この記事の要点
- アイリスオーヤマは1958年の町工場から、オイルショックの打撃を機にメーカーへ転換した。稼働率を7割に抑えて機会を逃さない設計と、生活者の不満から発想するユーザーインが特徴である。
- 下請けの、脆さ
- 稼働率を、上げない
- 不満から、商品を作る
- 東北での、雇用
アイリスオーヤマは、在庫を持つことを前提にしたメーカーです。1958年、大山森佑が大阪でプラスチック加工の町工場として創業しました。
通常の製造業は在庫を嫌います。アイリスは逆に工場の稼働率を7割に抑え、余力を常に残す。需要が動いたときにすぐ作れる状態を保つためです。
Founded1958年町工場から
Rule稼働率7割余力を残す
Typeユーザーイン不満から商品を作る
Chapter 01年表アイリスオーヤマの歩み
1958大山ブロー工業所を創業大阪でプラスチック加工
1970年代オイルショックで打撃原料高騰。下請けの脆さを痛感
1970年代〜自社製品へ転換園芸用品などメーカー化
1990年代〜家庭用品・家電へ「なるほど家電」
2010年代家電・食品・LED東日本大震災後に東北で雇用を拡大
現在生活用品の総合メーカーユーザーインの発想
Chapter 02危機下請けの、脆さ
オイルショックで原料が高騰したとき、下請けだったアイリスは価格転嫁ができず大きな打撃を受けました。
取引先が決めた仕様で、決めた価格で作る。自分で何も決められない立場の危うさを経験します。
下請けは安定して見えるが、環境が変わったときに何も決められない。自分で決める部分を持つことが、生き残る条件になる。下請けからの脱却
この経験から、自社製品を持つメーカーへ転換しました。危機が、事業の形を変えた。
Chapter 03設計稼働率を、上げない
工場は稼働率が高いほど効率的です。しかしアイリスは7割程度に抑える方針を取ります。
効率を犠牲にして、機会を取る。ZARAの速度、丸亀製麺の店内製麺と同じ、あえて非効率を選ぶ判断です。
Chapter 04発想不満から、商品を作る
アイリスは「ユーザーイン」という考え方を掲げます。技術から発想するのではなく、生活者の不満から発想する。
透明な衣装ケース(中が見える)、切れ味の落ちないカッター。不便だと思っていたことを解く商品が多い。
小林製薬の「あったらいいな」、BASEの母の相談。不満は、最も確実な商品の種です。
Chapter 05現在地東北での、雇用
東日本大震災の後、アイリスは東北での生産と雇用を拡大しました。被災地で人を雇うという判断です。
企業の社会的な役割は、寄付ではなく事業として雇用を作ることで果たされる面があります。山崎製パンの供給、パソナの雇用創出と同じ視点です。
For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
余力の意味を考えるとき稼働率を上げきると、急な機会に対応できません。余力を残す判断があります。
不満から発想するとき技術からではなく、生活や業務の不満から商品や仕組みを考える方法があります。
下請け的な立場を評価するとき自分で決められる部分がどれだけあるかが、環境変化への強さを決めます。
KEY POINTS
この記事のポイント
1危機下請けの、脆さオイルショックで原料が高騰したとき、下請けだったアイリスは 価格転嫁ができず 大きな打撃を受けました。取引先が決めた仕様で、決めた価格で作る。
2設計稼働率を、上げない工場は稼働率が高いほど効率的です。しかしアイリスは 7割程度に抑える 方針を取ります。
3発想不満から、商品を作るアイリスは「ユーザーイン」という考え方を掲げます。技術から発想するのではなく、生活者の不満から発想する 。
この記事の情報源
- 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
- 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
- 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
- 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
よくある質問
A1958年、大山森佑が大阪でプラスチック加工の町工場として創業しました。
A需要が動いたときにすぐ作れる余力を残すためです。効率を犠牲にして機会を取る判断です。
A技術からではなく生活者の不満から商品を発想する考え方です。
Aオイルショックで価格転嫁ができず打撃を受け、自分で何も決められない立場の危うさを経験したためです。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
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株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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