環を止めるのが、エージェントの仕事です(年収交渉の記事)。

転職理由順位の傾向面談で確認すべきこと
給与が低い1位いくら足りないのか。何と比べて低いと感じたのか
仕事内容への不満上位何が不満か。やりたいことか、やりたくないことか
人間関係上位特定の人か、組織の構造か。転職で解決するか
会社の将来性中位事業の実態を理解しているか。憶測ではないか
キャリアアップ表明されやすい具体的に何を得たいのか。本当の動機は他にないか

「転職が​当たり前」の​時代に、​エージェントは何を​売るのか

転職率が上がったことで、エージェントの価値は変わりました。

かつての価値は「動かすこと」でした。転職が例外だった時代、動くという選択肢を示すこと自体に価値があった。

いまの価値は「選ばせること」です。誰もが動ける時代に、どこへ向かうべきかを一緒に決める。情報も手段も民主化された以上、残る問いは「どこへ行くか」だけです。

そして、動くことが簡単になったからこそ、失敗も増えています。年収だけで決めた、雰囲気で決めた、逃げるように決めた。3年で3回転職した候補者の経歴は、市場で評価されにくくなる。

「動かない方がいい」と言えるエージェントが、いまの市場では希少です。転職率7.2%という数字は、エージェントにとって追い風であると同時に、安易に動かすことへの警告でもあります(価値あるエージェントの7条件)。

よくある質問

Q
正社員の転職率はどれくらいですか?
A
2024年度で7.2%と過去最高水準です。14人に1人が1年のあいだに会社を変えている計算になります。一方で転職を希望している人は1,023万人(就業者の約14%)おり、希望者の3人に1人程度しか実際には動いていません。
Q
なぜ転職率が上がっているのですか?
A
終身雇用の前提が崩れたこと(2019年に経団連会長とトヨタ社長が「限界」と公言)、転職サイト・スカウト・口コミなどインフラが整ったこと、そして「一般的な選択肢となっている」(79.3%)という心理的ハードルの低下の3つが要因です。
Q
転職理由で最も多いのは何ですか?
A
給与の低さです。次いで仕事内容への不満、人間関係が続きます。「キャリアアップしたい」と語る候補者の多くも、実際には現状への不満から動いているため、面談では転職を考え始めた具体的なきっかけを聞く必要があります。
Q
転職が当たり前になってエージェントの役割は変わりましたか?
A
変わりました。かつては「動くという選択肢を示すこと」に価値がありましたが、誰もが動ける時代には「どこへ向かうべきかを一緒に決めること」が価値になります。安易に動かさず「動かない方がいい」と言えることも重要です。
まとめ

正社員の転職率7.2%(2024年度)は過去最高水準で、14人に1人が1年で会社を変える計算になる。背景には終身雇用の前提の崩壊、転職インフラの整備、心理的ハードルの低下(「一般的な選択肢」79.3%)がある。転職理由の1位は給与の低さで、キャリアアップという表明の裏に現状への不満があることが多い。動くことが簡単になった市場で、エージェントの価値は「動かすこと」から「選ばせること」へ移り、「動かない方がいい」と言えることが希少になっている。

Ask AIこの記事をもとにAIに相談する

記事の内容を前提にして、あなたの状況に合わせた答えをAIに出させます。質問を入れて「ChatGPTで相談」または「Claudeで相談」を押すと、記事の要点と質問がセットになった状態で開きます。

ChatGPTで相談 →Claudeで相談 →Geminiで相談 →
記事本文の要点(見出しと本文の抜粋)がそのままAIに渡ります。Geminiは自動入力に対応していないため、押すとプロンプトをコピーしてGeminiを開きます。貼り付けて送信してください。候補者の実名・企業の機密は入力しないでください。AIの回答は記事の内容に基づく参考情報です。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
THE
AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
← ナレッジ一覧に戻る
資料請求立ち上げ・マネジメント・面談の4マニュアル相談はこちら事業立ち上げ・育成・採用の相談(初回無料)
無料相談資料請求