
サイバーエージェントは、1998年に藤田晋氏が創業したインターネット企業です(創業ストーリー)。インターネット広告で国内最大手、ABEMA、ウマ娘・学園アイドルマスターなどのゲーム、そしてAI事業と、「メディア・広告・ゲーム・AI」を一社で持つ構造を築いてきました。
2025年9月期は売上8,740億円(前期比+9.1%、創業以来28期連続増収)、営業利益717億円(+78.9%)、純利益317億円(+98.2%)。ABEMA開局以来10年間投資を続けたメディア&IP事業が黒字化し、ゲーム事業が大型ヒットで利益を倍増させた「転換点」の期でした。2026年9月期第1四半期も売上2,323億円(+14.0%)・営業利益233億円(2.8倍)と、四半期として過去最高を更新しています。
有価証券報告書ベースの平均年収は914万円で、国内IT企業ではメルカリに次ぐ水準。「若手抜擢」で知られる人事制度と、離職率9.1%という数字が示す組織の性格を含めて、この記事では事業構造・年収・働き方・中途採用と選考をエージェント視点で整理します。
サイバーエージェントの出発点はインターネット広告です。1998年、藤田晋氏が24歳で創業し、広告代理事業で急成長。2000年に東証マザーズ上場(当時最年少社長)。その後、アメーバブログでメディアへ、スマホゲームでゲームへ、2016年のABEMA開局で動画へと、広告で稼いだ利益を次の事業に投資し続ける経営を貫いてきました。
現在の事業は4つ。①インターネット広告。売上4,612億円で国内最大手。運用型広告とAI活用が軸。②メディア&IP。ABEMA、WINTICKET、アニメIP。売上2,315億円(+15.7%)で、2025年9月期に10年ぶりの黒字化。③ゲーム。Cygames(ウマ娘)、QualiArts(学園アイドルマスター)など。2025年9月期は複数の大型ヒットと海外展開で利益が倍増。④AI。AI事業本部が広告制作の自動化から新規事業まで担う。
2025年9月期が「転換点」と呼ばれる理由は、ABEMAという10年の先行投資が回収に入り、ゲームという波の大きい事業が同時に当たったことです。2026年9月期はゲームの反動を見込んで営業利益500〜600億円の計画ですが、第1四半期は233億円と計画を上回るペースで進んでいます(年収の記事・働き方の記事)。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1998年 | 藤田晋氏(24歳)が創業。インターネット広告代理事業 |
| 2000年 | 東証マザーズ上場(当時最年少社長) |
| 2004年 | アメーバブログを開始。メディア事業へ |
| 2011年 | Cygamesを設立。スマホゲームで急成長 |
| 2016年 | ABEMA開局。10年の先行投資が始まる |
| 2021年 | 『ウマ娘 プリティーダービー』が大ヒット |
| 2025年9月期 | 売上8,740億円・営業利益717億円。ABEMAを含むメディア&IPが10年ぶり黒字 |
| 2026年9月期1Q | 売上2,323億円(+14%)・営業利益233億円(2.8倍)。四半期で過去最高 |
サイバーエージェントは9月決算です。2026年9月期の第3四半期(2026年4〜6月)は、四半期として過去最高の売上高を更新し、あわせて通期の業績見通しを大幅に上方修正しました。
売上は伸びた一方で、四半期の営業利益は前年同期を下回りました。事業別に見ると、ゲーム事業の営業利益が前年同期を下回ったことが大きく影響しています。一方でゲームの第3四半期までの累計営業利益は509億円と大きく伸びており、1年を通して見ると好調です。
出典:株式会社サイバーエージェント 2026年9月期 第3四半期 決算説明資料。増減率は前年同期比。
決算説明資料では、中長期の戦略として独自の強みを生かしたオリジナルIP(作品・キャラクターなどの知的財産)の創出を掲げています。3つの事業が、それぞれ違う役割でIPを育てる構図です。
約3,000万WAU(週間利用者)。IPを多くの人に届ける
ネット広告で国内トップクラス。IPの認知を広げる
スマホゲームで国内No.1。IPを収益に変える
IP3つの事業が重なる中心に、オリジナルIPを置く
転職を考える人にとっては、広告で稼ぎ、ABEMAとゲームでIPを育てるという全体像を理解しておくと、どの事業に配属されても自分の仕事の位置づけを説明しやすくなります。面接でも、「どの事業のどの役割に関心があるか」を、この構図と結びつけて話せると評価されやすくなります。
有報ベースの平均年収は914万円で、国内IT・インターネット企業ではメルカリ(1,176万円)に次ぐ水準。楽天(851万円)、LINEヤフー(902万円)を上回ります。
報酬は年俸制で、グレード制により職務と成果でレンジが決まります。特徴は若手の昇給速度です。「若手抜擢」を制度化しており、20代で子会社社長や事業責任者になる例が珍しくありません。実力があれば年齢に関係なく年収が上がる設計です。
