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人材紹介とは​仕組み・手数料・流れ・選び方を、​業界の内側から

業界・制度 2026.09.28
公的データで読む人材紹介の手数料相場|職種別の手数料率と6か月離職率 起業・独立の全体像人材紹介で起業する方法|手順・許可要件・資金・事業設計
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島田 龍太THE AGENT編集長 / 株式会社Sync Ascent 代表取締役

商社を経て、創業期の株式会社アサイン…でマーケティング部門の立ち上げと、創業者直下でのエージェント業務を経験。続く人材紹介会社ではコンサル支援事業部の立ち上げを担い、事業部統括及び両面型エージェントとして年間売上No.1・年間1億円以上を達成。大手スカウト媒体で最高位のSランク認定。累計で数千名のキャリア支援に携わる。

この記事は、現場での経験をもとに書いています。プロフィールと編集方針

この記事の要点

人材紹介とは、厚生労働大臣の許可を受けた人材紹介会社が、人材を採用したい企業と転職したい求職者の間に立ち、両者の出会いと入社までを支援する成功報酬型のサービスです。

  • 費用は入社が決まったときだけ。手数料は理論年収×30〜35%前後が一般的で、早期退職時の返金規定がある。
  • 市場は約9,835億円(2024年度)と4年で約1.9倍に拡大。一方で就職実績のある事業所は半分以下で、紹介会社選びが成果を分ける。
  • 成果を左右するのは会社の看板より、担当エージェントの業界知識と、企業との情報共有の深さ。

「人材紹介」は、中途採用でもっとも広く使われている採用手法の一つです。一方で、仕組みや手数料の考え方、紹介会社の中で実際に何が起きているかは、外からは見えにくいものです。

この記事は、人材紹介会社で企業と候補者の両方を担当してきた立場から、人材紹介の全体像を、公的なデータと現場の実感の両方で整理したものです。採用を検討している企業の方にも、これから業界で働く方にも使える内容にしています。

人材紹介とは

人材紹介とは、企業から求人の依頼を受けた人材紹介会社が、要件に合う求職者を探して推薦し、面接の調整や条件の交渉などを通じて入社までを支援するサービスです。法律上は職業安定法にもとづく「有料職業紹介事業」にあたり、事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要です。

FIG.1人材紹介の仕組み
企業人材を採用したい
人材紹介会社厚生労働大臣の許可を受けて、企業と求職者の間に立つ
求職者転職したい
企業と紹介会社の間:求人の依頼・要件の相談/候補者の推薦・日程調整・条件交渉。入社が決まったら手数料を支払う
紹介会社と求職者の間:登録・面談/求人の提案・書類と面接の支援・入社までのフォロー。求職者は原則無料
最終的に雇用契約を結ぶのは企業と求職者。紹介会社は雇用主にはならない(ここが人材派遣との最大の違い)。
紹介会社は企業と求職者の両方を支援するが、雇用契約は企業と求職者の間で結ばれる。

求職者は原則として無料で利用でき、企業は採用が決まったときにだけ手数料を支払います。成果が出るまで費用がかからないことが、人材紹介の最大の特徴です。

データで見る、​人材紹介の市場

厚生労働省が事業者の報告をまとめた最新の集計(2024年度、2026年3月公表)から、市場の姿を確かめます。

MARKET|民営職業紹介の手数料収入(億円)
2020年度5,240
2021年度6,315
2022年度7,703
2023年度8,362
2024年度9,835

出所:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」。

約9,835億円手数料収入(前年度比17.6%増)
約89万件有料紹介を通じた常用就職
約103万円常用就職1件あたりの手数料

出所:同上。

手数料収入は4年で約1.9倍に拡大しました。人手不足が続き、企業が「自社だけでは出会えない人材」に対価を払う流れが強まっています。

46%ACTIVE就職実績のある事業所有料職業紹介事業所30,561のうち13,946(2024年度)

出所:同上。

一方で、報告を出した有料職業紹介事業所30,561のうち、実際に就職の実績があったのは13,946と半分以下です。紹介会社の数は多くても、成果を出している会社は限られます。どの会社・どの担当者に依頼するかが、採用の成否を大きく左右するということです。

人材紹介の​3つの種類

種類仕組み向いている採用費用の特徴
登録型(一般型)紹介会社に登録した求職者から、要件に合う人を推薦する。総合型と、業界・職種の特化型がある中途採用全般。即戦力・専門職成功報酬が中心
サーチ型(ヘッドハンティング)登録者に限らず、人脈や独自の調査で転職を考えていない層にも接触する経営幹部・希少な専門職着手金が必要な場合がある
再就職支援型(アウトプレースメント)事業縮小などで退職する社員の再就職を支援する人員整理を行う企業送り出す企業が費用を負担

