サイバーエージェントは一つの会社ではなく、広告・ABEMA・ゲーム・AIという4つの事業と、100社超の子会社の集合体です。同じ「サイバーエージェント」でも、広告営業とゲーム開発とABEMAの編成では、仕事も文化も年収も別物。この記事は、その違いを整理し、候補者がどこに入るべきかを判断する地図にします。
※本記事は公開情報・決算資料・口コミ・支援実務の一般的な傾向に基づく解説です。選考・処遇は職種・時期により異なります(2026年9月時点)。
サイバーエージェントの事業は、2025年9月期の決算で次の構成です。売上の過半を広告が占め、成長と利益の伸びをメディア&IPとゲームが担っています(企業研究)。
| 事業 | 売上(2025年9月期) | 営業利益 | 主な子会社・組織 | 局面 |
|---|---|---|---|---|
| インターネット広告 | 4,612億円(+6.1%) | 176億円(−14.0%) | 広告事業本部・CyberZ・CyberACE・AI事業本部 | 堅調。AI新規事業に投資中 |
| メディア&IP | 2,315億円(+15.7%) | 73億円(10年ぶり黒字) | AbemaTV・WINTICKET・アニメIP | 黒字化。投資回収期へ |
| ゲーム | 大幅増収 | 利益倍増 | Cygames・QualiArts・アプリボット・Colorful Palette | 大型ヒット。2026年は反動見込み |
| AI(横断) | 広告事業内 | — | AI事業本部・AI Lab | 広告制作の自動化から新規事業へ |
広告事業は、運用型広告の代理・運用を中心に、国内最大手の規模を持ちます。2025年9月期は下半期に大型顧客の離脱がありながらも売上+6.1%と堅調でした。営業利益が−14.0%なのは、AI事業への投資によるものです。
仕事は、広告営業(クライアント担当)、運用コンサルタント、クリエイティブ、AI開発に分かれます。求める経歴は広告代理店・デジタルマーケの出身者が中心で、数字への強さと、志向性の両方が問われます。
この事業の変化はAI化です。「極予測AI」など広告クリエイティブの自動生成を進め、人が担う仕事を「作る」から「設計する」へ移しています。AI事業本部は広告事業の内部に置かれ、現場から実装を広げる構造です(マーケティング職の全体像)。
メディア&IP事業は、ABEMA(動画配信)、WINTICKET(競輪・オートレース投票)、アニメIPで構成。2016年のABEMA開局以来、10年間赤字を続けて投資し、2025年9月期に事業として黒字化、2026年9月期第1四半期にはABEMA単体でも四半期黒字を達成しました。
仕事は、編成・コンテンツ制作、配信技術・エンジニア、広告営業(ABEMA向け)、IP企画など。求める経歴はテレビ局・映像制作・メディア・エンジニアで、「テレビの次を作る」という事業の性格に共感できるかが問われます。
エージェントとして押さえるべきは、「投資フェーズから回収フェーズへ移った」という局面です。これまで「赤字部門」と見られていた事業が、収益を出し始めた。この転換点にいる意味を候補者に伝えられるかどうかです。
ゲーム事業はCygames(ウマ娘・グランブルーファンタジー)、QualiArts(学園アイドルマスター)、アプリボット、Colorful Palette(プロジェクトセカイ)などの子会社で構成。2025年9月期は複数の大型ヒットと海外展開で利益が倍増しましたが、2026年9月期は反動を見込んでいます。
重要なのは、ゲーム子会社は本体とは別の会社だということです。採用も、報酬体系も、文化も異なる。Cygamesは大阪・佐賀にも拠点を持ち、ゲーム業界の経験が実質的に必須です。「サイバーエージェントに入る」つもりでCygamesに応募すると、ずれが起きます。
報酬はヒット時の賞与が大きく、波のある事業の性格が処遇にも表れます。安定より、当たったときの上振れを求める人に向いています(任天堂・DeNAとの比較も)。
候補者を送る前に確認すべきは3点。①求人がどの事業・どの会社のものか。本体の広告事業本部か、AbemaTVか、Cygamesか。②候補者の経歴がどの事業に接続するか。広告代理店→広告、メディア・映像→ABEMA、ゲーム業界→Cygames、AI・データ→AI事業本部。③その事業の局面。広告は堅調・投資中、ABEMAは回収期、ゲームは反動見込み。
この3点を整理せずに「サイバーエージェント」と一括りで提案すると、志望動機が噛み合わず、志向性の面接で落ちます。逆に、事業を特定して提案した候補者は、面接での言葉が変わります(転職難易度・面接対策・創業ストーリー)。
サイバーエージェントは広告(売上4,612億円)・メディア&IP(ABEMA・2,315億円)・ゲーム(Cygamesほか)・AIの4事業と100社超の子会社の集合体で、同じ社名でも仕事・文化・年収は別物になる。広告は安定収益の柱でAI化を進め、ABEMAは10年の投資が回収に入り、ゲームは大型ヒットの反動を見込む局面にある。エージェントは求人がどの事業・どの会社のものか、候補者の経歴がどこに接続するか、その事業の局面を確認してから提案すべきである。
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