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Founding Story

Sansan​(Bill One)​の​展開名刺管理の​会社が、​請求書という​「次の​紙」​に​向かうまで

創業ストーリー 2026.09.20
この記事の要点
  • SansanのBill Oneは、名刺をデータにする技術の対象を請求書へ変えた横展開である。困っている受け取る側から入り、電子帳簿保存法やインボイス制度という制度変更が需要を押し上げた。
  • 一つの発想を、別の対象に当てる
  • 受け取る側から入る
  • 制度が需要を作る
  • 次の「紙」はどこにあるか

Sansanが最初に扱ったのは名刺でした。会社に届く紙で、そのままでは活かされないもの。それをデータに変えることが事業になりました。

2020年に始めた「Bill One」が扱うのは請求書です。名刺と請求書は、まったく違う書類に見えます。しかし構造は同じ——会社に届く紙を、データに変える。

Start名刺2007年から
Extend請求書2020年から
Logic会社に届く紙同じ発想を別の対象へ

Chapter 01年表名刺から請求書へ

2007Sansan創業寺田親弘ら。法人向け名刺管理から
2012個人向け「Eight」名刺アプリとして
2019東証マザーズに上場名刺管理の最大手として
2020「Bill One」を開始請求書の受領をデジタル化
2021〜電子帳簿保存法・インボイス制度制度変更が需要を押し上げる
現在名刺・請求書・契約へビジネス文書のデータ化

Chapter 02構造一つの発想を、別の対象に当てる

日東電工に「三新活動」という考え方があります。新しい技術を作るより、既存の技術の新しい用途を探す。Sansanの展開は、その現代版です。

名刺をデータにする技術——紙を読み取り、正確に構造化し、システムに入れる——は、請求書でもそのまま使えます。新しい技術を開発したのではなく、同じ技術の対象を変えた。

事業を広げるとき、新しい能力を身につけるより今ある能力が使える別の対象を探すほうが速い。技術の横展開

Chapter 03設計受け取る側から入る

請求書には、送る側と受け取る側があります。Bill Oneが選んだのは受け取る側です。

理由は明快で、困っているのは受け取る側だからです。送る側は自社の形式で出せばよいが、受け取る側は取引先ごとにバラバラの形式が届きます。紙、PDF、メール添付、郵送。これを整理する作業が発生する。

困っている側から入ると、導入の理由を説明する必要がありません。提案ではなく、解決として受け取られる。

Chapter 04環境制度が需要を作る

電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の開始。これらは企業に請求書の扱いを見直すことを強制しました。

制度企業に何を迫ったか生まれた需要
電子帳簿保存法電子取引データの電子保存受領した請求書の電子管理
インボイス制度登録番号の確認と記載要件請求書の自動チェック

Hacobuの2024年問題、SmartHRの年末調整の電子化と同じで、制度の変更が最も確実な需要の源です。制度を読むことは、事業機会を読むことでもあります。

Chapter 05現在地次の「紙」はどこにあるか

名刺、請求書、契約書。会社に届く紙はまだあります。見積書、納品書、稟議、申請書。同じ発想が使える対象が残っている限り、この事業は広がります。

人材紹介でも同じ問いが立てられます。自社が持っている能力——候補者の話を聞いて整理する、企業の要件を言語化する——が使える別の対象はあるか。横展開は、まず自社の能力を言語化することから始まります。

For Agentsこの物語を、面談でどう使うか
自社の事業拡張を考えるとき

新しい能力を身につけるより、今ある能力が使える別の対象を探すほうが速い。まず自社の能力を言語化してください。

顧客企業の課題を探すとき

困っているのは送る側か受け取る側か。困っている側から入ると、提案ではなく解決として受け取られます。

制度変更を追うとき

法改正は最も確実な需要の源です。人材領域でも、労働法や社会保険の改正が顧客の課題を作ります。

KEY POINTS
この記事のポイント
1構造一つの発想を、別の対象に当てる日東電工 に「三新活動」という考え方があります。新しい技術を作るより、 既存の技術の新しい用途を探す 。
2設計受け取る側から入る請求書には、送る側と受け取る側があります。Bill Oneが選んだのは 受け取る側 です。
3環境制度が需要を作る電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の開始。これらは企業に 請求書の扱いを見直すことを強制 しました。

この記事の情報源

  • 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
  • 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
  • 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
  • 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。

よくある質問

Q
Bill Oneとは何ですか?
A
Sansanが2020年に開始した請求書の受領をデジタル化するサービスです。名刺管理と同じ「会社に届く紙をデータにする」発想を請求書に適用しています。
Q
なぜ受け取る側から始めたのですか?
A
送る側は自社の形式で出せばよいのに対し、受け取る側は取引先ごとにバラバラの形式が届いて困るためです。
Q
制度変更が需要を作るとはどういう意味ですか?
A
電子帳簿保存法やインボイス制度が企業に請求書の扱いの見直しを迫り、それが直接サービスの需要になったということです。
Q
事業を横展開するコツは?
A
新しい能力を身につけるより、今ある能力が使える別の対象を探すことです。そのためにまず自社の能力を言語化する必要があります。
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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.20
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