手数料の​相場と計算方法

手数料は、採用した人の理論年収(入社1年目の想定年収。賞与や手当を含むことが多い)に、契約で決めた手数料率をかけて計算するのが一般的です。手数料率の相場は30〜35%前後で、専門性の高い職種やエグゼクティブ層ではそれ以上になることもあります。

FIG.2紹介手数料の計算例
210万円紹介手数料
=
600万円理論年収(入社1年目の想定年収)
×
35%手数料率(契約で決める)
手数料率35%、理論年収600万円の場合の例。手数料率は紹介会社や契約によって異なる。

法律上の手数料のルール

職業安定法では、紹介会社が企業から受け取る手数料について、法律で定められた上限の範囲で受け取る「上限制手数料」と、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表にもとづく「届出制手数料」の2つの方式が定められています。多くの紹介会社は届出制手数料で、年収の一定割合を手数料として定めています。また、求職者からは原則として手数料を受け取ることができません。

返金規定

多くの紹介会社は、紹介した人が短期間で自己都合退職した場合に手数料の一部を返す返金規定(返戻金制度)を設けています。対象期間や返金の割合は会社によって異なるため、契約前に必ず確認します。

入社後の退職時期返金の割合(一例)
1か月以内手数料の80%前後
1〜3か月以内手数料の50%前後
3〜6か月以内手数料の10〜30%前後

紹介会社に課されている、主なルール

ルール内容
実績の情報提供就職者数、無期雇用で就職した人のうち6か月以内に離職した人の数、手数料、返戻金制度などを、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で公表する
手数料率の実績の公表2025年4月から、職種ごとの手数料率の実績の公表も義務になった
転職の勧誘の禁止紹介して無期雇用で就職した人に、就職から2年間は転職を勧めてはならない
お祝い金の禁止求職者に「就職お祝い金」などの金銭を渡して登録や就職を誘うことは禁止

依頼先を選ぶときは、「人材サービス総合サイト」で許可番号とあわせて、6か月以内の離職者数や手数料の実績を確認できます。見るべきは紹介の件数だけではありません。紹介した人が定着しているかです。

メリットと、​注意点

企業にとってのメリット注意したいこと
費用入社が決まるまで費用がかからない1人あたりの採用単価は、求人広告より高くなりやすい
出会える人材求人広告では出会えない、転職市場に出ていない人材や専門人材に出会える要件を絞りすぎると、紹介が来にくくなる
工数候補者探し・日程調整・条件交渉を任せられる任せきりだと、社内に採用の知見がたまらない
情報非公開で募集でき、市場の相場や候補者の本音が分かる紹介会社との情報共有が浅いと、ミスマッチが起きる

ほかの採用手法との​違い

手法雇用主費用が発生するとき向いている採用
人材紹介採用企業入社が決まったとき(成功報酬)即戦力・専門職・非公開の採用
人材派遣派遣会社派遣期間中の時間単価期間限定の人手の確保
求人広告採用企業掲載したとき(応募の有無によらない)多くの人に広く知らせる採用
ダイレクトリクルーティング採用企業データベースの利用料や成功報酬自社で候補者を探して口説ける体制がある
採用代行(RPO)採用企業委託した業務の範囲採用業務そのものを外部に任せたい
ヘッドハンティング採用企業着手金+成功報酬が多い経営幹部・ごく希少な人材

依頼から​入社までの流れ

一般的に、依頼から入社までは2〜3か月ほどかかります。候補者が在職中か、離職中かによっても変わります。

FIG.3人材紹介の利用の流れ
約2〜3か月依頼から入社まで
01|問い合わせ・ヒアリング採用の背景・求める人物像・条件を伝える
02|基本契約の締結手数料率・支払時期・返金規定を確認して契約
03|求人票の作成紹介会社と相談しながら、要件と魅力を言葉にする
04|候補者の探索・面談紹介会社が登録者や独自の手段で候補者を探し、面談する
05|推薦・書類選考履歴書・職務経歴書に推薦文を添えて推薦される
06|面接日程調整や合否連絡は紹介会社が行う
07|内定・条件の確認条件の提示や交渉、懸念の払拭を紹介会社が支援
08|入社入社日の調整や入社までのフォロー
09|手数料の支払い入社日を起点に請求されるのが一般的
紹介会社の中では、この裏側でエージェントが候補者の面談・求人提案・選考対策を進めている。