職種別では、エンジニア・データサイエンティスト・クリエイターは市場相場を反映して高めに設定され、広告営業は成果連動の色があります。ゲーム事業(Cygamesなど子会社)は本体とは別の報酬体系で、ヒット時の賞与が大きい構造です。
一方で離職率9.1%という数字は、挑戦の機会と同時に入れ替わりもある組織であることを示します。抜擢される人と、そうでない人の差が明確に出る。これを「機会」と見るか「厳しさ」と見るかで、向き不向きが分かれます(サイバーエージェントの年収は高いのか)。
| 階層 | 年収レンジ(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 若手(20代前半) | 450〜650万円 | 新卒・第二新卒の入口。グレード制 |
| 中堅(20代後半〜30代前半) | 700〜1,000万円 | 平均年収に到達する層。抜擢で跳ねる |
| リーダー・マネージャー | 1,000〜1,400万円 | 事業・組織の責任者 |
| 子会社社長・執行役員 | 1,500万円〜 | 20代での就任例も |
売上高
8,740億円
28期連続増収
営業利益
717億円
+78.9%
平均年収
914万円
有報ベース
ユーザー
ABEMA視聴者・ゲームプレイヤー・ブログ利用者
広告・メディア&IP・ゲーム・AI
広告主(企業)
運用型広告の出稿主
※数値は有価証券報告書・決算資料・採用ページなどの公表値と、転職エージェント各社の調査に基づく概算です。非上場企業の年収は公開情報・口コミをもとにした目安です(2026年9月時点)。
収益の構造は明快です。インターネット広告が安定した利益を稼ぎ、その利益をメディアとゲームに投資する。2025年9月期の広告事業は売上4,612億円・営業利益176億円(AI新規事業への投資で−14%)と、投資を続けながらも堅調でした。
メディア&IP事業は、ABEMAの広告収入・課金収入、WINTICKET(競輪・オートレース投票)の手数料、アニメIPのライセンスで構成。10年間の赤字を経て黒字化し、2026年9月期第1四半期にはABEMA単体でも四半期黒字を達成しました。「テレビの次」への投資が、収益として実り始めています。
ゲーム事業は、ヒットの有無で業績が大きく動く領域です。2025年9月期は『学園アイドルマスター』など複数の大型ヒットと海外展開で利益が倍増しましたが、2026年9月期は反動を見込んでいます。この波を、広告とメディアの安定収益で受ける。それがサイバーエージェントの事業設計です。
AIは横断テーマです。広告制作の自動化(極予測AI)、AIを使った新規事業、社内の生産性向上。「AI事業本部」を広告事業内に置き、広告の現場から実装を広げる形を取っています。
中途採用はエンジニア、データサイエンティスト、広告営業・コンサルタント、クリエイター(デザイナー・映像)、ゲームプランナー、AI、コーポレートと幅広く、本体と子会社(Cygames、AbemaTVなど)で別々に募集されます。
選考は書類 → 面接2〜3回で、職種によって技術課題やポートフォリオが入ります。同社の選考の特徴は、「実績より志向性」。何をやってきたかより、この会社で何をやりたいか、どんな挑戦をしたいかが問われることです(面接対策の記事で詳しく扱っています)。
エージェントとして押さえるべきは、「サイバーエージェントのどの事業・どの会社か」を特定することです。広告とゲームとABEMAでは、仕事も文化も報酬も違う。本体か子会社かでも変わります。「サイバーエージェントに入りたい」ではなく「ABEMAの○○を担いたい」まで落とすと、志望動機に説得力が出ます。
もう一つが文化への適合です。若手抜擢、挑戦を促す制度(あした会議、CA36など)、そして成果への明確な評価。「安定した仕組みの中で働きたい」候補者には、離職率9.1%という数字の意味を伝える必要があります。
「なぜサイバーエージェントか(どの事業で何をしたいか)」「自分で挑戦して失敗した経験」「これまでの実績より、これからやりたいこと」。エンジニアは技術面接、クリエイターはポートフォリオ、営業は数字の深掘りがあります。
推薦しやすいのは、①Web・アプリ・データ・AIのエンジニア ②広告代理店・デジタルマーケの営業・運用経験者 ③ゲーム・エンタメ・動画の企画・制作経験者 ④若くして裁量を持ちたい20代の事業企画・営業。
候補者に伝えるべきは、2025年9月期が転換点であり、ABEMAとゲームという投資が実り始めている局面だということ、そして若手抜擢と離職率9.1%は表裏一体だということです。この両面を理解した候補者は、面接での言葉が変わり、入社後の定着率も上がります。
同じネット大手のメルカリ・LINEヤフー・楽天・DeNA、創業の物語はサイバーエージェントの創業ストーリーもあわせてご覧ください。
「どの事業・どの会社か」を特定し、若手抜擢と離職率の両面を理解した候補者を送り出してください。
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