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Founding Story

エムスリーの​創業​ストーリー創業者​・​谷村格、​MR​が​医師を​訪ね歩く非効率を、​一つの​サイトで​解いた

創業ストーリー 2026.09.07
この記事の要点

2000年当時、製薬会社は約5万5千人のMRに医師を訪ね歩かせていました。医師は薬の効能を短時間で知りたいのに、面談は重くて非効率。この双方の不満を、創業の翌月に始めた一つのサービスが同時に解きます。

※本記事は当該企業の公式サイト(沿革・創業ストーリー)、有価証券報告書、Wikipedia日本語版・英語版、経営者インタビュー記事等の公開情報をもとに編集部が構成しました(2026年9月時点)。年次は資料により差異がある項目があり、複数の出典で確認できた年を採用しています。

  • 創業は2000年9月、谷村格。マッキンゼーのパートナーとしてヘルスケアを担当していた人物で、So-netの出資を受けてソネット・エムスリーを設立した。
  • 創業翌月に「MR君」を開始。複数の製薬会社が一つのプラットフォームを共有する、世界的にも例のない仕組みだった。
  • 国内医師のカバー率は9割超。創業から15年ほどで時価総額1兆円を突破し、日本を代表するヘルスケア企業になった。
Founded2000年
Founder谷村格
Categoryインターネット・EC
この記事は創業ストーリーのシリーズです。

Chapter 01コンサルタントが​見ていた、二つの不満

谷村格は国際基督教大学(ICU)を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。1999年、34歳でパートナー(共同経営者)に就任します。当時としては大きな抜擢でした。

ヘルスケア領域を担当していた彼は、業界の両側から相反する不満を聞いていました。医師は「薬の効能を短時間で知りたい」。一方で製薬会社は、約5万5千人のMR(医薬情報担当者)に医師を訪ね歩かせており、面談コストが重く効率も悪い。

この構造をどう解くか。彼はソネット(So-net)に一つの提案を持ちかけます。それが、後の主力事業となる「MR君」でした。そして提案を進めるなかで、彼自身がマッキンゼーを辞めて事業をやることになります。

Chapter 022000年9月、​そして翌月のMR君

2000年9月、So-netの出資を受けて東京都品川区にソネット・エムスリー株式会社が設立されました。谷村がマッキンゼーから独立しての創業です。

その翌月、2000年10月にMR君のサービスが始まります。これは、複数の製薬会社が一つのサイトを通じて多数の医師に情報を届ける共通基盤でした。医師は必要な情報に短時間でアクセスでき、製薬会社は訪問コストを抑えて情報を届けられる。双方の不満が一度に解ける設計です。

複数の製薬会社が同一プラットフォームを共有するという構造は、当時世界的にも例がありませんでした。

2000.09

ソネット・エムスリーを設立

マッキンゼーのパートナーだった谷村格が、So-netの出資を受けて東京都品川区に創業しました。

2000.10

MR君のサービスを開始

複数の製薬会社が一つのサイトから多数の医師へ情報を届ける共通基盤で、主力事業の原型となりました。

2003.07

医療専門サイトm3.comの運営を開始

2つの医療情報サイトを統合し、ブランドを一本化しました。

2004

東証マザーズに上場

2007

東証一部に上場

製薬向けマーケティング支援が伸び、高い営業利益率で注目を集めました。

2011以降

海外の医師ポータルを次々に買収

英国・中国・フランスなどの現地ポータルを取り込み、グローバルに医師ネットワークを広げました。

2015頃

時価総額1兆円を突破

創業から約15年での到達となりました。

エムスリーの主な沿革

Chapter 03固定費の軽さが​生んだ、​高い利益率

2003年7月、2つの医療情報サイトを統合してm3.comの運営を開始。ブランドが一本化され、医師ポータルとしての地位が固まっていきます。

同社の事業は固定費がかかりにくい構造を持ち、製薬企業向けマーケティング支援は50%近い営業利益率をたたき出しました。国内医師のカバー率は2009年時点で約6割、2019年には約9割に達します。

背景には産業構造の変化もありました。医療費削減の圧力からMRの人数は2013年度をピークに減少が続き、製薬会社の営業はインターネットとデータの活用へシフトします。創業時に見た非効率が、業界全体で解消に向かったのです。