紹介会社の内側で、エージェントが実際にどのように動いているかは転職エージェントという仕事で、業務フローとして詳しく紹介しています。

紹介会社の​選び方

  • 採用したい業界・職種で、紹介の実績があるか
  • 担当者が、その業界と職種を深く理解しているか(担当者自身の経歴も参考になる)
  • 企業担当と候補者担当を1人が兼ねる両面型か、分ける分業型か。分業型なら担当同士の連携の質
  • 推薦の理由を、自社の評価軸の言葉で説明してくれるか
  • 厚生労働大臣の許可番号と、6か月以内の離職者数などの公表情報を確認したか
  • 手数料率・支払時期・返金規定が、契約書で明確になっているか

両面型と分業型の違いは両面型と分業型(RA/CA)で詳しく比較しています。

紹介会社の内側から見た、​成果を上げる使い方

企業と候補者の両方を担当してきた経験から言えるのは、同じ紹介会社でも、企業によって紹介の質がまったく変わるということです。エージェントは、情報をくれる企業の求人ほど、自信を持って候補者に提案できるからです。

企業がすることエージェントの動きが変わる理由
募集の背景と、活躍している人の実例を伝える「なぜ今この人が必要か」を候補者に語れるようになり、応募の質が上がる
必須と歓迎の要件を分け、優先順位をつける推薦の的が絞れ、書類の通過率が上がる
見送りの理由を、具体的に返す次の推薦の精度が上がる。理由のない見送りが続くと、紹介は後回しになる
選考をすばやく進め、結果を早く返す候補者の熱が冷めず、他社に先を越されない
会社の弱みも正直に伝えるエージェントが候補者に正直に説明でき、入社後のミスマッチと早期退職が減る
人材紹介は、依頼して待つサービスではない。
エージェントを「社外の採用チーム」として扱う企業ほど、良い人と出会える。
FOR AGENTS
このナレッジを、面談でどう使うか
01仕組みを一言で説明できる企業と求職者の間に立ち、入社が決まったときにだけ手数料が発生する、許可制の成功報酬型サービス。
02数字で市場を語れる手数料収入約9,835億円、1件あたり約103万円。就職実績のある事業所は半分以下。
03企業に使い方を提案する背景・要件の優先順位・見送り理由・スピードの4つを、企業と一緒に整える。

よくある質問

Q
人材紹介とは何ですか?
A
厚生労働大臣の許可を受けた人材紹介会社が、人材を採用したい企業と転職したい求職者の間に立ち、推薦・面接の調整・条件の交渉などを通じて入社までを支援する、成功報酬型のサービスです。
Q
人材紹介の手数料の相場はいくらですか?
A
採用した人の理論年収(入社1年目の想定年収)の30〜35%前後が一般的です。たとえば理論年収600万円で手数料率35%なら、手数料は210万円です。専門性の高い職種やエグゼクティブ層ではそれ以上になることもあります。
Q
人材紹介と人材派遣の違いは何ですか?
A
人材紹介では企業と求職者が直接雇用契約を結び、入社時に手数料を支払います。人材派遣では派遣会社が雇用主となり、企業は派遣期間中の料金を支払います。
Q
求職者は人材紹介を無料で使えますか?
A
はい。職業安定法により、紹介会社は求職者から原則として手数料を受け取ることができないため、求職者は無料で利用できます。
Q
紹介された人がすぐに辞めた場合はどうなりますか?
A
多くの紹介会社は、入社後の一定期間内に自己都合で退職した場合に手数料の一部を返す返金規定を設けています。対象期間と返金の割合は会社ごとに異なるため、契約前に確認が必要です。
Q
人材紹介会社の実績はどこで確認できますか?
A
厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、許可番号のほか、就職者数、無期雇用就職者のうち6か月以内に離職した人の数、手数料、返戻金制度、職種ごとの手数料率の実績を確認できます。
Q
人材紹介の市場規模はどれくらいですか?
A
厚生労働省の集計では、2024年度の民営職業紹介の手数料収入は約9,835億円で、前年度より17.6%増えました。有料紹介を通じた常用就職は約89万件です。
まとめ

人材紹介は、許可を受けた紹介会社が企業と求職者の間に立ち、入社が決まったときにだけ手数料が発生する成功報酬型のサービスである。手数料は理論年収の30〜35%前後、市場は約9,835億円に拡大している。成果を分けるのは会社の看板よりも担当エージェントの知識と、企業との情報共有の深さ。紹介会社を社外の採用チームとして使うことが、良い採用への近道になる。

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本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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AGENT
執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.28
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