ヨミ管理の目的は正確な予測そのものではなく、ギャップを早期に発見して打ち手の時間を確保することです。詰め会になっているヨミ会は、目的を失った儀式です。
ヨミは、決定までの段階ごとに確率を置き、案件金額に掛けて合算します。例:最終面接設定済み60%、オファー提示済み80%、承諾済み90%(入社前事故を織り込む)、といった具合です。確率は自社の過去実績から置き、四半期ごとに実績と突き合わせて補正します。
重要なのは、確率を担当者の「感触」で毎回動かさないこと。段階が同じなら確率は同じ。この規律が、希望的観測というヨミ最大の敵を排除します。
ヨミが外れる典型は3つ。①希望的観測(担当者が自分の玉に甘い)②承諾後の事故の軽視(承諾を100%扱いし、カウンターオファーと入社前辞退を見ない。危険期間の記事参照)③単価のブレ(理論年収の想定が雑で、決定時に金額がズレる)。
補正はそれぞれ、①段階固定の確率+第三者レビュー ②承諾済みに90%前後を置き入社日で計上 ③推薦時に想定年収レンジを記録し、オファーで更新:で対応できます。
| 段階 | 確率の目安 | 置き方の注意 |
|---|---|---|
| 書類推薦 | 5〜10% | 母数管理の段階。金額換算は参考値 |
| 一次面接済み | 20〜30% | 通過連絡ベースで更新 |
| 最終設定済み | 50〜60% | 日程確定を条件にする |
| オファー提示 | 70〜80% | 条件ズレの有無で上下 |
| 承諾済み | 85〜95% | 入社前事故を必ず織り込む |
ヨミ会の目的は、目標とのギャップを早く見つけ、打ち手を仕込む時間を確保することです。「なぜ足りないんだ」という過去への詰問は、数字を1円も動かしません。問うべきは未来です。「最終面接の玉が細い。今週、どの候補者を最終まで進めるか」「新規の面談数が足りない。来週の設定をどう積むか」。
ギャップが見えたら、打ち手は必ずファネルの上流に置きます。月末の決定は今月の面談からは生まれないヨミ管理はタイムマシンの経営です(ファネルの構造はKPI記事)。
個人にとってのヨミは、自分の行動計画表です。決定見込みの合計が目標に届かないなら、どの段階の活動を今週増やすかが自動で決まる。マネージャーにとっては、メンバー間の玉の偏りを見て、案件の再配分や同席支援を判断する材料になります。
ヨミの精度はチームの文化も映します。正直に低い確率を申告しても詰められない心理的安全があって初めて、ヨミは経営の道具になります。マネジメント全般はチームマネジメントの記事で扱います。
ヨミ管理は、段階×確率×単価の金額換算、段階固定の確率規律、承諾後事故の織り込み、上流に打ち手を置くヨミ会運用で「確率の科学」になる。目的は予測の的中ではなく、ギャップの早期発見と打ち手の時間確保。詰め会からの卒業が、売上の再現性への第一歩になる。
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