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コンサルティングファームの​歴史11​ファームの​系譜を​1​本にまとめる​【シリーズ​目次】​

業界・制度 2026.09.07
この記事の要点

コンサルティング業界の勢力図は、偶然ではなく歴史の産物です。1926年シカゴの一つの事務所から始まった分裂、優秀な個人のスピンアウトの連鎖、規制が生んだ分離、そして一つの事件による再編。今日のファームの性格は、来歴を辿ると驚くほど明快に説明できます。

本シリーズは11ファームの歴史を8本の記事に分けて解説します。このページはその目次と、業界全体の地図です。

  • 業界の起点は1926年、シカゴ大学教授ジェームズ・O・マッキンゼーの事務所。ここからマッキンゼーとカーニーが枝分かれした。
  • 戦略系はマッキンゼー(1926)→BCG(1963)→ベイン(1973)とスピンアウトで連鎖。人が辞めて作る歴史だった。
  • 総合系は制度が形を決めた歴史。監査の独立性という要請が分社を促し、2001年のエンロン事件がBig4体制を確定させた。

シリーズ目次|8本の記事で11​ファームを追う

各ファームの創業者・年次・社名変更・分裂・統合・日本進出・事件を、それぞれの記事で詳しく扱います。関心のあるファームから読み進めてください。

業界100年の​見取り図|4つの時代

個別の記事に入る前に、全体の構造を押さえておくと理解が早くなります。コンサルティング業界の100年は、大きく4つの時代に分けられます。

1886–1939

黎明期

会計と科学的管理法が交わるところに「経営を助言する職業」が生まれた時期です。マッキンゼーの創業と、業界最初の分裂が起こりました。

1963–1980s

戦略の時代

BCGとベインが登場し、経験曲線やPPMといった戦略の方法論が確立しました。この時期に各ファームが日本へ進出します。

1989–2002

IT・分離の時代

会計事務所からコンサル部門が切り離されていった時期です。アンダーセンの分社化と、エンロン事件によるBig4体制の確定が起こりました。

2003–現在

総合化とDXの時代

戦略ファームが実行力を、総合ファームが戦略機能を取り込んで互いに近づきました。あわせて日系の独立ファームが台頭しています。

コンサル業界100年の4つの断層

すべての起点|​1926年、​シカゴの一つの事務所

業界の起源は、1926年にシカゴ大学の会計学教授ジェームズ・O・マッキンゼーが開いた事務所です。看板には「accountants and management engineers(会計士・経営工学士事務所)」と記されていました。会計とエンジニアリングの交差点。ここから、今日の巨大産業が生まれます。

1937年の創業者急逝を経て、1939年に事務所は分裂。今日のマッキンゼーとカーニーは、この一つの事務所を共通の祖先に持つ兄弟です。

James O. McKinsey & Company
1926 / CHICAGO
マービン・バウアーが率いる。ニューヨーク
McKinsey, A.T. Kearney and Company
トム・カーニーが率いる。シカゴ

詳細はマッキンゼーの歴史とカーニーの歴史で扱います。

歴史から読み解く、今日の勢力図

11ファームの歴史を並べると、3つの構造が見えてきます。

第一に、戦略系は「人が辞めて作る」歴史でした。マッキンゼーの分裂からカーニーが生まれ、ADLからヘンダーソンが出てBCGを作り、BCGからベインが独立した。優秀な個人が思想の違いで独立し、新しい方法論を打ち立てる。この連鎖が業界の多様性を生みました。現代の日本で「ベイカレントクローン」が生まれている現象は、この歴史の反復とも読めます。

第二に、総合系は「制度が形を決めた」歴史でした。監査の独立性という制度的要請がアンダーセンの分社を促し、エンロン事件とSOX法がBig4体制とアビームの独立を生んだ。ファームの形は経営判断だけでなく、規制によって決まってきたのです。

第三に、両者は今、互いに近づいています。戦略ファームがデジタル実装組織を持ち(BCG Digital Ventures)、総合ファームが戦略ブランドを抱える(Strategy&、EY-Parthenon)。「戦略系か総合系か」という区分は歴史的な出自の話であって、今日の業務内容の区分としては年々曖昧になっています。

転職支援の​実務で、この歴史が効く2つの場面

ひとつは候補者の経歴を正しく読むことです。「デロイト トーマツ コンサルティング在籍」が2003年以前なら現アビームの系統、2008年以降なら現DTCの系統。年次と社名の対応を知らなければ、経験の意味を取り違えます(アビームの歴史で詳述)。

もうひとつはファームの文化を説明すること。ベインの結果主義、カーニーの独立志向、アクセンチュアの実装力は、いずれも創業と危機の物語に根を持っています。数字や年収表では語れないその背景を伝えられる担当者は、候補者の志望動機の質そのものを変えられます。

各ファームの現在の年収・働き方・選考は、コンサルの年収記事・激務の実態記事・アクセンチュア・ベイカレントの各ページで扱っています。

よくある質問

Q
コンサルティング業界で最も古いファームはどこですか?
A
会計事務所を源流とするBig4のネットワークが最も古く、デロイトは1845年ロンドン創業です。経営コンサルティングに限れば1914年創業のブーズ・アンド・カンパニー(現Strategy&)や、1926年創業のマッキンゼー(およびそこから分かれたカーニー)が最初期にあたります。
Q
マッキンゼーとA.T.カーニーはなぜ名前が似ているのですか?
A
もともと同じ事務所だったためです。1926年の事務所が創業者の急逝を経て1939年に分裂し、シカゴ側をトム・カーニーが率いました。1947年にマッキンゼー名称の権利が売却され、A.T. Kearneyとなりました。
Q
なぜBig4は4社なのですか?
A
Big8と呼ばれた8事務所が、1987年のKPMG誕生、1989年のEY誕生、1998年のPwC誕生で5社になり、2002年のアーサー・アンダーセン解体で4社になりました。最後の一歩だけは合併ではなく消滅です。
Q
このシリーズはどのファームを扱っていますか?
A
マッキンゼー、BCG、ベイン、カーニー、アクセンチュア、Big4(デロイト・PwC・EY・KPMG)、アビーム、ベイカレントの計11ファームを、8本の記事で扱っています。
まとめ

コンサルティング業界は1926年シカゴの一つの会計事務所から始まり、分裂(マッキンゼーとカーニー)、スピンアウトの連鎖(BCG、ベイン)、制度による分離(アンダーセン、アビーム)、事件による再編(エンロンとBig4)を経て今日の姿になった。戦略系は人の独立が、総合系は規制が形を決め、いまや両者は互いに近づいている。各ファームの詳細はシリーズ8記事で。

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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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