社内には戦略コンサルティングファーム出身者が多数在籍し、実力主義の文化で知られます。50を超える事業を抱え、0→1、1→10、10→100とさまざまなフェーズが同居する組織になりました。

Founder's Words

「医師と製薬会社、双方の不満を一度に解く」

谷村格

同社の事業設計を要約する考え方です。片側だけを便利にするのではなく、二つの立場の非効率を一つの仕組みで解いたからこそ、国内医師カバー率9割という圧倒的な地位が築かれました。

Chapter 04エージェントがこの​物語から読み取るべきこと

エムスリーは、「業界の非効率を、両側から同時に解く」という事業設計の教科書のような会社です。片側だけを便利にするのではなく、医師と製薬会社という二つの立場の不満を一つの仕組みで解いたからこそ、圧倒的なシェアが取れました。

コンサルタントの転職先として同社を提案する場面は多いはずです。その際、創業者がマッキンゼーのパートナーであり、提案を自ら実行するために独立したという文脈は、DeNAの南場智子と並ぶ強い訴求材料になります(DeNAの創業ストーリー)。

KEY POINTS
この記事のポイント
1コンサルタントが見ていた、二つの不満谷村格は国際基督教大学(ICU)を卒業後、 マッキンゼー・アンド・カンパニー へ。単価や手数料の設計も同じ構造です。安くするのではなく、何を含めて何を外すかを決めることが、支援の形を決めます。
22000年9月、そして翌月のMR君2000年9月、So-netの出資を受けて東京都品川区にソネット・エムスリー株式会社 が設立されました。同じ型が別の市場で通じるかは、前提条件が同じかで決まります。成功例をそのまま当てはめない見極めが要ります。
3固定費の軽さが生んだ、高い利益率2003年7月、2つの医療情報サイトを統合して m3.com の運営を開始。チームの成果は、能力の合計ではなく役割の噛み合い方で決まります。同じ強みの人だけを集めない設計が要ります。

よくある質問

Q
エムスリーの創業者は誰ですか?
A
谷村格です。マッキンゼー・アンド・カンパニーで1999年に34歳でパートナーに就任し、ヘルスケア領域を担当した後、2000年9月にソネット・エムスリーを創業しました。
Q
MR君とはどんなサービスですか?
A
複数の製薬会社が一つのサイトを通じて多数の医師へ情報を届ける共通基盤です。2000年10月に開始され、複数社が同一プラットフォームを共有する仕組みは当時世界的にも例がないものでした。
Q
なぜ営業利益率が高いのですか?
A
固定費がかかりにくい事業構造のためです。製薬企業向けマーケティング支援は50%近い営業利益率を記録し、国内医師のカバー率は約9割に達しています。
まとめ

エムスリーは2000年、マッキンゼーのパートナーだった谷村格がSo-netの出資を受けて創業した。医師の「短時間で知りたい」と製薬会社の「訪問コストが重い」という双方の不満を、創業翌月に始めたMR君が一つの仕組みで解いた。国内医師カバー率9割超、創業約15年で時価総額1兆円を突破している。

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この記事の情報源

  • 各社の有価証券報告書・適時開示(沿革、業績、資本構成など)
  • 企業の公式サイト(沿革、会社概要、代表メッセージ)
  • 創業者・経営者が登場した公開インタビューおよび寄稿
  • 新聞・経済メディアの報道
確かめられていないこと創業当時の社内の詳しい経緯や、公表されていない数値については、一次資料で裏づけられないため記載していません。本文中の「〜と語られる」「〜とされる」という表現は、関係者の証言や報道にもとづくもので、公式に確認されたものではありません。
記事中の数値は、各時点で公表されていたものです。最新の状況は各社の開示をご確認ください。本サイトの方針は免責事項およびポリシーに記載しています。
本記事は編集部の支援実務の経験に基づく見解です。個別の状況により最適な進め方は異なります。
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執筆・編集: THE AGENT 編集部
運営: 株式会社Sync Ascent(事業立ち上げ・採用コンサルティング)。数千名規模のキャリア支援と人材紹介事業立ち上げの実務経験に基づき、現場で使える情報だけをお届けします。|最終更新: 2026.09.05
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