野村ホールディングスは、1925年創業の野村證券を中核とする日本最大の証券グループです。2026年3月期は純利益3,621億円(前期比+6.3%)で2期連続の過去最高益を更新、税前利益5,398億円、ROE10.1%と、2030年に向けた経営目標「ROE 8〜10%+」を2期連続で達成しました。
業績を牽引したのはウェルス・マネジメント部門(富裕層向けリテール)とホールセール部門(法人・機関投資家向け)で、両部門の税前利益は過去最高。ストック収入(残高連動の収益)が過去最高を更新し、売買手数料に依存した構造からの転換が進んでいます。
有価証券報告書ベースの平均年収は持株会社で1,300万円台(目安)、野村證券の総合職は900〜1,500万円が中心レンジです。この記事では、部門構造、ストック型への転換、年収、キャリア採用と選考をエージェント視点で整理します。
野村證券は1925年、大阪野村銀行の証券部が独立して誕生しました。戦後の証券民主化、高度成長期の株式ブーム、バブル、金融ビッグバン:日本の資本市場の歴史そのものを歩んできた会社です。2001年に持株会社体制へ移行し、2008年にはリーマン・ブラザーズのアジア・欧州部門を買収してグローバル展開を加速しました。
現在の部門構造はウェルス・マネジメント(富裕層・個人)、インベストメント・マネジメント(資産運用)、ホールセール(法人・機関投資家。グローバル・マーケッツとインベストメント・バンキング)、バンキング(2025年4月新設)の4部門。2026年3月期は4部門すべてが堅調でした。
最大の変化は「ストック型」への転換です。かつての証券会社は株式売買の手数料で稼いでいましたが、現在は顧客資産の残高に応じた収益(投資信託・ラップ・投資一任)を積み上げる構造へ。市況に左右されにくい安定収益が過去最高を更新し、2期連続の最高益につながりました(証券業界の完全解説)。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1925年 | 大阪野村銀行の証券部が独立し、野村證券として創業 |
| 1961年 | 東証上場 |
| 2001年 | 持株会社体制へ移行(野村ホールディングス) |
| 2008年 | リーマン・ブラザーズのアジア・欧州部門を買収 |
| 2024年 | 2030年経営ビジョン「Reaching for Sustainable Growth」発表 |
| 2026年3月期 | 純利益3,621億円で2期連続最高益。ROE10.1% |
有報ベースの平均年収は持株会社で1,300万円台(目安)。ただし持株会社の従業員は本社機能が中心のため、野村證券の営業職の実態とは異なります。野村證券の総合職では900〜1,500万円が中心レンジです。
部門による差が大きいのが証券の特徴です。リテール(ウェルス・マネジメント)は基本給+成果連動の賞与で、支店営業では担当顧客の預かり資産と収益によって差が出ます。ホールセール(IBD・マーケッツ)は外資系に近い報酬体系で、ジュニアでも1,000万円超、VP以上で2,000万円超が目安です。
初任給は総合職で月30万円台前半。若手のうちは同期横並びに近く、30代以降で部門と成果によって大きく開く。この構造を候補者に伝えるべきです。
| 階層 | 年収レンジ(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 若手総合職(20代) | 500〜800万円 | 支店営業・本社。同期横並びに近い |
| 中堅(30代・リテール) | 800〜1,200万円 | 預かり資産と収益で差が出る |
| ホールセール(アソシエイト〜VP) | 1,000〜2,500万円 | 外資系に近い報酬体系 |
| 管理職・部長級 | 1,500〜2,500万円 | 支店長・部長クラス |
純利益
3,621億円
2期連続最高益
税前利益
5,398億円
2030年目標を達成
ストック収入
過去最高
残高連動の安定収益
富裕層・個人投資家
ウェルス・マネジメント
野村
証券・資産運用・IBD・バンキング
企業・機関投資家
資金調達・M&A・運用
※数値は有価証券報告書・決算資料・採用ページなどの公表値と、転職エージェント各社の調査に基づく概算です。非上場企業の年収は公開情報・口コミをもとにした目安です(2026年9月時点)。
2026年3月期の業績を作ったのはウェルス・マネジメント(富裕層向けの資産運用提案)とホールセール(M&Aアドバイザリー、株式・債券の引受、トレーディング)です。特にIBDは日本のM&A・資本市場の活況を取り込み、堅調なモメンタムを維持しています。
2025年4月に新設したバンキング部門は、富裕層向けの貸出・信託・エージェント業務を担い、証券と銀行の垣根を越えた提案を可能にしています。「証券会社」から「総合金融」への広がりです。
2030年の経営目標はROE 8〜10%+の安定達成と、税前利益5,000億円超。2026年3月期にすでに達成しており、次の目標設定が注目されています。一方、デジタル・アセット関連事業は市況悪化で損失を計上しており、新領域の収益化は課題です。
キャリア採用は部門ごとに募集されています。リテール(支店営業・富裕層担当)、ホールセール(IBD・マーケッツ・リサーチ)、資産運用、コーポレート(IT・リスク・コンプライアンス)と、入口が明確に分かれています。
リテールは他業界の営業経験者も採用対象ですが、証券外務員資格の取得が前提です。ホールセール(IBD)は投資銀行・FAS・戦略コンサル・PE出身者が中心で、選考は外資IBDに近い(投資銀行への転職)。コーポレートは金融IT・リスク管理・規制対応の専門職が対象です。
エージェントとして押さえるべきは、「野村に入りたい」ではなく「野村のどの部門か」です。リテールとIBDでは、仕事も評価も年収レンジもまったく違います。ここを整理せずに応募すると、志望動機が噛み合いません(金融専門職の全体像)。
リテール:「顧客との関係をどう築くか」「数字への向き合い方」。IBD:「案件経験とバリュエーション」「なぜ日系の野村か」。コーポレート:「専門領域の実務」。部門ごとに面接の性質が異なります。
推薦しやすいのは、①他の証券会社・銀行のリテール営業経験者 ②投資銀行・FAS・コンサル出身でIBDを狙う人 ③金融IT・リスク管理・コンプライアンスの専門職 ④富裕層向けビジネス(プライベートバンク・不動産)の経験者。
候補者に伝えるべきは、ストック型への転換により、リテールの仕事が「売買を勧める」から「資産全体を預かる」へ変わっていることです。この変化を理解した候補者は、面接での言葉が変わります。
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「野村のどの部門か」を特定し、ストック型への転換を理解した候補者を送り出してください。
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