「ベイカレントは激務か」への正確な答えは、「平均は穏やかで、分散が大きい」です。公式開示の平均残業は月25時間。ただしその数字は、案件・職位・時期によって大きく上下する現場の実態を平均でならしたものです。
※年収レンジは転職エージェント各社の調査・口コミに基づく推計、業績・残業時間は公式開示(決算資料・採用サイト)に基づきます(2026年9月時点)。
ベイカレントは採用サイトで平均残業時間を開示しており、2026年2月期は月25時間です。1日あたり約1時間強。コンサルティング業界に対する「激務」のイメージからすると穏やかな数字で、コンサルタント5,590名(期末)を抱える組織として稼働管理が制度化されていることの表れでもあります。
ただし、この数字を「毎日1時間残業で帰れる」と読むのは誤りです。平均は分布を隠します。クライアントワークである以上、納期前や炎上案件では稼働が跳ね、落ち着いた案件では定時退社も普通に起きる。両者をならした結果が25時間です。候補者に伝えるべきは平均値ではなく、この分散の構造です。
稼働を左右する第一の変数は案件です。ワンプール制(業界・機能で部門を分けない体制)は多様な経験を積める一方、アサインされる案件によって稼働も内容も大きく変わります。システム開発のPMO案件と、戦略テーマの短期案件では、働き方の質がまったく違います。
第二は職位。コンサルタント層は与えられたタスクの遂行が中心ですが、マネージャー以上はデリバリーの責任に加え、下位職の育成、次の案件につなげる提案活動、クライアント経営層への対応が常時乗ります。年収1,300万円超の職位は、負荷の構造も別物だと理解しておく必要があります。第三は時期。四半期末やプロジェクトの山場に稼働が集中するのは、どのファームにも共通です。
就活・転職時点では「転勤がない」「首都圏勤務」「自社オフィスが綺麗」という点がワークライフバランス面の魅力として語られます。転勤リスクがなく、オフィス環境が整っていることは事実です(社内イベントや環境は企業ページで紹介)。
一方、口コミレベルではクライアント先への常駐・通勤が首都圏の遠方になるケースが指摘されています。業界全体でデリバリー品質のために出社を求める傾向が強まっており、在宅勤務を強く希望する候補者にはミスマッチのリスクがあります。「首都圏勤務」と「都心で在宅中心」は同じではない。候補者の働き方の希望が具体的であるほど、この点は入社前に確認すべき事項です。
同じ会社で、バランスを保てる人と消耗する人が分かれるのは、能力差だけではありません。在籍者の証言を総合すると、①アサインの希望を言語化して伝え続けている(希望が通る保証はないが、伝えない人には回ってこない)②稼働の山を予測し前倒しで動く ③マネージャーとの1on1で負荷を早期に共有する、という共通点があります。
エージェントの実務としては、「激務ですか?」という候補者の問いに「平均25時間です」と答えるのではなく、分散の構造と、それを乗り切る動き方まで伝えることが支援の質になります。時間単価の観点から年収を再評価する視点は年収の記事で、コンサルという選択の全体像は「コンサルはやめとけ」の検証記事もあわせてどうぞ。
ベイカレントの働き方は「平均は穏やか、分散は大きい」。公式の平均残業25時間の下には、案件・職位・時期による大きな幅があり、特にマネージャー以上は負荷の構造そのものが変わる。出社・通勤の実態も含めて、平均値ではなく分散の構造を伝えることが、候補者への誠実な支援になる。
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